酒米の王様「山田錦」はなぜ人気?その魅力と飲んでみたい日本酒5選

山田錦は日本酒の酒米の1つです。兵庫県で多く栽培されています。
「酒米の王様」として一番有名な酒米なので、知ってる方も多いかと思います!

日本酒を造るのにとても適した酒米で、最も多く使用されています。全国の生産量でいうと41%と半数ほどを占めています。

酒米の生産量

銘柄別酒米の生産量

農林水産省 平成30年産酒造好適米の生産状況等

山田錦で日本酒をつくると、きれいな香り高い味わいになるイメージがあります。何を飲もうか迷ったら、山田錦は間違いないという感じですね。

この記事では山田錦とはどんな酒米なのか?と、山田錦をつかったおすすめの日本酒を紹介します。ぜひ参考にしてください。

1.酒米ナンバーワン「山田錦」とは?

「山田錦」とは日本酒の原料、酒米の1つです。
山田錦で造る日本酒は雑味が少なく綺麗な味わいが多いですね。そしてコクもあり香り高い。どの日本酒を飲もうか迷ったら、山田錦の日本酒を選べば間違いないです!

1-1.山田錦は日本酒が造りやすい

日本酒を造るときに使用するお米のことを酒米(酒造好適米)と呼びます。いつもご飯として食べている「一般米」より粒が大きく、日本酒作りに欠かせない「米を削る(磨く)」作業がしやすいお米です。

その酒米の中でも、トップスターの酒米が「山田錦」だと言われています。
良い日本酒が作れる条件、
①粒が大きい
②心白が大きい(米の中心の白い部分:デンプン質)
③雑味の元となるタンパク質が少ない

これらの特徴を全て備えている山田錦は「日本酒を造りやすい酒米」とされ、全国の酒米出荷量40%以上を占めています。

日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会「日本酒の基」より

1-2.山田錦の主産地は兵庫県

現在「山田錦」は兵庫県・岡山県・山口県・福岡県などで栽培されていますが、その半数以上は兵庫県で栽培されています。

さらに兵庫県産の「山田錦」の中にはランクが設けられており、兵庫県三木市、加東市、小野市
神戸市北区を「特A地区」と位置づけして、この地域の山田錦が最高峰の酒米になります。(特A地区産の山田錦はその証しとしてラベル表記される)

特A地区は気温の差(日較差)が激しく、粘土質の田んぼという好条件であるため優れた山田錦ができあがります。特Aの日本酒を見つけたらぜひ飲んでみてください!

酒米品種の系譜

酒米品種群の成り立ちとその遺伝的背景より

山田錦のルーツを探ると、元は雄町からはじまっていますね。よく育つように「山田穂」と「短稈渡船(たんかんわたりぶね)」を掛け合わせて作られた品種です。

2.山田錦を使用した日本酒、飲んでみたい5選

2-1.大那 大吟醸 全国鑑評会出品酒 入賞酒 無濾過中取り 720m

香り、旨味、甘み、コクの全てが、すごく調和されている。何か1つだけが突出して主張し過ぎる味わいでない。菊の里酒造が醸す「大那」のシリーズはどの日本酒も円やかで飲みやすい印象があります。

こちらの日本酒はそんな「大那」のシリーズの中でもとっておきの1本「大那 大吟醸 全国鑑評会出品酒 入賞酒 無濾過中取り」になります。

鑑評会用に造るので数はそんなに造りません、ですからなかなか手に入れることが難しい限定酒になります。鑑評会に出品する日本酒らしく、吟醸香が華やかでいつもの大那シリーズより味わいも深く、よりなめらかな口当たり。

山田錦の醍醐味を味わうのならぜひこんな限定酒を飲んでみていただきたい。

・蔵元:菊の里酒造(株)(栃木県) 公式ページはこちら→
・製品:大那 大吟醸 全国鑑評会出品酒 入賞酒 無濾過中取り 720ml
・価格:4.400円(税込)
購入はこちら→

2-2.雨後の月 大吟醸 全国新酒鑑評会入賞酒 720ml

「雨後の月」を醸す相原酒造は原材料に特にこだわりを持って造っている酒蔵です。

兵庫県産の最上級の「山田錦」や「愛山」、岡山県赤磐など最上級の酒米にこだわり、また酒蔵がある広島県仁方は花崗岩地帯を浸水する非常に良質な水に恵まれておりその水を使用して一つ一つ丁寧に醸した味わい深い日本酒造りで多くの日本酒ファンを魅了しています。

こちらの「雨後の月 大吟醸 全国新酒鑑評会入賞酒」は、そんな相原酒造が今年度の出品酒として醸した鑑評会用の日本酒になります。

今年度は世界的な大流行コロナウィルスの影響で国内の鑑評会も軒並み中止となり、今回この日本酒にゴールドメダルの獲得はありませんが、過去9年連続で鑑評会でゴールドメダルを獲得している実力酒蔵が醸す鑑評会出品酒。

実力酒蔵が醸す出品酒の味わいは他ならぬきれいであとを引く味わい。さらりとした喉越しに爽やかなほんのりとした酸味も加わり冷たく冷やして飲むのがオススメです。

・蔵元:相原酒造(株)(広島県) 公式ページはこちら→
・製品:雨後の月 大吟醸 全国新酒鑑評会入賞酒 720ml
・価格:5.500円(税込)
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2-3.クラシック仙禽 無垢 720ml

仙禽は、お米も日本酒造りに使う仕込み水と同じ水で栽培したものを使うドメーヌ方式で自社内で製造まで一貫して日本酒造を行なっています。

「仕込み水で使う水と酒米が育ってきた水が違えば当然味わいが微妙に変わる」という考えから使用する酒米は倉の地下水と同様の水脈上に限定栽培したものしか使わないという徹底ぶりです。

こちらの「クラシック仙禽 無垢」は全量 山田錦を使用し昔ながらの製法の生酛仕込みで造られた、山田錦の旨味を思う存分味わえて価格帯も手頃な一本となります。

生酛仕込み特有の酸のたつ感じと材料から仕込みまでこだわり抜いた製法から醸し出される混ざり気の一切ないピュアな味わいが実に魅力的です。

・蔵元:(株)せんきん (栃木県) 公式ページはこちら→
・製品:クラシック仙禽 無垢 720ml
・価格:1.601円(税込)
購入はこちら→

2-4.会津娘 純米大吟醸 山田錦  720ml

その土地に伝わる手法で造り上げる事にこだわりをもって造る事を大切にしているのが高橋庄作酒造店の日本酒造りになります。

そんな「会津娘 純米大吟醸 山田錦」は、新潟県吉川地区の特Aランクの山田錦を使用して造られています。

他の日本酒の大吟醸のような派手で華やかな味わいというよりは、落ち着いたしっとりとした伸びやかな味わいがついつい「もう1杯」と誘われてしまう。

必要以上の香りはつけず山田錦のしっかりと、どっしりした風格ある力強い旨味を生かしながら、しっとりと品のある風格がたまらなく心引かれる1本です。

・蔵元:髙橋庄作酒造店 (福島県) 公式ページはこちら→
・製品:会津娘 純米大吟醸 東条産山田錦 720ml
・価格:2.805円(税込)
購入はこちら→

2-5.醸し人九平次 別誂 純米大吟醸 720ml

熟れた果実を感じさせる自然な爽やかさがたまらない日本酒。海外の三つ星レストランにもリストアップされている。愛知県の萬乗醸造 が醸す日本酒になります。

元祖「白ワインのような日本酒」の醸し人九平次 のシリーズからは「醸し人九平次 別誂 純米大吟醸 」をご紹介します。

兵庫県産の山田錦を見事に3割5分も磨き上げた大吟醸酒中の大吟醸になります。醸し人九平次 シリーズの中のフラッグシップという位置づけの日本酒になります。

嫌味のない酸味とスッキリとしたナチュラル感のある爽やかな味わい、そして何とも言えない華やかな吟醸香はワイングラスに注いで飲むにふさわしい日本酒といって間違いないでしょう。

海外の日本酒ブームの火付け役にもなったオシャレな日本酒をぜひ1度味わってみてもらいたいと思います。

・蔵元:(株)萬乗醸造 (愛知県) 公式ページはこちら→
・製品:醸し人九平次 別誂 純米大吟醸 720ml
・価格:4.669円(税込)
購入はこちら→

まとめ

日本酒造りに最適で、高精白すると高級な日本酒が出来るため多くの蔵元が好んで使用している「山田錦」の全国シェアは実に酒米全体の40%にも及ぶこともわかりました。

日本酒選びも酒米に注目して味わいの違いを比べながら飲んでみてもおもしろいですよ!皆様の日本酒選びの参考になったのなら嬉しく思います。

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