ソムリエと選ぶ千葉の日本酒10選|千葉は隠れた銘酒の宝庫だった!

千葉の日本酒

 千葉県は醤油の産地として知られていますが、実は醤油と日本酒の関係は深く、千葉は日本酒造りが盛んな地域なんです。蔵元数は35蔵で全国16位と思った以上に多い。(平成30年度調査

昔、日本酒の仕込みで使っていた木桶は、使い古した後は醤油の仕込みに使っていました。そのため、醤油蔵の近くには酒蔵もある。そして千葉は江戸に近い。日本酒造りが盛んであることはうなずけますね。

千葉には、たとえば獺祭のような超有名銘柄があるわけではありません。しかし!実は隠れた銘酒がたくさんあるんです

今回、いまでや千葉本店のSAKEコンシェルジュ若林さんに相談しながら、おすすめの千葉の日本酒を10本厳選しました。万人受けする味わいから少し特徴的なものまで、「知る人ぞ知る千葉の日本酒」を選んでいます。

もし千葉で飲食店を経営されている方は、ぜひここで選んだ日本酒を取り揃えてほしいところです!

日本酒ソムリエの若林さん
SAKEコンシェルジュ 若林 聖勉
フレンチ、高級イタリアン、ホテルやBARなど様々な飲食業界でソムリエとしての経験を積んだ後、いまでやへ入社。お酒に関する多彩な経験を活かして、千葉本店でSAKEコンシェルジュを務めています。最近では、日本酒の奥深さに惹かれ、テロワール・フードペアリングなどの視点から日本酒のさらなる可能性を学んでいます。

この記事のライター

コンちゃん
千葉県在住です!千葉の酒蔵めぐりが楽しい〜!
日本酒ナビゲーター。「十四代」に恋をして「風の森」に衝撃を覚え、「新政」のラインナップに舌鼓、「而今」はやっぱり間違いない・・・などと言いながら飲んだ日本酒120本越え、現在も記録更新中。美味しい日本酒の魅力を届けたい日本酒オタクで~す!!


SHIHO
2019年まで千葉に住んでいました!
英語で日本酒を発信する国際唎酒師(こくさいききざけし)。元々お酒が苦手だったのにいつしか日本酒の美味しさにのめり込み、日本酒を通してもっと日本を盛り上げていきたいという想いを持つ。酒の雫インスタグラムの運営者。酒の雫インスタグラムはこちら>

千葉県の日本酒プロフィール

酒蔵数合計35蔵(全国16位) 国税庁 清酒製造業の概況 平成30年度調査より
歴 史江戸時代から日本酒造り開始。酒蔵の半数は江戸創業でもう半数は明治創業。
城下町や運輸がしやすい利根川や江戸川沿いに酒蔵が増えていった。
醤油造りの地域として広く知られるが、実は日本酒造りも盛ん。
全盛期の明治時代には酒蔵200件を超えていた。
特 徴千葉の日本酒は全国的な知名度は低いが、隠れた銘酒が千葉エリア全体に
散らばっているようなイメージ。
近年では、千葉日本酒活性化プロジェクト(通称「アク千葉」)が発足し、
千葉の米や水を使った地産地消の日本酒の製造やPRを行っている。
有名な銘柄不動(ふどう)、甲子(きのえねまさむね)、福祝(ふくいわい)、腰古井(こしごい)など

 

千葉の隠れた日本酒はこだわり溢れ、もっと知られてほしい

今回はいまでや千葉本店SAKEコンシェルジュの若林さんと、特に以下の観点から厳選の10本を選びました!

①味わいにそれぞれ特徴があり、かつ日本酒好きの間では隠れた人気商品である。
②こだわりの製法で千葉県の日本酒を知らない方々にもっと知ってもらいたい銘柄である。

1.日本酒上級者にこそ飲んでほしい!「甲子(きのえね)actiba 純米酒」

この日本酒のココがすごい

美しいほどキレイでキレのある味わい「甲子(きのえね)actiba」

千葉県産の酒米(山田錦)を使った日本酒。特徴は、長期低温醪(ちょうきていおんもろみ)」と呼ばれる低温でゆっくり発酵させる製法を取り入れているところ。日本酒を造る際に発酵させる過程がありますが、その発酵の時に出る高い熱により日本酒は雑味を帯びると言われています。その雑味を取り除くために手間をかけた製法なんです。千葉の日本酒活性化プロジェクト「アク千葉」に参加している日本酒です。

実際に飲んでみて

精米歩合が80%とあまり米を削っていないので、香りがあまりなく少し雑味があるのかなと思っていましたが・・・(精米歩合についてはこちら→知っておきたい「精米歩合」日本酒の味わいが大きく変わるって本当?

意外や意外。飲んでみると吟醸酒のようななめらかな口当たり!心地いい甘みと旨味が口の中に広がります。大吟醸のようなフルーティーさはないものの、少しりんごのような香りも感じます。飲んだ後はしっかりキレあり。製法のおかげで変な雑味が抑えられてるんですね。

今回、焼き鳥の塩とタレと合わせてみました。ぼんじり、鶏皮、つくね・・・塩もタレもとっても合いました!少し油の強い食べ物や、味の濃いめの食べ物に相性抜群のようです。

味わいのプロフィール

甘味
山田錦の米の甘味がしっかりと感じられます。
酸味
全体の味わいを邪魔しない程度に少し感じる。
フルーティー
冷酒だとほのかに香ります。
旨味
適度のとろみもあり冷酒だと喉越しのキレが良く
常温だと旨味がより強く感じる。
アルコール度17%
精米歩合80%
おすすめの飲み方
冷酒から常温が一番良く味が分かりオススメ。
個人的には冷たく冷やして適度なキレが
感じられる飲み方が好き。
蔵元飯沼本家(公式サイト
製品名甲子 actiba 純米酒 720ml 
価格 1,650円(税込)
購入できるところご購入はこちらへ→

2.香り高くて甘酸っぱい味わい!「福祝(ふくいわい) actiba 純米酒」

この日本酒のココがすごい

バランスの良い甘酸っぱさで飲み飽きない「福祝(ふくいわい) actiba 純米酒」

こちらの日本酒も「アク千葉」参加酒で、前述の甲子と同じ酒米・同じ精米歩合で造ったものですね。ただし酵母が異なり、こちらは「熊本酵母(くまもとこうぼ)」と呼ばれる華やかな香りを出すものを使われています。

こちらも精米歩合が80%なので米の旨味(お酒感)が強そうに思えますが、華やかな酵母が入ってきてどうなるのだろう!?と味の想像が楽しいお酒です。

sake_concierge.png いまでや
若林さん

この日本酒は味わいのバランスが取れた飲み飽きしないお酒ですよ!

実際に飲んでみて

口に含むと最初に甘酸っぱさを感じます!舌で転がしていると山田錦特有の米の旨みが広がり、とても華やかな香りが鼻から抜けました。酸味のある青リンゴのようなフルーティー感。この甘酸っぱさは特に女性受けしそう!と感じました。

洋食と合うのではないかなと思い、でトマトとバジルのパスタに合せてみました・・・私の中では相性抜群!日本酒の酸味とトマトの酸味が絶妙な感じだと思いました。

例えば「而今(じこん)」や「賀茂金秀(かもきんしゅう)」もしくは「新政 亜麻猫(あらまさ あまねこ)」などの日本酒がお好みという方なら、この味わいは好きだと思います。

味わいのプロフィール

甘味
甘いというより甘酸っぱい
という感じがする。
酸味
口に含んですぐにピリッとした
酸がたつ感じが心地良い。
フルーティー
熊本酵母特有の華やかで
フルーティーな吟醸香。
旨味
ソフトで伸びやかな旨味が感じられる。
アルコール度16%
精米歩合80%
おすすめの飲み方
冷酒か常温がおすすめ。
甘酸っぱく、軽やかでとても飲みやすい1本。
無濾過生原酒だがキツいと感じないのは
甘みと酸味のバランスが良いからだと感じる。
蔵元藤平酒造(合)公式サイトはこちら→
製品名福祝 actiba 純米酒 720ml
価格 1,650円
購入できるところご購入はこちらへ→

3.超ナチュラル製法な1本!「木戸泉(きどいずみ) actiba 生」

この日本酒のココがすごい

歴史が奏でる透き通る伸びやかな旨味「木戸泉(きどいずみ) actiba 生」

こちらの1本、特徴的なのは「乳酸菌無添加」というところです。日本酒造りでは通常、発酵を早めるために乳酸菌を添加します。(厳密にいうと他にもいろいろ理由はあるんですが)

この日本酒は乳酸菌無添加。つまり、蔵の中に自然に自生した乳酸菌で自然に発酵させているということです。さらに酵母も無添加なので、「超ナチュラルなお酒」なんです。時間も相当かかるし造るの大変ですよ。こういった酒造りをされている酒蔵は今本当に少ないです。一割くらいじゃないでしょうか・・・

木戸泉酒造(きどいずみしゅぞう)といえば、添加物や農薬、化学肥料を一切使用しない日本酒を造る事でも有名な141年の歴史を誇る酒蔵ですね。造りも手造り重視で山廃造り(とても手間がかかる造り方)。原料米にもこだわり、昔ながら製法で造りつつけていくというポリシーのある蔵元のイメージです。アメリカ人のジャスティン・ポッツさんが蔵人をやっていることで知った方も多いかもしれません。

実際に飲んでみて

おちょこに注ぐと、ほのかな山吹色がきれいですね!

お猪口

実は乳酸菌無添加の日本酒って酸っぱくなりがちなんですが、こちらは嫌な酸味は一切しません!口に含むと山廃独特の軽い酸味。そして重なるように表れてくる伸びやかな旨味が感じられます。

なんとなくこの味わいは魚介類とものすごくマッチしそうだなと感じました。さすが大原漁港にほど近い場所に位置する酒蔵だけありますね。

今宵は少々、真夏の暑さなので冷やし中華やそうめんでといきたいところですが・・・このお酒のためあえてキンメの煮付けに挑戦!

「合うぅ~!」狙い通りキンメの煮付けにして良かった~この上ない幸せです。山廃独特の旨味があって、スッキリとした淡麗辛口ではない分、肉や魚が合うと思います、それもしっかりと味付けが乗っているような料理が良いと思います。エビチリや少し辛めの麻婆豆腐などにも合いそう・・・!

味わいのプロフィール

甘味
甘みは冷たいと感じず、
常温以上になると感じられる。
酸味
山廃独特の乳酸による酸味が
割としっかりと感じられる。
フルーティー
米のふくよかな香りが感じられる。
旨味
喉にスッと通り山廃でも飲みやすく、
ソフトな口当たりの旨味を感じる。
アルコール度16%
精米歩合80%
おすすめの飲み方
ソムリエのオススメはぬる燗。
常温かもしくは軽く冷えているのもおいしい。
山廃好きなら試す価値あり!
蔵元木戸泉酒造(株)公式サイトはこちら→
製品名木戸泉 actiba 純米酒 720ml
価格 1,650円
購入できるところご購入はこちらへ→

4.海の幸に合わせたい!「東灘(あづまなだ) actiba 純米酒 」

この日本酒のココがすごい

採れたての海の幸と東灘!が地元の合言葉「東灘(あづまなだ) actiba 純米酒」

こちらも千葉県産の山田錦を使った一本ですね。気になるのは、酵母の「協会1501号」を使っているところ!この酵母は今人気のりんごのようなフルーティーな香り(カプロン酸エチル)をよく出すと言われています。

東灘(あづまなだ)は千葉の酒蔵の中でも200石と小規模な蔵元ですが、東京の日本酒バーでも見かける銘柄ですね!山から湧き出るきれいな水で仕込んでいるのが特徴で、房総半島の勝浦に蔵があるためか魚に合うすっきり淡麗な味わいが多いです。「採れたての海の幸と東灘」というのが地元の人達の合い言葉になっています。

実際に飲んでみて

おちょこに注いでみると、薄い琥珀の色合いですね。旨味がたっぷりそうな見た目です!

飲む前、うっすら甘い香りが漂います。がつんとフルーティーが前面に出るわけではないですね。おもしろい。

そして口に含むと芳醇な旨味!パンチがある旨味ではなくまろやかな感じ。そのあとに酸味が追ってきます。一瞬「あれ、酸強いかな?」と思いきや甘みがふわっとカバーしてくれます。甘みと酸味のバランスがとっても素敵です!

やはり合せたかったのは、地元勝浦の新鮮なお刺身です。合わないわけがないです!
漁師さんごちそうさま・・・東灘さんありがとう!美味しく頂きました

味わいのプロフィール

甘味
強い甘みというよりは
優しい甘みがあります。
酸味
キツい酸ではないが山廃造りの
乳酸の酸味があります。
フルーティー
フルーティー感が少しあるのは
1501酵母(花酵母)と呼ばれる酵母を
使用しているからと聞いて納得。
甘みの優しさもこの辺りから来ているのかも知れない。
旨味
パンチのある強い旨味ではなく
口の中で広がってくれる穏やかな旨味を感じる。
アルコール度15%
精米歩合80%
おすすめの飲み方
今回は常温~冷酒の間で飲んでみました。
オススメです。
冬ならば軽く燗につけても良いかも!
蔵元東灘醸造(株)
製品名東灘 actiba 純米酒 720ml
価格 1,650円
購入できるところご購入はこちらへ→

5.濃厚なコクとすっきり酸味!「仁勇(じんゆう) actiba 純米酒」

この日本酒のココがすごい

甘味と酸味がすーっと広がった後のキレが気持ちいい「仁勇(じんゆう) actiba 純米酒」

「不動(ふどう)」を看板商品としてもつ酒蔵、鍋店(なべだな)の一本。5代将軍綱吉の時代から成田山新勝寺で酒造りをはじめ330年の歴史を誇る、老舗中の老舗です。日本酒ファンの間でも知る人ぞ知る人気酒蔵です。こちらの「仁勇(じんゆう)」も看板商品なのですが、地元銘柄ということで千葉でよく見かけます。

特徴的なのは、二段仕込みという手法をとっていること。通常は日本酒造りの仕込みの作業を3回に分ける三段仕込みという手法が多いのですが、それより少ないです。四段仕込み、五段仕込みと仕込みの数が増えていくと甘くなりやすいと言われていますので、二段仕込みということは甘さを抑えた味わいかな?と想像します。

元々なんとなく仁勇は、辛口で切れの良い「王道の日本酒」というイメージがあったんですが、

sake_concierge.png いまでや
若林さん

濃醇で酸味がしっかりと感じられる味わいです

と若林さんから言われ試してみることに。

実際に飲んでみて

ほのかな甘味の後にさわやかな酸味も感じ、そのあとにスーッと口の中に広がるコクが造りの良さを感じます。個人的には香りの部分はあまり感じず、むしろ後味に酸味がきて、すっとキレる感じに好感を持ちました。

さっぱりと軽いお酒ではなく、濃いめでスッキリと切れる濃醇辛口な日本酒という印象です!煮物系などの味のしっかりしたものは合うのではないかと思いました。

しかし暑い時期だとどうも煮物は気が進まず・・・ということで、暑い時期のスタミナ食「鰻」を合わせてみました。

これ、結構いけます。私の場合は白焼きではなく、タレの蒲焼で1杯です。もう杯がすすみ過ぎてこの日は飲み比べは、ここで終了ということになってしまいました。

味わいのプロフィール

甘味
甘みはあるが強い感じはない。
酸味
心地よい酸味を感じる。
フルーティー
新政酵母と呼ばれる穏やかな香りの
酵母を使用しているため強い香りはなく、
優しくほのかに香る感じ。
旨味
コクがある味わいで旨味はわりとしっかり目。
ルコール度17%
精米歩合80%
おすすめの飲み方
冷酒、常温で飲んでみましたが、
じっくりぬる燗で飲むとより旨味を感じられそうです!
蔵元鍋店(株)公式サイトはこちら→
製品名仁勇 actiba 純米酒 720ml
価格 1,650円
購入できるところご購入はこちらへ→

6.食事に合わせやすい!「旭鶴(あさひづる) 純米吟醸 新世界 植樹の街より」

この日本酒のココがすごい

優しく落ち着いた味わいが飲み飽きない「旭鶴(あさひづる) 純米吟醸 新世界 植樹の街より」

千葉県佐倉市にある旭鶴の造る一本。千葉県産の山田錦を贅沢に100%使用したお酒です。特徴的なのは「槽搾り(ふねしぼり)」という伝統的な手法で作られているところですね!

簡単にいうと、日本酒は製造工程で、透き通った透明のお酒にするために濾過する作業があります。(ちなみに濾過して残った固形物が酒粕です)

日本酒を絞る作業は今は機械で効率的に行うのが多いのですが、「槽搾り(ふねしぼり)」は機械に頼らず酒本来の重みで自然と絞る方法です。そのため、もちろん時間がかかって大変なんですが・・・優しく自然の重みで絞られるので、雑味のない日本酒ができあがるんです!いやー本当に企業努力ですね。

実際に飲んでみて

口に含むと山田錦の米の味わいが広がり、舌触りはなめらかで喉ごしも良いと感じました。 飲んだ後にほんの少しだけ苦みや渋味を感じるので、食事に合わせたい一品ですね。

純米吟醸というとフルーティーで香り高いイメージですが、こちらは少し落ち着いた味わいです。甘味、酸味、旨味がガツゥ~ンと主張するわけでもなく、全体的に優しい感じです。これは飲み飽きなさそう!

今回は、お寿司を合せてみましたが良く合いました。単体で飲むより食事と一緒の方が美味しさを味わえます。キンメの煮付けや角煮などの少し味が濃いめのものと合わせても、よく合うのではないかと思います。

味わいのプロフィール

甘味
甘みはありますが、ほんのりという感じで
強くは感じない。
酸味
若干、感じるが飲んだ後に感じる苦みの方が
強いように感じる。
フルーティー
吟醸酒で思い描く吟醸香はあまり感じられない。
旨味
食事と一緒で深くなる、お酒単体だと
少し旨味が軽い感じ
アルコール度18%
精米歩合55%
おすすめの飲み方
吟醸酒らしく、冷酒~常温で飲むのがオススメ
蔵元(株)旭鶴 公式サイトはこちら→
製品名旭鶴 純米吟醸 「新世界 植樹の街より」 720ml
価格 1,760円
購入できるところご購入はこちらへ→

7.濃厚タイプのTHE日本酒!「東魁原酒(とうかいげんしゅ) 八犬伝 普通酒」

この日本酒のココがすごい

房総といえばこれ!という銘酒「東魁原酒(とうかいげんしゅ) 八犬伝 普通酒」

1793年(寛政5年)創業の227年という歴史ある酒蔵の小泉酒造。地元房総の酒造りをひたすら支え続けてきた老舗酒蔵です。こちらの「東魁原酒 八犬伝」は、房総といえばこれ!という房総御当地銘柄酒。数々の賞を受賞している銘酒です。ちなみに「東魁原酒 八犬伝 普通酒」の名前の由来は、 滝沢馬琴の小説「南総里見八犬伝」の舞台となったゆかりの地と言うことで名付けられています。

こちらは千葉県産の「ふさおとめ」という酒米を100%使用しているお酒です。ふさおとめを使っているのは、千葉の地酒以外で私は見たことがないですね。しかもこちらは「原酒」という、普通、製造工程で行う加水作業をしていないそのままの日本酒です。お米の味がしっかり楽しめる一本です!

今回は蔵に直接出向いて、買ってきました!
隣接したソムリエハウスと呼ばれている酒販売店では、試飲もできるということから房総巡りの観光バスのコースにも含まれるくらい人気のスポットです。

ソムリエハウスのすぐ横には資料館があり展示物がみられます。200年以上の歴史の数々が展示されていて楽しめます。

実際に飲んでみて

加水をしていない「原酒」なので、もちろんアルコール度数は19度と高め。(日本酒はだいたい15度くらいが多い)けれども冷酒で一口飲んでビックリ!全然キツいという感じは受けませんでした。

規格的には普通酒なのですが、いい意味で普通酒らしくなく。口に含んだ瞬間トロリとしたコクが口の中に広がり、思わず「旨い!」と声を上げてしまいました。濃厚タイプの日本酒が好みの方なら断然オススメです。

味わいのプロフィール

甘味
甘みはあまり感じられません、
辛口の味わい。
酸味
若干の酸味はありますが、
ほとんど感じません。
フルーティー
ほんのわずかに香る程度。
吟醸香の香りはほとんどしません。
旨味
コクがあり濃厚で旨味があります。
アルコール度19%
精米歩合65%
おすすめの飲み方
冷酒だとより飲みやすいです!
濃厚でとろみがあり辛口、原酒ですが
そのままでも飲みやすい。
真夏ならロックがオススメ、
強いと感じる時は好みで水割りも良いかも!
蔵元小泉酒造(合)公式サイトはこちら→
製品名東魁原酒 八犬伝 普通酒 720ml 
価格 1,265円(税込)
購入できるところご購入はこちらへ→

8.格式高い明治神宮献上酒!「寿萬亀(じゅまんがめ) 純米大吟醸 本生原酒」

この日本酒のココがすごい

フルーティーでさらり。誰もが飲みやすい「寿萬亀(じゅまんがめ) 純米大吟醸 本生原酒」

鴨川市にある亀田酒造は、1757年(宝暦7年)創業、263年の歴史を誇る千葉の老舗酒蔵。全国で唯一、明治神宮の奉納酒を造っている酒蔵です。2019年の天皇即位の際も献上されたのがこちらの「寿萬亀(じゅまんがめ)」という銘柄なんです。

ダイゴの蔵の近くに自社の酒売店があり休日になると多くの日本酒ファンが詰めかけています。こちらも直接お伺いして、一番のおすすめを聞いて選んだのがこちらの「寿萬亀 純米大吟醸 本生原酒」です。香り高くフレッシュな味わいを楽しめる1本!

伺ったこの日も土曜日の午後という事でお店の中は日本酒を求める人達が集まっていましたよ!日本酒の種類も豊富で、試飲も行なっており、そこで社長自ら日本酒の説明を行なっていました。とても気さくでお話が上手な社長さんでした。

実際に飲んでみて

優しい甘み、滑らかな舌ざわり、スーッと通っていく喉越し、ものすごくきれいなさらりとした日本酒です!とろみもあり、まろやかな大吟醸が好き、「獺祭」のようなフルーティーな日本酒が好き、という方は気に入るラインかと思います。

味わいのプロフィール

甘味
口に含むとすぐ優しく
きれいな甘みを感じる。
酸味
ほのかに酸味はあるのだが、
酸がたつ感じはしない。
フルーティー
大吟醸酒らしいとても
フルーティーな感じ。
旨味
舌で転がすととろみがあり
まろやかな旨味を感じる。
アルコール度16%
精米歩合40%
おすすめの飲み方
冷たく冷やした冷酒が一番合う
と思うが、常温でも○
常温だと甘みが更に際立つ感じ。
蔵元亀田酒造(株)公式サイトはこちら→
製品名寿萬亀 純米大吟醸本生原酒 720ml 
価格4,400円(税込)
購入できるところご購入はこちらへ→

9.クセの強さが後を引き忘れられない味!「香取(かとり) 純米90 生原酒」

この日本酒のココがすごい

玄米に近いお米で造っているのに飲みやすい!「香取(かとり) 純米90 生原酒」

香取郡の寺田本家が造る生原酒です。寺田本家の「五人娘(ごにんむすめ)」という銘柄は、定番酒として全国的にも有名かと思います。初めての方は五人娘を飲んでみてほしいのですが、実は変わり種の日本酒もたくさん造っているんです。こちらの「香取 純米90 香取 生原酒」はその一つ。

特におもしろいのは「精米歩合90%」というところ!ほとんどお米を削っていないので玄米に近いようなイメージですね。お米を削れば削るほど雑味がなくフルーティーな味わいになると言われているので、米本来の味を感じられる一本といえます。しかもアルコール度数が20度と焼酎くらい高い。(日本酒は通常15度くらい)

実際に飲んでみて

一口飲んで驚き!意外にも飲みやすいです。アルコール度数も高く、精米歩合も90%でクセが強いのかなと思いきや・・・とろみのあるナチュラル感がたまらなくおいしいです!濃厚な旨味なのですが、酸味のおかげか軽やかな口当たり。

色は薄い琥珀色。古酒の様な味わいでクセになりそう。日本酒初心者にはパンチが強いかもしれませんが、日本酒を普段よく飲む方にはぜひおすすめしたいです!

餃子や焼き鳥など少し強めの味の総菜にも難なくマッチする味わい。飲みやすいですが、強いと感じる場合は氷で割ってロックもいいかもしれません。

味わいのプロフィール

甘味
甘味少な目
酸味
酸味は感じられる、少し強め
フルーティー
フルーティーさは、感じられない
旨味
米の旨味はたっぷりと感じられる
アルコール度20%
精米歩合90%
おすすめの飲み方
冷やして飲むと飲みやすい。
上級者は燗にして旨味をもっと
引き出した状態で飲んでみてほしい!
蔵元㈱ 寺田本家 公式サイトはこちら→
製品名寺田本家「純米90 香取 生原酒 」720ml
価格 1,512円(税込)
購入できるところご購入はこちらへ→

10.実は海外でも超人気!「醍醐(だいご)のしずく」

この日本酒のココがすごい

歴史ある製法で生み出される個性的な味わいがクセになる!「醍醐(だいご)のしずく」

こちらも寺田本家の変わり種!
この日本酒が特徴的なのは、菩提酛造り(ぼだいもとづくり)」という室町時代の製法で作っている点です!今は、生酛(きもと)や速醸酛(そくじょうもと)をよく聞きますが、もっと昔の製法で酒造りの原点とも言われるものです。無添加で天然の乳酸菌を使って発酵させるので、独特な酸味が感じられると言われています。さらに精米歩合90%とこちらも玄米に近い状態で造っています。

そのため、この「醍醐のしずく」は、乳酸による酸味が非常に強く独特な味わいで、好き嫌いがはっきりする日本酒です。ただ、飲んでいくうちに何だかやみつきになる不思議な一本なんです!

sake_concierge.png いまでや
若林さん

このお酒は数年前、あの「世界のベストレストラン50」で4度もNo.1に輝いたことのある「noma(ノーマ)」にリストオンされた隠れた名品なんです。

実際に飲んでみて

飲んでみると確かに個性的な味わいです!誤解を恐れずに言ってしまうと「ぬか」の匂いがとても強いというのが第一印象。しかし飲んでいくうちに気にならなくなり、そのナチュラル感がたまらなく心地よくなってくるのが不思議です。

個性的ゆえにどんな食事にも合うというわけではなく、やはり発酵が強いブルーチーズだったり、豚肉の粕漬けの様な発酵系の食材に合わせるのがおすすめです。

ブルーチーズにはとっても相性が良く、海外のレストランにオンリストされる理由はこのあたりにあるのかもしれないと感じました。アルコール飲料としては 度数13.5度と低めで飲みやすいと感じました。

実はこの日本酒は、お酒を楽しむためではなく「ヘルシードリンク」として女性の方々が購入することが多いそうです。

確かにこの日本酒を飲んだ翌日、腸の調子がものすごく活発になりました。乳酸菌のパワーでしょうか・・・ナチュラルな製法で作られる寺田本家の日本酒だからこその味わいです。

味わいのプロフィール

甘味
まったく甘味がないわけではなく、
ほのかに感じられます。
酸味
酸味はかなり強いです。
お酢とは違う乳酸の酸味ですが
好き嫌いが分かれると思います。
フルーティー
華やかな吟醸香などは
まったくありません。
旨味
甘くないわけではなく、
しっかりとした米の味わいが感じられる
アルコール度13.5%
精米歩合90%
おすすめの飲み方
ぜひ冷やして飲んでほしい!
蔵元㈱ 寺田本家 公式サイトはこちら→
製品名寺田本家「醍醐のしずく」720ml 
価格 1,595円(税込)
購入できるところご購入はこちらへ→

 

まとめ

以上がおすすめの千葉の日本酒10選です!

本当はもっともっと紹介したい銘柄はたくさんあったのですが・・・絞りに絞って今回紹介しました。もう全部飲んでみてほしいです!!1つとして同じ味わいがなくバラエティーに富んだラインナップだと思います。

ぜひ千葉の日本酒を試してみてください。

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