そういえばどぶろくって一体どんなお酒なのだろう?
普通の日本酒やにごり酒とどう違うのか、意外と知られていません。
そこでこの記事では、にごり酒や甘酒、マッコリなど白く濁ったお酒と比較しながら、どぶろくとはどんなお酒なのかをお話ししていきたいと思います。
ぜひ、参考になさってください。
1.どぶろくとは濾さずに白く濁ったままの日本酒
どぶろくは白く濁ったままの日本酒です。古来より五穀豊穣を祈り神々に捧げられた神聖なお酒でもあります。
皆さんよくご存じの日本酒があります、この日本酒を造る最後の仕上げに「もろみ」を搾ってお酒の中に出来た固形物(酒粕)と日本酒(清酒)に分ける作業(濾す作業)があります。
この濾す作業を行わないで造られたお酒のことを、どぶろくと呼びます。濾さないで酒粕もそのまま含まれるため白くにごったお酒になるのです。
また、酒税法上で日本酒(清酒)は、濾す作業が入っていないと日本酒(清酒)には該当しないため、濾していない、どぶろくは分類上日本酒ではなく「その他の醸造酒」または「にごり酒」と分類されます。
つまり、一般的ににごっている日本酒は「にごり酒」と呼び、どぶろくはその一種となります。
2.どぶろく、にごり酒、甘酒の違い
3.どぶろくは美容と健康にうってつけ!
どぶろくには美容や健康に良いとされている沢山の成分が含まれています。コウジ酸、アミノ酸、酵母等がそれにあたります。また、ほかの日本酒と同様ストレスの軽減や食欲増進、睡眠促進や動脈硬化予防などに効果的だとも言われています。
3-1.コウジ酸は美白に効果的
コウジ酸は美白に効果的です。化粧品メーカーのコーセーがその効能に注目し美白効果が研究されて「コウジ酸美白美容液」を発売しました。
シミや、色ムラのない明るくクリアな肌に導く薬用美白美容液ということで発売と同時に美意識の高い女性たちの間で瞬く間に話題となったあのコスメに使われているのがコウジ酸です。
どぶろくを飲むことでこのコウジ酸がたっぷりと体内から摂取できるのですから美容を気づかう皆さんには見逃せないものとなります。
3-2.4種類の必須アミノ酸すべてが含まれているパーフェクト食品
どぶろくに含まれるアミノ酸は7種類。食物からしか補給できない必須アミノ酸であるバリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジンの必須アミノ酸に加えプロリン、アルギニン、アラニンという7種類のアミノ酸が豊富に含まれています。
特に必須アミノ酸と言われる物は体内では合成されず、食物からしか補給できないことで知られています。バリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジンの必須アミノ酸に加えプロリン、アルギニン、アラニンという7種類のアミノ酸が豊富に含まれているのです。
特に4種類の必須アミノ酸を含んでいるというのが特徴で、4種類全てが含まれている食品は他に類を見ません。私たちの体のタンパク質を構成する大切な役目をし、また毎日必ず取らなければいけないとされている食品です。
立命館大学スポーツ健康科学部教授の藤田聡氏は、アスリートが勝てる体づくりに欠かせないものが筋肉とアミノ酸だとアドバイスされています。この話は何もアスリートに限ったことではなく私たち一般の人間も同様です。
そんな大切な栄養素、必須アミノ酸がどぶろくを飲むことで摂取できるのですから、どぶろくはサプリメントの代わりを担うパーフェクト食品と言いかえることができるのではないでしょうか。
3-3.酵母の力が良質な睡眠に効果的
どぶろくの成分に含まれるアデノシンA2Aと言う成分は睡眠ととても深い関係にあるということが研究されています。深い睡眠を誘発するアデノシンA2Aという成分の活性化能を高める効果がどぶろくにはあるため、良質な睡眠が効果的にとれるのです。
大手企業などもこの成分に着目して商品開発が進められています。すっきりと眠れる効果的な方法がどぶろくを飲むことで可能になるのなら最高です。
4.おいしいどぶろくの飲み方
4-1.ロック
シンプルにグラスに氷を入れてロックで飲みます。氷が溶けると濃い目の味が少しだけ薄まり優しい味わいになり飲みやすくなります。正統派な飲み方ですが一番おいしい飲み方でもあります。
どぶろく本来のコクや濃厚な味わい、酸味や旨味などをストレートに味わいたいのならまずロックで飲んでみて下さい。清酒の洗練されたさらりとした口当たりとは全く違う日本酒のルーツみたいなものが感じられるのがどぶろくです。
4-2.熱燗
どぶろくは冷たくして飲むものという考えのある方がいらっしゃると思うのですが実は熱燗にしてもこれがまたなかなか洒落た飲み方です。
少し酸味が強いと感じる濃い目のどぶろくは温める事で酸が飛び、どぶろくのお米感がより高まり味わいが深くトロンとした口当たりとなります。ロックの冷たいまま飲むのとは全く違った楽しみ方ができます。
おすすめはシンプルにロックで楽しんだ後に、熱燗で違う顔のどぶろくを楽しむ。1つのどぶろくで違う味を楽しむ、ぜひ挑戦してみていただきたいです。
4-3.サワー
どぶろくをストレートではなく何かで割る飲み方というのもおすすめです。どぶろくサワーをつくってみましょう。炭酸なら何でもOKです。
甘めがお好みならジンジャーエール・ペリエ・サイダー等で割ってみる。どぶろくの味を崩したくないのなら炭酸ソーダ―で割ってみて下さい。
もちろん割ることによりアルコール度数は下がりますし、どぶろくだけで飲むよりもかなり爽やかな味わいになります。アルコール高めは嫌だと思っている女性には特にお薦めの飲み方です。
4-4.ビール割り
ビールで割るなんておいしいの?と思われるかもしれませんがこれが意外にも相性ばっちりです。ビールの苦みとどぶろくの酸味が合わさると中和されてとてもしっくりと飲みやすくなります。
個人的には、どぶろく2:ビール1程度の割合がベストな比率なのではないかと思っています。皆様のお好みで色々試してみて下さい。
5.おしいどぶろくの紹介
5-1.岩手県 遠野どぶろく特別区「とおの どぶろく生もと」
岩手県 遠野どぶろく特別区の「とおの どぶろく生もと」は、民話の里で知られる遠野で民宿を経営されている佐々木さんとその息子さんである要太郎さんが造るどぶろくです。2011年に実家である民宿の隣に「とおの屋 要」をオープンし民宿とは違う食と宿泊の提供もしており食の業界で今一番注目を集めている人物の一人でもあります。
瓶のラベルは昨年のものとは変わって、今回のラベルは動物の絵が描かれています。一見ワインボトルかと思うような素敵な絵柄に心躍ります。ラベルのデザインは絵心のある佐々木さんの娘さんがデザインしているのだと言うことでした。
「とおの どぶろく生もと」は、生の活性どぶろくになります。注意書きに「開栓時は噴き出る恐れがあるので気を付けて下さい」となっており開栓してしばらくは元気で活発な酵母の働きにより「飲みたいのに飲めない」発泡状態が少しだけ続きます。
すこし落ち着いてグラスに注ぐと・・・写真の様にまだ発泡がおさまらず少しずつ湧いてくる。
グラスに注いでからもプチプチと発泡しており酵母が生きている姿を見ると、とても愛おしさを感じます。
しっかりとした米の味が残っており、開栓直後は、酸がたつ感じがありますが、嫌味なく頂けます。開栓後しばらくすると落ち着くのか酸味よりは米の甘味の方が立ってきます。
どぶろくは濾してない分荒っぽい味わいを想像する方も多いと思うのですが品のある味わいにこだわりの造りを感じさせます。
合わせる食事は油っこいものでも良く、少し味の濃い目の食事でも良いです。発酵食品であるどぶろくは同じ発酵食品であるチーズなどと合わせるとお互いを引き立てて美味。和食だけでなく生ハムやサラミなどとも相性が抜群です。
製造:とおの屋 要 公式ページはこちら→
製品:とおの どぶろく生もと 720ml
価格:3,780円(税込)
購入はこちら→
5-2.高知県 三原村どぶろく特区「三原村どぶろく 川平郷」
高知県も酒蔵が多い地域です。有名な日本酒では「酔鯨」や「司牡丹」「亀泉」などは全国区でも有名で美味しい日本酒ですが、どぶろく造りも盛んです。
みはら米と言うお米が有名な三原村どぶろく特区の山村で造られているどぶろく。お米が違うと同じどぶろくでも味は変わり、この「三原村どぶろく 川平郷」は女性でも飲みやすいようにと甘口のどぶろくになっています。
手作りの味わいがどこか懐かしさを感じる様な活性生のどぶろくです。開栓したては、口に含むと酸が強く少しピリッと来る感じもあるのですがやはり時間がたつと落ち着いた味わいになります。酸味が気になる向きには、燗につけると酸が飛びより一層まろやかになります。
製造:三原村の「農家食堂 つの」
製品:三原村どぶろく 川平郷 720ml
価格:1,690円(税込)
購入はこちら→
5-3.大分県 竹田名水どぶろく特区「荒城の雪・荒城の桜」
大分県竹田市の森の中にある宿リストランテサリモス。そのサリモスで振る舞われるどぶろくが荒城の雪・荒城の桜というどぶろくです。
霊峰祖母山系のミネラルたっぷりの天然地下水と合鴨農法で栽培した自慢の米から仕込んだオーガニックなどぶろくとなります。
「荒城の雪」は、米と麹の何とも言えないトロリとしたまろやかな口当たりアルコール度数8~10%と軽めで非常に飲みやすいどぶろくです。一方のピンクの「荒城の桜」の方はほんのりと酸味もあり甘酸っぱくて優しい味わい。
どちらのどぶろくも米は同じですが酵母を変えて造られています。薄いピンク色は、赤色酵母を使用しているから。「荒城の雪」とは味わいを変えて造っているのだそうです。紅白でおしゃれな酒瓶に入っているのでお祝い事の贈り物にも良さそうです。
製造:サリモスどぶろく製造所 公式ページはこちら→
製品:荒城の雪・荒城の桜セット 380ml×2本
価格:2,600円(税込)
購入はこちら→
5-4.大分県 やまくにどぶろく特区「どぶろく山椿」
山国どぶろく製造所が造る山椿・椿のあま酒セットは、地産の山国米を100%使用した手作りのどぶろくと甘酒のセットです。
どぶろくは生の活性どぶろくで、飲むのももちろんですが肉や野菜を漬け込んで頂いても美味しいのだとか・・・山椿のどぶろくはアルコール度数15度としっかり目の度数なので氷を入れてロックで飲んで丁度いいお味に落ち着きます。
お好みでジンジャーエールを割ってみると甘みが増して美味です。お子様やアルコールが苦手な方には椿のあま酒が飲みやすくておすすめ。
製造:山国どぶろく製造所
製品:山椿・椿のあま酒セット(どぶろく山椿:720ml・椿のあま酒:500ml)
価格:3,926円(税込)
購入はこちら→
5-5.岐阜県 臥龍桜の里・一之宮どぶろく特区・農家がつくった どぶろく
飛騨高山にある農家民宿みづの荘で造られるどぶろく。地元産の酒米「飛騨ほまれ」と飛騨高山の上流水を使い宿独自の二次発酵によりつくられるどぶろくには3種類の味があります。
辛口・中辛・甘口、中でも甘口は女性におすすめ。アルコール度数7%でまろやかで酸味が弱く甘味が一番わかりやすいタイプです。初めてのどぶろくなら断然飲みやすい甘口をおすすめします。
蔵元:農家民宿みづの荘 「農家が作ったどぶろく」公式ページはこちら→
製品:農家がつくったどぶろく 720ml
価格:2,160円(税込)
購入はこちら→
5-6. 福岡県の庭のうぐいす「手造り鶯印のどぶろく」は定番
こちらはどぶろくと言えばすぐ思い浮かぶ方も多い、庭のうぐいす 手造り鶯印のどぶろくです。
アルコール度数は6度と低めでトロリとした口当たり、甘みの中に少し酸味もありお酒と言うよりヨーグルトの様な感じで飲めるどぶろくとして人気があります。
そのまま飲むのもお薦めなのですが、鶯印のどぶろく は、ビールで割って飲むとより軽い感じになりちょっとお洒落な飲み物に代わります。一度お試しになってみて下さい。
蔵元:合名会社 山口酒造場 公式ページはこちら→
製品:庭のうぐいす 手造り鶯印のどぶろく 720ml
価格:1,318円(税込)
ご購入はこちら→
5-7.吟醸酒の様などぶろく「みちのく山形のどぶろく 雪化粧 白どぶ 無濾過火入」
酒田発酵のどぶろくこちらは「雪化粧白どぶ」です。お酒の中の酒粕が少なめなのでサラリと飲めるどぶろくです。
酒田発酵の社長さんが「吟醸酒の様などぶろくを目指している」と話すこの「雪化粧白どぶ」は、特殊な方法で上澄みを多くしているため、どぶろく特有のどろりとした感触はありません。発泡性があるので口の中でぷちぷちとはじける感じがあり味わいはスッキリとさわやかに飲めるタイプ。
濃厚などぶろくがどうも苦手と言う人でも飲みやすい用に考えて造られた甘口の微発泡どぶろくです。
蔵元:酒田醗酵㈱ 公式ページはこちら→
製品:雪化粧 白どぶ 無濾過火入 720ml
価格:1,850円(税込)
ご購入はこちら→
5-8.どぶろくフェスタで大賞受賞(山形県 酒田発酵)「みちのく山形のどぶろく ひとめぼれ 黒どぶ 無濾過火入」
こちらは同じ酒田発酵の「ひとめぼれ 黒どぶ」になります。「雪化粧 白どぶ」はさっぱりスッキリ頂けるどぶろくでしたがこちらは、それよりもかなり濃厚で甘味やとろみもかなり強めで濃醇甘口タイプのどぶろくです。
こってりとした濃厚なこれぞどぶろくと言うのがお好きな方には大変おすすめです。「TOKYOどぶろくフェスタ2012」にて最優秀大賞を受賞した確かな味わいは、どぶろくの真骨頂と言っていいでしょう。
蔵元:酒田醗酵㈱ 公式ページはこちら→
製品:ひとめぼれ 黒どぶ 無濾過火入 720ml
価格:1,850円(税込)
ご購入はこちら→
まとめ
ここまでどぶろくについてお話ししてまいりました。
どぶろくがにごり酒や甘酒など見た目が似ているお酒とどこが違うのか、どぶろくには美容と健康に効果的な嬉しい成分がたっぷり含まれているという事、そしてどぶろくの美味しい飲み方。
おすすめのどぶろくもいくつかご紹介してみました、飲んでみたいと思うどぶろくはありましたでしょうか。
どぶろくのことが少しでもお分かりいただけて皆様のお役に立てたのなら幸いです。
コメント