全国シェア第3位で人気の酒米「美山錦(みやまにしき)」をご存知でしょうか?
酒米の王様と呼ばれる山田錦、そして五百万石に継いで人気が高いのがこの酒米です。長野生まれのこの酒米は、寒冷地方に適した形に作られており、すっきりキレのある味わいを作り出すことで有名です。
この記事では、美山錦で醸された日本酒の特徴を取り上げながら、美山錦で造られた日本酒を厳選5本ご紹介します。
あなたの好みの日本酒を探すためにも、味の決め手である酒米はぜひ知っておくといいですよ!ぜひ参考にしてください。
日本酒の味の基礎「酒米」を知ろうシリーズ
- 酒米の王様「山田錦」はなぜ人気?その魅力と飲んでみたい日本酒5選
- すっきりした味わいを造る酒米「五百万石」の魅力と日本酒おすすめ5選
- キレのある味わいを造る酒米「美山錦」の魅力とおすすめ日本酒5選(当記事)
- 優しい味わいを醸し出す酒米「雄町」の魅力とおすすめの日本酒5選
目次
1. 長野生まれ「美山錦」は寒い地方に適した酒米
美山錦は、全国シェア第3位で人気の酒米です。長野県が主な生産地ですが、秋田、山形などの東北地方で広く栽培されています。
美山錦で造る日本酒といえば、すっきりキレのある味わいが多いことで知られています。
日本酒は兵庫県と京都の関西圏の出荷が多いのは知られていますね。実はその次に出荷数が多いのが新潟県や長野県などの北の寒い地方です。
美山錦は良く育つように何種類かの酒米を掛け合わせて作られた品種です。「たかね錦」に放射線処理を行い、突然異変によって誕生した比較的新しい酒米です。
そのため山田錦の様に柔らかく溶けやすい性質よりは、硬めの米質で淡麗な味わいになるという特徴があります。
実際、鶴齢や八海山、無冠帝などの新潟の日本酒、真澄や明鏡止水など長野の日本酒の多くはすっきり淡麗のお酒が看板酒ですね。
2.サッパリとした癖のない飲みやすい日本酒を造る
サッパリとしていて飲みやすく、癖がないので食事に合せて飲む食中酒として人気が高いです。
日本酒を普段からよく飲むという愛飲家が定番酒として購入するのも美山錦という事が多く、冷やでも燗酒でもどちらでも飲みやすい日本酒が多いというのも人気の秘密かもしれません。
しかしそれだけではなく美山錦で造った日本酒は、酒蔵の造り方の工夫によって同じ美山錦でも全く違うイメージの日本酒になり、美山錦だけで日本酒のコースができ手しまうくらいバラエティーに富んだ味わいが揃うのが魅力です。
次はその中から全く味わいが異なる日本酒を紹介していきます。
3.味わいの違いで楽しむ「美山錦」厳選5本
3-1.軽やかな飲み口で爽やかさを感じる「綿屋 特別純米 美山錦」
宮城県 金の井酒造の看板商品「綿屋」の中から特別純米美山錦をご紹介します。
原材料には、こだわりがあり蔵元自らが足で探した各地の専業の農家産との契約で厳選した酒米を使用し、蔵からほど近い深山から昏々と湧く宝の泉「小僧山水」を使用しています。
その長野県産の美山錦を55%まで磨いた特別純米酒 が「綿屋 特別純米酒美山錦 」になります。
グラス近づけたときにのフルーティーな柔らかい吟醸香の香りにまず、癒やされます。味わいは 甘みは控えめで最後少しだけ残る苦みと爽やかさが食欲をそそり食中酒としてオススメです。
冷たく冷やして飲むとキレのある飲み口ですが、購入後、開栓せずに冷蔵庫で1ヶ月くらい寝かして「熟成」させてから飲んでみるのも楽しいかも知れません。購入後すぐよりも旨みが増しまろやかな味わいが楽しめます。
・蔵元:金の井酒造(株)(宮城県)公式ページはこちら→
・製品:綿屋 特別純米酒美山錦 720ml
・価格:1.540円(税込)
・購入はこちら→
3-2.ガツンとくる濃厚な旨味「酔右衛門 山廃純米 無濾過原酒 」
岩手県にある川村酒造の醸す「酉与右衛門」の無濾過生原酒シリーズの中から「酉与右衛門 美山錦 山廃純米無濾過生原酒」をご紹介します。
こちらの「酉与右衛門」シリーズは原料米の違いで数種類あります。その中でもこちらは、自家田で栽培された美山錦を丁寧に醸し造られた1本になります。
無濾過独特の酸によるフレッシュ感と山廃純米による米の旨み2つがハーモーニーでお酒の味わいを高め個性的な1本です。
ワインのように空気に触れると味わいに変化が出てくるので冷酒で開栓して、飲んでいくうちに温度帯が変わってきたところで、フレッシュ感が落ち着いたまろやかな口当たりになるのを再び飲む、というダブルの楽しみ方がオススメです。
・蔵元:(合)川村酒造店(岩手県)紹介ページはこちら→
・製品:酉与右衛門 美山錦 山廃純米無濾過生原酒 720ml
・価格:1.925円(税込)
・購入はこちら→
3-3.品のある香りにサッパリとした口当たり「蒼空 純米酒 美山錦」
灘の「男酒」伏見の「女酒」と昔から表現があるように伏見の水カルシウム、マグネシウムなどをほどよく含んだ中硬水の水。このためきめの細かく口当たりの良い淡麗なお酒が多いのです。
こちら藤岡酒造が醸す「蒼空 純米酒 美山錦」も伏見のお酒らしい、強すぎない品のある香りとものすごくサラッとした滑るように喉を通っていく心地良さに心癒やされる優しい日本酒になります。
ボトルのデザイン同様、爽やかで透き通った蒼い空を思わせる食中酒として楽しむのにぴったりの1本です。
・蔵元:藤岡酒造(株)(京都府)公式ページはこちら→
・製品:蒼空 純米酒 美山錦 500ml
・価格:1.930円(税込)
・購入はこちら→
3–4.ほのかに香る優しい味わいの晩酌酒「日輪田美山錦 純米吟醸」
宮城県は、伯楽星 、愛宕の松 、日高見 、阿部勘 、乾坤一など有名銘柄がひしめく日本酒激戦区です。その中で若き8代目蔵元杜氏が新しく手がけたのが「日輪田 」です。
宮城県にある荻野酒造の元々の代表銘柄は「萩の鶴」そして8代目になって新しく立ち上げたブランドがこの「日輪田」 というの2種類に展開になります。
大量生産は行なわず手造りで質の良いお酒を造れるだけしか造らないという基本理念で日本酒造りを行なっている蔵元です。
吟醸香はほのかに香り、味わいは基本スッキリまさしく食中酒にピッタリという感じ、開栓後すぐの一口目は酸がたち軽快な感じがするが飲んでいくうちに温度帯が室温に近くなってくると米の旨みが増して味わいに変化が出てくるところがこの日本酒の特徴です。
・蔵元:荻野酒造(株)(宮城県)公式ページはこちら→
・製品:日輪田美山錦 純米吟醸 1800ml
・価格:3.300円(税込)
・購入はこちら→
3-5.酸味と甘みの絶妙なバランス「新政 純米酒 瑠璃 ラピス 」
新政酒造は1852年(嘉永5年)創業 168年の歴史を誇る協会6合酵母の発祥蔵でも有名です。日本酒好きなら知らない人はいないくらい有名な酒蔵で、新政ファンという熱烈なファンがいることでも知られています。
純米酒以外造らない、添加物は一切使わない、自社の蔵付き六号酵母以外使わない、一升瓶では販売しない(720ml 四合瓶のみ)というこだわり抜いた酒造りしかしないのがこの酒蔵の特徴です。
その新政酒造からご紹介するのがこちら「新政 純米酒 瑠璃 ラピス 」になります。ラピスは、Colorsカラーズというシリーズの1つ。
このシリーズのラインナップには他にグリーンのボトルの「天鷲絨 ヴィリジアン」ピンクのボトルの「秋櫻 コスモス」生成色のボトルの「生成 エクリュ」の4種類があり、それぞれ違う酒米を使って醸されています。
この瑠璃色のラベルの「新政 純米酒 瑠璃 ラピス 」は、東北を代表する酒米を使うという事で美山錦が使われています。
甘みと酸味と旨味が丁度良い具合にミックスされていて一度飲んだら虜になってしまうくらい印象的な味わい、これが新政マジックなのかと思わすほど存在感がある1本です。
食中酒としてはもちろんですが、お酒を主役に添えることができる、この日本酒だけで味を楽しめるそんな豪華な味わいがこの日本酒の特徴です。
ただし、限定数しか製造しないという事と人気の高いブランドという事で少し手に入れにくい日本酒になります。市場ではこの人気に便乗し定価よりもかなり高値で販売している業者がいることも事実です。
ここの記事で掲載している商品は全て定価で掲載していますので購入の際の参考にしてください。
・蔵元:新政酒造(株)(秋田県)公式ページはこちら→
・製品:新政 純米酒 瑠璃 ラピス 720ml
・価格:1.895円(税込)
・購入はこちら→
まとめ
美山錦は透明感のあるスッキリとした日本酒ができやすい酒米ではありますが、それぞれの蔵の造り方によりまったく異なる味わいが生まれます
今まで酒米を気にして選んでいなかった、という方にも次回はぜひ酒米にこだわって選んでみていただけるとまた違った日本酒の楽しみ方ができますよ!
日本酒の味の基礎「酒米」を知ろうシリーズ
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