日本酒の「ひや」は常温ってほんと!?知っておきたい正しい意味

日本酒の「ひや」の正しい意味を知っていますか?

言葉の響き的に「冷たい日本酒」のことかと思いきや、違うんです。実は「ひや=常温の日本酒」のことをいいます。日本酒初心者の方にとっては最初混乱するかもしれません。

この記事では、
・日本酒の「ひや」の正しい意味
・日本酒の「ひや」由来
・その他、日本酒独自の「温度帯の呼び方」
これらをお話しします。

最後に「ひや(常温)」で飲んで美味しい日本酒も紹介しますのでぜひ参考にしてください!

1.「ひや」は常温という意味

ひやと冷酒の違いを表す画像

日本酒の「ひや」というのは「常温」の日本酒のことを指します。冷蔵庫などで冷やして保管していない、室内の日本酒の事です。

一方、冷蔵庫などで冷たく冷やしたお酒のことを「冷酒」と呼びます。

「ひや」という呼び名から冷えているという想像で「ひや」=「冷酒」というイメージしてしまうかもしれません。しかし、昔から日本酒では「ひや」は常温の日本酒のことです。言葉の意味が曖昧だと、居酒屋などで注文する際に混同することがあるので気をつけましょう!

2.常温のお酒を「ひや」と呼ぶのはなぜ?

ひやと呼ぶのはなぜかの説明画像

常温の日本酒なら「常温」と呼べばいいのに紛らわしいと感じている人もいるかもしれません。 ではなぜそもそも常温の日本酒の事を「ひや」と呼ぶのでしょうか?

それは、冷蔵庫が普及していなかったその昔、日本酒は、「燗」でつけて出すか、そのまま出すかのどちらかでした。 日本酒を冷たく冷やして出す習慣がなかったのです。そのため「ひや」とは「燗につけていない酒」を指し、常温の日本酒の事をこう呼ぶようになったのです。

3.実際のところ「ひや=常温」は知らない人が多い!

冷やと日本酒の違いの画像

言葉の正しい定義としては「ひや」=「常温」なのですが、実際には特に若い世代はこれを知らない人も多いです。実際、私の周りの20代に聞いたところ5人中全員知りませんでした。

そのため、居酒屋によっては「ひや(常温)を頼んだのに冷酒がきた」ということもあるかもしれません。お客様側として間違いなくオーダーするためには、

・常温の日本酒がほしい時は「常温」
・冷たい日本酒がほしい時は「冷酒」

と明確に言ったほうが良いと思います。日本酒専門店などであれば、「おすすめの温度でください」というのが楽かもしれません^^

逆に飲食店の従業員さん側だとしたら、お客様が「ひやで」と注文してきたときには「冷たい日本酒でしょうか?常温でしょうか?」と確認をとることが間違いを防ぐコツとなります。

4.日本酒には温度帯により色々な呼び名があります。

ところで日本酒には、ひや(常温)という呼び名のほかにも温度帯により様々な呼び方があります。日本酒独特の表現でおもしろいので少しご紹介したいと思います。

日本酒温度帯の呼び名表

呼び名温度味わい
飛切燗(とびきりかん)55℃熱々の状態。ピリッと辛め、香も強め
熱燗(あつかん)50℃徳利を持つと暑いと感じる。キレよくシャープな味
上燗(じょうかん)45℃注ぐと湯気がでる、ふくよかな味、引き締まった香り
ぬる燗40℃徳利を温かいと感じる、味、香りに膨らみがある
人肌燗(ひとはだかん)35℃少しぬるいと感じる、なめらかでスッキリした味
日向燗(ひなたかん)30℃熱く冷たくもない状態、香りが広がりなめらかな味
ひや(常温)20~25℃含んだときひんやりと感じる、お酒の個性が味わえる温度
涼冷え(すずびえ)15℃冷蔵庫から出してしばらく置いておくとこの温度になる香りが楽しめる
花冷え(はなびえ)10℃冷蔵庫で1時間くらい冷やしたときの温度フルーティーな日本酒の香りを楽しめる
雪冷え(ゆきびえ)5℃冷蔵庫で1日程度冷やした状態。風味は控え目になるが喉越し良く飲み口がサラリとしている

1本の日本酒でも飲む温度を変えるだけで味わいや表情に変化が出るのが日本酒の醍醐味です。ぜひ同じ日本酒を温度を変えて楽しんで見て下さい。

6.「ひや(常温)」で飲んでみたいオススメの日本酒5選

日本酒は、大吟醸酒や吟醸酒と呼ばれる吟醸系の日本酒は冷酒で冷やして飲むのがオススメで、本醸造酒や純米酒などは燗酒にして飲むのが味わい深くオススメです。

では、「ひや」で飲むならズバリ「純米酒」がおすすめです。

お米の旨味をたっぷりと含んだ味わいに厚みのある純米酒は、冷やしたり、温めたりせずに是非まずそのままの状態「ひや」で飲んで欲しい日本酒です。

ここでは「ひや」で飲むのがオススメの純米酒を厳選して5本ご紹介します。

6-1.米の旨みが素朴な味わいで後を引く純米酒「会津娘 純米酒」

ひやで飲むと旨い日本酒「会津娘」

福島県会津にある蔵元、高橋庄作酒造店が造る「会津娘 純米酒」になります。地元、会津産の五百万石の酒米を使用して造られるこの日本酒は、癖がなくスッキリとした味わいで特に「ひや」でのむとその米の甘味、旨味が感じられるのでぜひ一度お試し頂きたいと思います。

丁寧に造られており素朴な旨味の味わいは、普段の食卓にピッタリです。例えば、揚げなすやレンコンのはさみ揚げ、きんぴらゴボウなどと合せると普段の惣菜がグンと引き立ちます。

冬には「ぬる燗」でおでんなんかにもピッタリなのでぜひ一度試してみて下さい。

・蔵元:高橋庄作酒造店(福島県)公式ページはこちら→ ・製品:会津娘 純米酒 720ml
・価格:1,375 円(税込)
購入はこちら→

6-2.山廃の風格漂う王道にして定番の純米酒「天狗舞 山廃仕込純米原酒」

ひやで飲むと旨い日本酒「天狗舞」

全行程を機械化して効率よく日本酒を生産してしまう蔵が多い中この車多酒造は、麹造りや酒母造りを手間暇かけた手造りにこだわって日本酒を造っています。

山廃仕込みにこだわり、山廃といえば「天狗舞」というほど日本酒好きの間には定評がある蔵元でもあります。

うすい黄金色で熟成感があり濃厚な旨味は癖になります。ほどよい酸味がフレッシュ感を放ち「王道」の佇まいはさすがという感じです。

サッパリとしたおつまみよりも、少し味の濃い目な、豚の角煮やカレーの煮付けなんかに良く合います。

・蔵元:車多酒造(石川県)公式ページはこちら→ ・製品:天狗舞 山廃仕込純米原酒 720ml
・価格:1,650 円(税込)
購入はこちら→

6-3.雄町の味わいが存分に楽しめる純米酒「七田 純米 七割五分磨き 雄町」

ひやで飲むと旨い日本酒「七田 純米」

岡山県にある天山酒造が醸す「七田 純米 七割五分磨き 雄町 無濾過生」は冷蔵庫で冷やして飲んでも美味しいのですが、なんと言っても「ひや」がオススメです。

岡山県産の酒米雄町をあえて75%の精米でとどめて、米の豊かな旨味が存分に味わえる様に考えて造られた酒米雄町の逸品と言っていいと思います。

適度な酸味とあえて酒米を削りすぎない作りで雄町独特の濃厚で飲み応えがある力強い味わいは「オマチスト」と呼ばれる雄町が大好きな日本酒好きから愛されてやまない理由の一つではないでしょうか。

・蔵元:天山酒造(岡山県)公式ページはこちら→ ・製品:七田 純米 七割五分磨き 雄町 無濾過生 1.8Ll
・価格:2,860 円(税込)
購入はこちら→

6-4.名水で丁寧に醸したパワフルな辛口純米酒「花垣 超辛純米」

ひやで飲むと旨い日本酒「花垣 超辛純米」

福井県の南部酒造場が醸す「花垣 超辛純米」は、名水百選である「お清水」の郷であり、酒造好適米である酒米の五百万石を使用し、五百万石ならではのスッキリとしたキレとともに純米ならではの米の旨みが印象的です。

ほのかな甘い果実香とともに最初の一口目は、少し酸味が前に出ます。飲みすすめるうちに、次第に口の中に旨味といわれる米の甘味が広がり 「ひや」で飲むことでその良さが一段と伝わってくる日本酒だとしみじみと感じさせてくれる1本です。

冬なら燗酒もオススメですが、とにかくまず「ひや」飲んでみることでこの日本酒の良さがわかると思います。

・蔵元:南部酒造場(福井県) 公式ページはこちら→ 
・製品:花垣 超辛純米 720ml
・価格:1,375円(税込)
購入はこちら→

6-5.熟成による旨味がたまらない純米酒「七本鎗 純米14号酵母 玉栄」

ひやで飲むと旨い日本酒「七本鎗 純米 玉栄」

滋賀県にある冨田酒造が醸す「七本鎗 純米14号酵母玉栄」は、名前にあるとおり14号酵母を使っており米のふくよかな味わいが存分に楽しめる純米酒として造られています。

1年以上の熟成をかけてゆっくりと寝かされて出来上がるため、香りは穏やかですがしっかりとした酸味の中に円やかな旨味が溶け込みとても深みのある味わいに驚かされると思います。

冬には鍋に合わせてお燗酒にしてみると酸味が落ち着き、違う味わいとして楽しめます。

・蔵元:冨田酒造(滋賀県) 公式ページはこちら→ ・製品:七本鎗 純米14号酵母玉栄 火入れ 1.8L
・価格:2,860 円(税込)
購入はこちら→

まとめ

「ひや」とは、常温の日本酒のことを指すというのが正しい意味です。

ただし、実際には知らない方も多いので、飲食店で日本酒を頼むときには「常温で」「冷酒で」と明確に言ったほうが間違いがないでしょう。

ぜひ、自分のお気に入りの日本酒を見つけて「ひや」の味わいを楽しんで見て下さい。

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