日本酒ってどんな飲み方をすればいいんだろう?
と考える方もいらっしゃるかと思います。
が、実際は日本酒の飲み方にルールはありません!
あなたにとって美味しい飲み方であれば、日本酒をお茶で割ったり、どんな日本酒も熱燗にしたりしていいんです。
覚えてほしいのは、日本酒は少しの変化で味の違いが楽しめる、おもしろいお酒だということ。
冷酒や熱燗といった温度、おちょこの種類、注ぎ方ひとつで味が変化します。それが日本酒の魅力の一つです。
今回、色々な飲み方を比べてもらいたいと思い、この記事にまとめました!
ぜひ参考にしてみて下さい
目次
1. 温度を変えて飲む
日本酒はキンキンに冷やして飲むもよし、アツアツの熱燗にして飲むもよし、またそのまま常温で飲んでも良い、お酒の中でもいろいろな温度で楽しめるのが特徴です。
日本酒販売店やデパートの日本酒売り場などに出向くとわかると思いますが冷酒で飲むのが良い日本酒は冷蔵庫の中に保管されており、常温や熱燗におすすめの日本酒は棚に並んでいます。
1-1. 冷酒にして飲むと美味しい日本酒
冷酒は最もポピュラーな飲み方ですね。
少しクセのある日本酒でも、冷酒で飲めば途端に飲みやすくなることも多いです。
基本的に全部の日本酒が冷酒でも飲めますが、特におすすめな冷酒にするとおすすめな日本酒は以下のようなものです。
<冷酒にオススメな日本酒>
・吟醸酒、大吟醸酒
・生酒
・活性にごり酒
冷やすことにより吟醸香の持つ独特の香りを引き立てて爽やかですっきりとした味わいになるため、吟醸酒や大吟醸酒と言われるフルーティーで香りの高い日本酒や「生」とつく生酒などは冷蔵庫で冷やして飲むのがおすすめです。活性にごり酒や熟成していない日本酒等は冷やして飲みます。
特にポカポカ陽気の春の日や暑い夏などには冷たく冷やした吟醸酒や味わいがフレッシュな生酒は気分もすっきりとしておすすめです。
1-2. 常温で飲むと美味しい日本酒
日本酒は常温で飲むとそのお酒が持つ酸味や甘味、旨味がダイレクトにわかります。そのため酸味や甘味、旨みなどバランスの取れた日本酒が常温で飲むには向いていると言えるでしょう。
冷酒よりも酔いにくいと言われるのが、こちらの常温や熱燗ですね。
アルコールは温まってから体が認識するからと言われています。たしかに冷酒だと飲みやすくてぐいぐい呑んでしまって後から「飲みすぎたー!」というのがよくあります(笑)
<常温にオススメな日本酒>
・純米酒
・純米吟醸酒
・醸造酒
厳選された酒米で醸した純米酒、純米吟醸酒や特別純米酒と呼ばれている日本酒は常温で飲むのに適しています。また純米酒同様、酒米にこだわった良質の醸造酒も常温で飲むと美味しいものがあります。
そして常温で飲んでおいしいと感じる日本酒は燗につけても美味しい日本酒が多いです。初心者が美味しく日本酒を飲む目安として選びやすいという点では純米酒や純米吟醸酒、特別純米酒ラインを選ぶと堅実です。
1-3. 熱燗にして飲むと美味しい日本酒
常温の日本酒の説明でもご紹介しましたが良質の酒米で醸されたバランスのとれた日本酒は熱燗にしてもとても美味しくいただけます。ですから純米酒や純米吟醸酒、特別純米酒等は燗酒に適しています。
その他では生酛仕込みや山廃仕込みと表示のある米本来のしっかりとした味があり、どっしりとした骨太な味わいと言われる日本酒は熱燗にむいています。
燗付けというのは、日本酒を瞬時に反応させ熟成を起こさせる行為でもあります。このため燗につけると日本酒は味が変わるのです。
常温であまり感じられなかった香りも温めることで一気に広がり生酛や山廃の日本酒等は香りが生きてくると言われています。また、味わいも温めることで、まろやかになりますから飲みやすくなります。
<熱燗におすすめの日本酒>
・純米酒
・生酛仕込み
・山廃仕込み
2. 割り方をアレンジして飲む
日本酒を「割って飲む」というと驚かれる方もいらっしゃるのですが焼酎などと同じように氷や水、炭酸などで割って飲んでも日本酒はとても美味しくいただけます。
2-1. オン・ザロック
日本酒のオン・ザロックです。氷を入れたグラスに日本酒を注ぐだけの簡単な飲み方です。ロックグラスにすぐ溶けない様大き目の氷をいれ良く冷やした日本酒を注ぎます。
吟醸系の香り高い日本酒よりも味わいの濃い原酒や生酛系のどっしりとした味わいの強い日本酒が特に美味しいです。氷の解ける時間と共に軽い味わいへと変わり飲みやすくなります。
暑い夏の日に生原酒の日本酒でぜひ試してみて下さい。
2-2. 水割り・お湯割り
日本酒を水で割る飲み方してもいいの?と言う疑問があるかもしれません。日本酒はもともと割り水と言って原酒に水を加えて味の調整を行ってから出荷されるものがほとんどです。
そのため、水で割って飲んでも問題ありませんし、体にも優しく、また、カロリーも抑えられるという点でもおすすめの飲み方です。
焼酎を良くお飲みになる方なら焼酎の水割りの黄金比率は「ろくよん」と呼ばれ「焼酎6:水4」という法則をご存知の方もいらっしゃると思います。
日本酒の水割りを作る時には「ろくよん」ではなく「日本酒8:水2」の割合で作るのが黄金比率です。
焼酎よりもアルコール度数が低めの日本酒は焼酎と同じ割合で作ると薄まりすぎて美味しくありません日本酒の水割りを作るなら「日本酒8:水2」と覚えておきましょう。
そしてもう1つ注意点は使う水は水道水ではなくミネラルウォーター(軟水)を使うということです。お湯割りを作る時も日本酒とお湯の割合は、水割りの時と同様です。ぜひ挑戦してみて下さい。
2-3. 炭酸割り
氷をたっぷりと入れたグラスに日本酒を注ぎ、炭酸水で割ってみましょう。和風仕立てなら柚子、すだち、かぼす等の「和の柑橘類」をスライスして入れることにより、さっぱりとした清々しい味わいにかわります。
天然の材料でつくられる日本酒にはやはり、ペリエの様な天然の炭酸鉱泉水などを使用すると相性が良く日本酒の素材を引き立てくれてさらに爽やかになります。
日本酒単体とは一味違った炭酸割りならではのお洒落な飲み方を楽しむことができるでしょう。
甘い炭酸飲料水で割るとあまりおいしくならなかったので、単純に炭酸水で割るのがおすすめです。
詳しく知りたい方向け>日本酒を牛乳で割る!?日本酒好きが選んだ美味しい割り方ベスト20
2-4. ジュースや果汁リキュールで割ってみる
日本酒をジュースや甘めのリキュール類で割ってみると非常に飲みやすく、いい意味で日本酒を感じさせないカクテル調の飲み物に代わります。女性が大好きな果汁系のカクテルドリンクが出来上がります。
色々試してみて個人的感想ですが「桃」「パイナップル」のジュースはその甘みや甘酸っぱさが日本酒と相性がとても良いと思いますし、カシスリキュールやカルーアの様なコーヒーリキュールを入れると大人のカクテルと言う感じになります。
冷やして飲むのが美味しいので氷もお忘れなく。特にリキュール類はお酒なので氷を入れることで丁度よいアルコール度数に落ち着き飲みやすくなります。
分量は、ジュースならハーフ&ハーフでリキュール類なら日本酒3:リキュール1程度が丁度よく美味しいと感じました。ぜひ皆さんのお好みの果汁やリキュールを探してみて下さい。
3. 酒器を変えて飲む
酒器選びは、日本酒を味わう時の楽しみの1つでもあります。どんな酒器を選ぶかによって味わいも美味しさも変わってくるからです。同じ日本酒でも、陶器のおちょこで飲むのとガラスのおちょこでは口当たりが全然違くておもしろいですよ。
3-1. 陶器でやわらかく温かみのある味わい
陶器は厚みがあり質感が柔らかいので口に当てた時に何とも言えない温かみを感じることが出来きます。そしてなぜか自然と心が落ち着く感じがします。
常温の日本酒を入れて飲んでいるのに、ぬる燗でも頂いているかのような日本酒のほんのりとした温かみすら感じさせてくれるから不思議です。
備前焼、清水焼、益子焼、信楽焼、その他日本各地の陶酒器をコレクションし、その地方の日本酒と共に味わってみるというのもおしゃれな嗜み方ではないでしょうか。
上記写真ぐい吞み:一陽窯 ぐい呑み
価格:3.240円(税込)
購入はこちら→
3-2. フルーティーなタイプの日本酒ならグラスですっきりと
ワイングラスで楽しみたい日本酒も最近増えてきています。華やかな香りやジューシーな味わいが魅力のフルーティータイプの日本酒なら断然ワイングラスタイプのグラスで飲むのがおすすめ。
ワイングラスは香りが揮発しやすいという特徴があります。このためグラスに口元を近づけた時に鼻に漂ってくる日本酒の吟醸香は、このタイプのグラスでないと楽しめません。
薄いグラスは口当たりが良いので、繊細な味が多い吟醸酒は薄手のグラスで味わうとその細やかな味わいがとても伝わりやすく美味しく感じます。
お手元に大吟醸酒や吟醸酒がありましたら一度、普通のお猪口とワイングラスとで飲み比べてみて下さい。味わいがまるで変わるのがお分かりいただけると思います。
また、日本名門酒会の酒場「岡永倶楽部」のスタッフさんに聞いたのですが、どうしても酔っぱらえない接待などではグラスで飲むのがおすすめです!
うすはりのグラスだと「割れるかもしれない」という潜在的な緊張感が生まれて、酔いにくいんだそうです。接待によく使われているようなお店ではうすはりのグラスで提供されることが多いそう。
上記写真ワイングラス&純米グラス:木村硝子店
価格:ワイングラス3.348円(税込)・ 純米グラス1.994円(税込)
購入はこちら→
3-3. すずのおちょこは、マイルドで優しい味わい
すずのおちょこは、何と言っても口当たりがまろやかになります!
少し酸味の強い尖った感じの日本酒でも日本酒を猪口に入れてしばらく置くとお酒が落ち着きハッとするぐらい優しい味わいになり飲みやすくなります。
金杯や銀杯と言うのは良く耳にするかもしれません。日本酒用の器として用いられる金属は、金や銀よりもすず(錫)やチタンで作られたものが良いとされています。
なぜなら熱伝導に優れていることと、腐食が少ないことが理由です、また金属臭が一切しないのも利点です。
すずは不純物を吸収し日本酒の味わいをまろやかにしてくれるので燗酒でも冷酒でもどちらにも向いています。冷たい物は冷たく、温かいものは温かく注いだ日本酒が好みの温度で最後まで飲めるのが嬉しい所です。
すずのおちょこは日本酒好きの方への贈り物としても喜ばれそうです。
上記写真ぐい吞み:大阪錫器のぐい呑
価格:3.780円(税込)
購入はこちら→
3-4. 紙コップならほっこりと仲間とお花見に最適
岡永倶楽部にて
意外にも紙コップで飲む日本酒もおいしいですよ!
ぜひグラスとの違いを比べてみてほしいです。緊張感が出るうすはりのグラスとは逆に、紙コップの方がほっとするお味がすると思います。
4. 注ぎ方で変わる日本酒の味
ワインは注ぎ方によって味が変わるということをご存知の方も多くいらっしゃるでしょう。日本酒もまた、ワイン同様注ぎ方によって味わいが変わります。
- • 上から勢いよく注ぐ・・・グラスの上から勢いよく注ぐと、グラスの中に空気が含まれます。このことにより味わいがしっかりとして日本酒本来のコクや旨味が増した味わいにかわります。
- • 傾けながらグラスに沿わせて注ぐ・・・空気をなるべく含ませないで注ぐこの注ぎ方は優しいまろやかな味わいになります。
自宅で違いをぜひ味わってみてください。
5. 体に優しい飲み方は、やわらぎ水と一緒に飲むこと
日本酒を造る時に使用されている「仕込み水」を和らぎ水として提供してくれる専門店もある。東京・赤坂「鳥屋 心人」
やわらぎ水(やらわぎみず)を飲むと日本酒が飲み易く体に優しいことを知っているでしょうか。やわらぎ水とは日本酒と日本酒の間にお水を挟んで飲むことを言います。
アルコール度数の高い洋酒を飲むときにチェイサーという水をはさみながらお酒を飲む、あの飲み方です。日本酒の場合はチェイサーとは言わずやわらぎ水と言います。
飲むならできれば水道水より、ミネラルウォーター(軟水)が断然おすすめです。
最近はやわらぎ水用に、お酒と一緒にペットボトルのミネラルウォーターを提供してくれる飲み屋さんも増えてきました。
日本酒と日本酒の間に、この和らぎ水をはさむことにより飲み過ぎ防止や体内にたまっていくアルコールの度数を下げてくれる役目をして悪酔いせず、体にとても優しい飲み方になります。
日本酒を飲むときには忘れずに一緒に和らぎ水を飲むようにしましょう。
まとめ
ここまで、日本酒を美味しく飲むのにはどんな飲みがあるのか温度を変えたり、割方をアレンジする方法、酒器を変えて楽しんでみたり、注ぎ方でも味が変わることなど、日本酒の飲み方についてお話しをしてまいりました。
皆様に少しでも日本酒の美味しい飲み方のご案内ができたのなら幸いです。
コメント