栃木の「鳳凰美田」はこだわりの製法で生まれた特別な日本酒だった

鳳凰美田

全国的にも有名な鳳凰美田(ほうおうびでん)。居酒屋でも見かけることが多いですね!

種類によって味わいは異なるのですが、全体的にフルーティーでコクのある旨味を楽しめるのが鳳凰美田。日本酒初心者の方にも飲みやすく、よくおすすめする銘柄の一つです。ANAやJALのファーストクラスやビジネスクラスでも提供された実績もありますね。

調べてみると、その人気の裏には「製法への強いこだわり」と「チャレンジ精神」が見えたので、少し紹介していきたいと思います。

1.「鳳凰美田」という日本酒の魅力

鳳凰美田 公式Instagramより

鳳凰美田を造るのは栃木県の小林酒造。1872年創業、148年の伝統を誇る老舗の酒蔵です。現在の製造石数は1200石で、年間出荷数120,000本を誇る栃木を代表する酒蔵の1つになります。

蔵の看板酒である「鳳凰美田(ほうおうびでん)」は、もともとあった当蔵の銘柄「鳳凰」と蔵がある地域の「美田(みた)」という地名から名付けられたそうです。

鳳凰美田が人気の理由はやはりその味わい。グラスに顔を近づけると香る甘いフルーツの様な香り、そしてその甘い香りを裏切らないジューシーでリッチなコクのある旨味。誰が飲んでも美味しいと感じるバランスのよい日本酒なのではと思います。

1-1.醸造酒は造らず、こだわりの「全量 吟醸造り」への転換

鳳凰美田 公式Instagramより

大人気の鳳凰美田ですが、初めからこのような味わいの日本酒をつくっていたのかというと実は違っていたようです。

現当主である小林正樹さんが酒蔵を継いだ1990年代、蔵は廃業寸前でとても苦労して、立て直しを行ないました。その困難な中で行なった改革が、普通酒と本醸造酒の製造をやめて全量を吟醸造りの日本酒にすることでした。

普通酒や醸造酒を大量生産する酒造りではなく、その当時は他の蔵であまり行なっていない吟醸蔵への転換に挑戦しました。「自分が飲んで旨いと思う酒を造る」その一心で一つ一つの作業に妥協をせずに香り華やかな芳醇酒を造り上げていったのです。

1-2.「佐瀬式」といわれるゆっくり丁寧に行なう手間のかかる搾りを採用

鳳凰美田 公式Instagramより

味へのこだわりと共にもう一つこだわったのが「完全手作業」。機械に頼らず、ゆっくりと丁寧に造り上げていく昔ながらの製法です。日本酒をしぼる際に採用しているのが、手のかかる「佐瀬式」。布袋に「もろみ」を詰め込み木枠に並べてゆっくりと様子を見ながら圧をかけて搾る方法です。

無理な圧をかけないのでお酒にストレスがかからず酒質に変化が起こらないと言われています。お酒は生き物ですからストレスをかければ味に雑味が生まれてしまうのです。しかしこの佐瀬式は大変な手間がかかるためほとんどの酒蔵では行なわれない製法です。

その手間をかけた搾りを全量行なうという、底知れない労力をかけて造られた日本酒こそがこの「鳳凰美田」というお酒になります。

1-3.地元の原材料でつくる「リキュール酒」は日本酒を広めるための新たな開拓

鳳凰美田 公式Instagramより

小林酒造は新しい取り組みも積極的に行っています。もっともっと女性や若い世代の人々にもっと日本酒を知ってもらいたい、ということから自然の果実を使用したリキュール酒も展開しています。もちろん日本酒をベースとしたリキュールです。

季節のフルーツを使用しイチゴや桃、ミカンやゆず、そして梅を使ったリキュールは女性をはじめ大変人気の商品です。これはとても人気で、酒屋によっては販売数限定のところもありますね。

特にいちごとゆずは個人的にとってもおすすめです!フルーツの味が濃厚で、しかもさらっと飲みやすい。私は20分くらいでいちごの日本酒リキュールを飲み干してしまいました・・・牛乳で割ってもイチゴミルクのようでおいしいですよ!

 2.従業員の半数近くが20代前半というパワフルな酒蔵

鳳凰美田 公式Instagramより

もう一つこの小林酒造で特筆すべきは、従業員の半数近くが20代という驚くべきパワフルな酒蔵だということです。

当主である正樹氏が一番大切にしていることは「チームワーク」。堅いチームワークを築く上で意識して行なっていることが常に声をかけて相手を気づかうこと、何かあればフォローし何でも言い合うことが出来る現場とのこと。2020年1月「MIKIRO」というWEBサイトのインタビューで、小林酒造の女性従業員のインタビューが掲載されていました。

「日本酒づくりは”人間力”に影響される仕事であり、作り手の個性が酒にそのまま表れる」これが「小林酒造イズム」だとか、全ての従業員がひとつになり№1の日本酒を目指し常に心にとめている哲学ということがこの言葉からも伝わります。

3.飲んでほしい鳳凰美田オススメ10選

鳳凰美田 Black Phoenix 火入れ 720ml
2.200円(税込)
使われている酒米は「愛山」山田錦以上にどっしりと、しっかりした味わいが魅力です。
その「愛山」が大味にならず、円やかな甘みと豊かな風味で醸す鳳凰美田は脱帽です。
鳳凰美田 純米吟醸 無濾過生酒 1.8L
3.080円(税込)
酒米は「五百万石」を使用。しっかりと磨き上げられ無濾過で低温発酵をかけ、フレッシュな酸味と柔らかい甘みは熟成のたまもの
鳳凰美田 純米吟醸 芳 火入れ 720ml
2.200円(税込)
契約農家で無農薬栽培された酒米「雄山」を使用しています。
どっしりとした厚みのあるふくよかな味わいが楽しめます。
吟醸酒らしく香り豊かで食事と共に頂くのも最適です。
鳳凰美田 純米大吟醸 赤判 無濾過生酒 1.8L
5.500円(税込)
酒米の王様「山田錦」を使用してお米の半分以上を磨き上げてつくられた純米大吟醸になります。
甘み、香りそしてスッーと通っていく喉越しのなめらかさは絶品です。
このお味で1.8Lで5.500円はとてもコストパフォーマンスの良い日本酒です。
鳳凰美田 大吟醸 別誂至高 1.8L
11.000円(税込)
兵庫県産の特A「山田錦」をなんと7割以上磨いて造られた大吟醸酒です。
山田錦の米の旨みも存分に味わいながらも全く雑味を感じないきれいな味わいは鳳凰美田ならではの味わいといえると思います。
スペシャルな日の1本や贈り物にも最適です。 
鳳凰美田 ゆず酒 720ml
1.760円(税込)
地元名産である柚子をふんだんに使った柚子酒になります。
柚須の爽やかさと濃厚出ジューシーな味わいはやみつきになりそうです。
鳳凰美田 熟成秘蔵梅酒 720ml
1.320円(税込)
地元産の高級梅「宮ノ梅」を使用し鳳凰美田の純米酒で造られたという何とも贅沢な梅酒になります。
真夏ならオン・ザロックで冷やして爽やかに飲むのが最高です。
鳳凰美田 みかん 720mll
1.650円(税込)
温州みかんを使用し、ツブツブの果肉までもたっぷりと入った濃厚リキュールになります。
色だけ見ていたら「みかんジュース」と間違えそうなくらい鮮やかな色合いと香りです。
甘みと酸味のバランスが絶妙な夏の1杯に最適です
鳳凰美田 完熟もも 1.8L
3.080円(税込)
桃を特殊な技術(特許)を用いて細胞単位に分解して液状にしたものです。
潰した果肉をつけ込んでいないので、ざらっとしておらず
トロリとしていてジューシーです。桃ジュースのような感覚で冷やして楽しめます。
鳳凰美田 芳醇アンズ酒 720ml
1.540円(税込)
こちらも庁贅沢な杏酒になります。
使用する日本酒はもちろん鳳凰美田の吟醸酒酒に杏をつけ込みエキスを取り出します。
鳳凰美田の吟醸酒だからこその品のアル味わいと杏の風味が最高のペアリングとなっています。

・蔵元:小林酒造(株) (栃木県) 公式インスタグラムはこちら→
・購入はこちら→ 酒専門店「鍵や」

まとめ

ここまで芳醇で旨味の深い日本酒「鳳凰美田」についてその魅力と銘酒「鳳凰美田」が誕生するまでのお話をして参りました。吟醸酒しか造らないというぶれない信念と、蔵人全員で造り上げるという強い絆で結ばれている実力の日本酒「鳳凰美田」の魅力は伝わったでしょうか。

まだ、味わったことがないと言う方がいらっしゃいましたらぜひ一度この美酒を味わってみてください。

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