初心者も驚くほど飲みやすくなる日本酒水割り8:2の法則

日本酒

社会人になると会社の飲み会で日本酒をすすめられる機会も多くなりますよね。
けど正直言って日本酒は苦手。という方も多いのでは無いでしょうか。
そんな時、「日本酒を飲みやすく美味しくできる方法があったらいいなー」と思ったことはありませんか?

苦手な日本酒の匂いや味も気にならなくなり、美味しく飲めるそんな方法、是非知りたいですよね。

ここでは、たった3つコツを知るだけで日本酒を飲みやすく美味しくする。
そんな水割りの作り方をご紹介させていただきます。
すぐに誰でも、簡単に美味しい日本酒の水割りが作れるようになります!

日本酒が苦手だったあなたも今日からイメージがガラリと変わって、「日本酒は美味しい」そんな風に思っていただけると嬉しいです。

1.日本酒を水割りで飲みやすくするための作り方

日本酒水割り作り方

まずは水で割っても美味しくいただける作り方の手順を紹介いたします。

1-1日本酒を水割りで作る時の加水量は、「日本酒8:水2」で作る

日本酒で水割りを作る時は、基本の加水量として日本酒8に対して水は2が黄金比率だと言われています。
例えば15度のアルコール度数がある日本酒を、飲みやすいと言われるアルコール度数12度程に水割りするとします。
この場合は、日本酒が80mlに対して、水20mlを加水します。出来上がった水割りの量は100ml。そしてアルコール度数は12度となります。
アルコール度数12度とは、一般的な甘口の白ワインやスパークリングワインとほぼ同じくらいのアルコール度数になります。日本酒は苦手だけれどワインは好き、という方は多いと思います。

では、なぜワインは好きだけど日本酒は苦手なのか、その原因はアルコール度数が高く飲みづらいと感じてしまうからなのです。
確かに日本酒は15~17度という度数のものが多く、ワインに比べてかなりアルコール度数が高くなっています。しかし、ここに加水し水割りを作ることでアルコール度数は低くなりグッと飲みやすくなってきます。
日本酒はもともと出来た原酒に水を加えてアルコール度数を調整し販売されていますので、水で割って飲んでも何も問題はありませんし、水で割ることにより日本酒特有の濃厚な香りや味が水と中和して穏やかでまろやかな口当たりに変わります。
ですから日本酒に苦手意識がある方でもワインと同じくらいのアルコール度数まで下げてあげることで、日本酒でも軽やかに抵抗なく飲めるのです。

日本酒水割り作り方2

では会社の飲み会などお店で飲む場合にはどうしたらよいか。
その場合は飲み会に参加する前にペットボトルの水を1本購入して参加するといいでしょう。
なぜかというとペットボトルのキャップは規格が統一されていて、一つのキャップで約7.5㏄=7.5ml入りますからお酒に水を足すときの計量カップ代わりになるからです。

居酒屋などでは、日本酒は一合徳利などで出される場合が多いと思います。一合徳利は大よそ180ml程度のお酒が入っています。
例として、15度の日本酒が入った徳利の半分量90mlをコップに注ぎペットボトルの水をキャップで3杯注ぐ。
するとコップに出来る日本酒の水割りは112mlでアルコール度数は約12度となり、これだけで日本酒がグッと飲みやすくなります。そして作り方もとても簡単です。
お店で出てきた日本酒の度数がわからなくても、この割合で作って飲んでみて、ちょっとまだ強いかなぁ~という場合はもう少し水を足してあげればいいのです。

日本酒の素晴らしい所は、少し水を加えてあげることで眠っていたきめ細やかな酸味や旨味が目を覚まし、まろやかさが加わりまた違った日本酒に巡り合うことができる点です。

日本酒で水割りを作る時の加水量は、「日本酒8:水2」で作る、この基本を覚えておきましょう。 

1-2. 日本酒を水割りで作る時の水の温度は、5~8度が最適

日本酒水割り作り方3

日本酒で水割りを作る時には、水の温度はどのくらいがいいのか、ズバリ最適な水の温度は5~8度です。
5~8度とは、冷蔵庫の冷蔵室か、もしくは野菜室の温度帯がだいたいそのぐらいです。(冷蔵庫の温度帯は目安で、各メーカーにより異なります。)
外出先で飲む場合などでは購入するペットボトルやあるいはお店で頼むと出てくるお冷などもだいたいその程度の温度なのでさほど神経質になる必要はないと思います。
自宅で水割りを楽しむという場合には、冷蔵室か野菜室に日本酒とペットボトルを冷やしておいて水割りを作れ
ばいいだけです。とても手軽で簡単です。

今回日本酒の水割りは、どんな温度の水で作ると最適かを色々試してみました。
その結果どんなお酒にもピッタリくる温度は5~8度くらいが適しているように感じました。
下の表は水の温度5度と、常温でそれぞれ5種の日本酒を飲み比べたものを表にしました。

日本酒水割り作り方4
冷やして飲むか、温めて飲むかで日本酒は味わいが変わってきます。温度帯で味が変化するということです。

「純米酒」のお燗を例にとってみると、米と米麹のみで造られている純米酒は、温めることにより米特有の香りが際だち甘みも強調されます。温めることでお酒が熟成反応を起こす、そのために味が変化するのです。温度帯は、日本酒の味に変化をもたらす大切な要素ということになります。

特に日本酒に苦手意識がありソフトな味わいを楽しみたい向きには、冷たい水で割ることで米の強い香りをまろやかに、味に強さがあるものを柔らかい味わいに変化させてくれる水割り飲みは最適です。
日本酒で水割りを作る時に最適な水の温度は5~8度だと覚えておきましょう。

1-3日本酒を水割りで作る時に使う水は、迷わず軟水を選ぶ

日本酒水割り作り方5
日本酒で水割りを作る時の水は迷わず軟水を使いましょう。スーパーでもコンビニでも手軽にどこにでも売っているペットボトルの軟水でOKです。

なぜ軟水が良いのかというと日本酒で割った時に軟水の特徴である癖がないクリアな水質が日本酒を伸びやかな味わいにさせるからです。
日本酒に苦手意識がある方も軟水の水で割った日本酒は、優しい味わいになるので非常に飲みやすいです。特に原酒、山廃系を水で割るのなら断然おすすめです。

女性の中には美容のために毎日エビアンやコントレックスなどの硬水を飲んでいるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。「いつも飲んでるエビアンじゃダメなの?」ということですが、そんなこともありません。

今回、硬水と言われるコントレックスで割った水割りも試してみました。

硬水はその水の特性から割ったときに締まったシャープな味わいになります。硬水で割った水割りは、お酒の味が際立つ感じなのでどちらかといえば日本酒のエキスパートにおすすめかもしれません。日本酒ビギナーなら水割りを作る時の水は迷わず軟水を使いましょう。

ここにお近くのスーパーやコンビニでも手に入りやすい軟水と中硬水のお水を表にしてみました。これ以外にもいろいろな種類があると思います。ここにあげたのはほんの一部です。水選びの参考入なさってください。

日本酒水割り作り方6

2.水割りに適した日本酒の見分け方

日本酒水割りお勧め

日本酒はもともと出来たお酒に水を加えてアルコール度数を調整して販売されています。ですから日本酒ならどんなお酒でも基本水割りにして飲んでOKです。

ただその中でも、より水割りに適した日本酒というものもあり、これが正解という物差しはありませんが今回、数種類の日本酒を試して見て、ざっとこんな条件が揃うと日本酒に苦手意識がある方でも、よりおいしく水割りがいただけそうだという基準をあげてみました。

1. 精米歩合が60%前後
2. アルコール度数は15度〜17度程度
3. 米の味わいがしっかりとあるどっしりとした骨太と言われるタイプの日本酒

おすすめは山廃系や純米酒です。充実した旨みと深みのある味わいが特徴でコメの旨みがいきた日本酒の王道です。

米の甘みが凝縮されているこういった日本酒は味がしっかりしていて骨太な分、水割りにしても味がぼやけることがなく、水とうまく調和してくれるので日本酒好きの人でも次の日に仕事で飲み疲れしたくない、とかソフトな喉ごしで楽しみたいという時にも最適です。

今回、基準で上げた3つの要素を踏まえて5銘柄を選び、水割りでテストしてみました。このほかにも水割りに合う日本酒は多数あると思います。あくまでも目安にしかなりませんが日本酒選びの参考にしていただければと思います。

日本酒水割りお勧め1

酒屋八兵衛 山廃純米酒 伊勢錦 720ml
・酒米:伊勢錦
・精米歩合:60%
・アルコール度数15.5度
・酒屋八兵衛(さかやはちべえ)│元坂酒造(三重県)
公式サイトはこちら

2016年に開催されたG7伊勢志摩サミットのワーキングランチで食中酒として各国首脳陣に提供されたお酒です。お米の旨みがしっかりと際立つので燗にするとより一層旨みが際立つ。
水割りでは山廃特有の酸の強さが和らぎ飲みやすい甘さで頂くことができました。

日本酒水割りお勧め2

山形正宗 貴醸酒 2016 720ml
・酒米:出羽燦々
・精米歩合:60%
・アルコール度数15度
・水戸部酒造(山形県)
公式サイトはこちら

貴醸酒は仕込みに水の代わりに酒を使った贅沢なお酒です。この山形正宗は贅沢に純米酒を使用しています。上品な甘みが特徴のお酒です。
貴醸酒は水割りに最適。そのままだと、とろりとした口当たりが若干の重さを感じるが水で割ることで軽やかになり非常に飲みやすかった。

日本酒水割りお勧め3

風の森 純米 雄町 720ml
・酒米:麹米:雄町
・精米歩合:―
・アルコール度数17度
「風の森」油長(ゆちょう)酒造(奈良県)
公式サイトはこちら

風の森は全て「無濾過、無加水」の生酒です。お米のまろやかな旨みが重厚で風の森ならではの炭酸感もあり飲みごたえがある1本です。
度数的には17度と高めだが8:2で割って丁度良い。生酒ならではの旨みが水で割っても伝わってくる。水割りに適している。

日本酒水割りお勧め4

吟醸原酒 まんさくの花 かち割りまんさく720ml
・酒米:秋田県産酒造好適米
・精米歩合:60%
・アルコール度数19度
・日の丸醸造株式会社(秋田県)
公式サイトはこちら

ロックで楽しむ「まんさくの花」夏の季節限定酒です。夏にロックで楽しむをコンセプトに普段より高いアルコール度19%の原酒で造られています。毎年5月下旬頃2,500本限定の販売です。
今回の日本酒の中では1番度数が高い日本酒。吟醸だが原酒の高アルコール度数なので7:3程度で割るのが良い。蔵元がロックで飲む夏限定というだけあり水はキンキンに冷えた水もしくはロックがおすすめ。

日本酒水割りお勧め5

八海山 貴醸酒 300ml
・酒米:麹米:五百万石 掛米:ゆきの精他
・精米歩合:60%
・アルコール度数17.5度
・八海山(はっかいさん)│八海山醸造(新潟県)
公式サイトはこちら

仕込み水の代わりに清酒を使っています。八海山の貴醸酒は上品な甘さが魅力です。少し琥珀がかった色も特徴です。
酒米の五百万石は、爽やかで切れのある日本酒の印象が強い酒米だが貴醸酒ゆえの甘みが加わり水で割ることで丁度良く緩和され飲みやすくなる水割り向きといえる。

水割りに適した日本酒は3つの条件を参考に見分けると良い
1. 精米歩合が60%前後
2. アルコール度数は15度〜17度程度
3. 米の味わいがしっかりとあるどっしりとした骨太と言われるタイプの日本酒
水割りに適した日本酒を選ぶ時の参考にして見てください。

日本酒水割りお勧め6

ここで1つ触れておきたいのが、最近流行のフルーティーな日本酒です。
例えば「獺祭」だとか「醸し人九平次」などの人気のお酒の中にもアルコール度数15~17度のものあります。ですが、これらフルーティーなお酒は香り、風味を何より大切に造られているお酒です。
そこに加水をすると香りや風味が薄れて日本酒本来の味が崩れてしまう可能性があり、水で割ったときにあまり美味しく感じません。

フルーティーと言われるこのようなお酒を飲む時には、水で割らずそのままのお酒を楽しみましょう。そして水割りにするのではなく「和らぎ水」と呼ばれるお水を挟みながら飲みましょう。

日本酒水割りお勧め7

「和らぎ水」とは洋酒で言う所の「チェイサー」の役目をする水、と考えるとわかりやすいでしょう。
強めのお酒を飲むときに一緒に飲むお水のことをそう呼びます。洋酒の場合は「チェイサー」と呼び日本酒の場合は「和らぎ水」と呼びます。
自分が持っているペットボトルのお水でも良いし、お店で出されるお冷でも良い、お水であれば何でも構わないのです。

そして和らぎ水の飲み方ですが、日本酒と交互に飲むのが良い飲み方とされています。
日本酒を飲んだら水を飲むという具合です。日本酒と同じくらいの量の和らぎ水を飲むことで体内のアルコール度数を下げ、また、お酒による脱水症状を防ぐ役目もあります。
「日本酒を一口飲んだら和らぎ水も一口飲む」水割り同様、体にも優しい飲み方ということになります。 

3.水割り以外の日本酒の美味しい割り方

水割り以外でも日本酒がおいしいくなる割り方がありますので、いくつかご紹介します。

3-1.水割り以外の日本酒のおいしい割り方|お湯割り

日本酒水割り別の方法1

水割り以外の日本酒のおいしい割り方の1つに「お湯割り」があります。

作り方は、先にグラスにお湯を入れ、後から日本酒を注ぐ。お湯で割る場合も日本酒とお湯の比率は8:2で水割りと同じ割合が黄金比です。
お湯の温度は50度くらいが適温。50度とは、沸騰させた湯に同量の水を加えると丁度50度になります。そこに日本酒を加えれば出来上がりです。ぬるめの燗になります。

お湯割りは水割りよりも日本酒本来の米の甘みが増し味わいにボリューム感が感じられる飲み口になります。
割るお水もこだわると、よりお湯割りがおいしくいただけますので楽しんでみましょう。

硬度の高いミネラルウォーターのお湯で割るとスッキリとシャープな味わいになり魚介類料理に好相性。
軟水のミネラルウォーターのお湯で割るとまろやかになり優しい味わいになるので野菜料理に向くと言われています。料理のタイプによってお水を変えてみるとより一層日本酒を楽しめるかもしれません。

3-2. 水割り以外の日本酒のおいしい割り方|ハイボール

日本酒水割り別の方法2

水割り以外の日本酒のおいしい割り方でもう1つおすすめなのがハイボールです。

氷をたっぷりと入れたグラスに日本酒を注ぎ、炭酸水で割る。和風ハイボールなら、柚子、すだち、かぼす、等和の柑橘類をスライスして入れることにより、さっぱりとした清々しい味わいにかわります。

炭酸そのものに凝ってみるのも楽しい。ペリエの様な天然の炭酸鉱泉水だったり、14種類もの豊富なミネラルが含まれたサンペレグリノなどの天然系炭酸水を使用してみる。

一層爽やかになり日本酒そのものとは一味違った「ドリンク」と呼ぶのにふさわしいお洒落な飲み物を楽しむことができるでしょう。

3-3.水割り以外の日本酒のおいしい割り方|牛乳割り

日本酒水割り別の方法3

また、日本酒を牛乳で割るなんていう、ちょっとユニークな飲み方もあります。

こちらは別ページにて詳しくリポートしていますのでリンクを参考にされてみて下さい。

まとめ

日本酒水割りまとめ

ここまで日本酒を水割りで飲みやすくするための作り方をお話ししてまいりました。日本酒に少し苦手意識があった方も、水割りから気軽に始めてみようかなぁと思っていただけたでしょうか。

日本酒を水割りで飲みやすくするための作り方には、3つのポイントがありました。
1. 日本酒と水の割合は、日本酒8:水2が基本。
2. 水割りの水の温度は5度~8度が最適。
3. 水割りで使う水は迷わず軟水を使う。

水割りに適した日本酒の見分け方では3つの基準がありました。
1. 精米歩合が60%前後
2. アルコール度数は15度〜17度程度
3. 米の味わいがしっかりとあるどっしりとした骨太と言われるタイプの日本酒

水割り以外の日本酒のおいしい割り方
1. お湯割り
2. ハイボール
3. 牛乳割り

日本酒の水割りは、外出先でも自宅でも気軽に簡単に試せます。日本酒はちょっと苦手と考え挑戦できずにいた方にもぜひ、一度お試しいただき日本酒の新しい魅力に気づいていただけたら幸いです。
※飲み比べた感想、香り、味の表現は、あくまでも個人的な感覚での表現となり全ての方がそのように感じると断定するものではありません。

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