「前割り」は事前にお酒を水で割ってしばらく寝かせてから飲む方法です。お酒と水が馴染んでまろやかになるんですよね。前割りというとよく焼酎が連想されますが、実は日本酒で前割りをしても美味しいんです!
特に原酒で18%くらいのアルコール度数高めの日本酒で前割りすると、まろやかさが増すのをかなり感じます。開栓したての日本酒だと少しかたく感じるものもありますが、その際に前割りする(もしくは水割りして少し置いておく)とやわらかくなるのでおすすめです!
今回は実際に日本酒の前割りをしてみてその変化をレポートします。参考になるとうれしいです。
目次
1. 日本酒前割りのおいしい作り方
【準備するもの】
・日本酒:原酒でアルコール度数が18度くらいの高めのものがおすすめ
・水:軟水のミネラルウォーターがおすすめ
・作った水割りを入れる保存容器:日本酒の空き瓶がおすすめ
日本酒は原酒でアルコール度数18度くらいの高めのものを選ぶ
お酒はできれば「原酒」で「アルコール度数18度くらいの高め」の日本酒のほうが前割りに適しているかなと思います。日本酒によりますがガツンとした味わいが多いので、まろやかに飲みたいときに前割りはぴったりです。通常の15度くらいの日本酒はそもそもまろやかで飲みやすいものが多いので、前割りしなくてもいいかなと。
今回準備したのは、手元にあった原酒でアルコール度数が高めの日本酒2本です。19度と18度と高めです。
「まんさくの花」は、夏に氷でロック酒にすると美味しいといわれている日本酒で、「原酒&19度」とそのまま飲むとガツーンとくるもの凄くパンチ力のある一本。「菊姫 山廃吟醸」も「原酒&18度」で、山廃独特の味わいに古酒感が加わり個性的な日本酒です。
この味わいが前割りでどう変わるのか楽しみです。
日本酒8:軟水2で割る
焼酎の水割りの黄金比率は「焼酎6:水4」と聞きますが、日本酒の場合は基本的に「日本酒8:水2」で割ってみましょう。水が多すぎると日本酒の味が崩れる可能性があります。
そして、水は軟水(ミネラルウォーター)がおすすめです。味を壊さずにうまく日本酒と馴染んでくれやすいです。コンビニに売っているようなお水で問題なし。
アルコール度数18度の無濾過生原酒で100mlの水割りを作る場合、「日本酒80ml:水20ml」だとアルコール度数は14度となります。ワインくらいですね。
辛口の赤ワインが14度前後ですからかなり飲みやすく感じるのではないでしょうか。こうして作った日本酒の水割りを、お酒の空き瓶などに入れ、冷蔵庫で1~2日寝かせます。
保存容器は日本酒の空き瓶がおすすめ
水割りを入れる容器は、今回「ワンカップの空き瓶」を使用しました。ペットボトルの空き容器でも良いのですが、私は次の理由から日本酒の空き瓶を使いました。
・煮沸消毒が出来て衛生的に使える(熱湯でサッと洗えば残り香り・味などもなくなり殺菌にもなる)
・1回分づつちょうどよく作れて、余らせずに飲みきるのに良いサイズ
・ペットボトルより雰囲気が出て美味しそう
写真の花柄の空き容器は、ワンカップ日本酒の空き容器、その隣は1合(180ml)が入るミニサイズの日本酒の空き瓶です。
手元に空き瓶がない方は、水の入っていたペットボトルで作ってみて下さい。お茶やジュースの入っていたペットボトルだと匂いがついてしまっており、水で洗ってもとれない場合がありますので、ミネラルウォーターが入っていたペットボトルがオススメです。
2. 実際に日本酒の前割りを作ってみた
「まんさくの花」の前割り
今回は2本の日本酒の前割りも100mlづつ作ってみました。黄金比率の「日本酒80ml:水20ml」 です。
「まんさくの花」は計量カップで①日本酒を80ml計りワンカップの空き容器に②水20mlを計り③同じく空き容器へ④蓋をして冷蔵庫へGO!
貝印 KAI 計量カップ SELECT100 2個組 50ml
絶対とはいわないけれど、あると便利なのが「ミニ計量カップ」です。少ない量を計るときにもの凄く便利です!今回はこちらも使用しました。
「菊姫 山廃吟醸」の前割り
もう1つの「菊姫 山廃吟醸」 の方も作っていきます。①この日本酒は、山廃仕込みで熟成酒(古酒)なので薄く琥珀色がかっています。②作り方は同様で「日本酒80ml:水20ml」 で作ってみます。③水を加えて出来上がりです。④栓をしてこちらも冷蔵庫へGO!
今回は、2日間冷蔵庫で寝かせてみました。
3. いざ試飲!前割りだと風味そのままで驚くほどまろやかに
2日後に、さっそく試飲してみました!
飲んでみると・・・いつもの味わいと全然違います!断然飲みやすい。ツンとくるアルコール感が抜けていてまろやかです。
「まんさくの花」は、かなりアルコール度数が19度と高いので、氷で割らない限り少し飲みづらさを感じていました。しかし、前割りで飲むと日本酒の味わいや風味はそのままなのですが、氷で割ったロック酒より数倍飲みやすく、口当たりが優しくなっています。
まんさくの花のロック酒は、確かに原酒が薄まって、水割り感はあるのですがどこか口の中でツンと尖った感じや、後味に辛味が残る気がしていました。しかし、ほんのわずかの水を加え、数日馴染ませただけなのにロック酒では味わえない優しい口当たり。
前割りしても「菊姫 山廃吟醸」は琥珀色
もう1つの「菊姫 山廃吟醸」のほうも、とても飲みやすくまろやかな日本酒になっています。最近では「山廃仕込み」の日本酒もアルコール度数はさほど上げず、飲みやすい日本酒を造る蔵も多くなってきています。
でも菊姫の山廃仕込みの日本酒は昔ながらの醸造方法で、しっかりとした山廃の味わいがのった日本酒を得意としている蔵です。そのため味は少し強めで日本酒初心者や山廃にあまり慣れていない方には飲みづらいという印象を与えがちです。
しかし、この「前割り」で作った日本酒なら山廃独特の風味が和らいで口当たりがソフトになっています。また、熟成酒の特徴である「古酒感」も和らいでくれるので、原酒で飲むより数段も飲みやすいと感じました。
水で割ることで味が薄くなり日本酒の旨味が損なわれるのでは?と心配する方もいらっしゃるかも知れませんがそんな事はありません。
風味や旨味を失うことなくまろやか、かつコクもそのままで飲みやすい日本酒になってくれるので山廃仕込みの日本酒は苦手という方こそぜひ試してみて頂きたいと思いました。
今回は、原酒で山廃仕込みの日本酒を試してみましたが、山廃でなくても純米酒で作ってもよさそう。よりまろやかさや風味のある前割りが出来るのではないかと感じました。
まとめ
日本酒の前割りは、元々の風味を損なうことなくまろやかにしてくれます。
買った日本酒の味の変化を楽しみたい、少し飲みやすくしたいといった方はぜひ試してみてください!
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