今年も来ました!秋はひやおろしの季節ですね!
もちろんフレッシュな新酒もおいしいんですが、さらにまろやかさが加わったひやおろしも最高です。
夏に寝かせておいて秋⼝になると出荷される「ひやおろし」は、搾りたての無邪気な新酒から少し落ち着いた味わいへと変化したもの。ちょうど秋の味覚にもピッタリの味わいになっているんですよね。
今年のひやおろしはどうだろう!?と思い、日本酒ソムリエと共に、全国各地のひやおろしを調べ、特におすすめしたい銘柄を厳選してみました。同じような味わいばかりではなく、それぞれしっかり特徴ある違った味わいの銘柄ばかりです!
ひやおろしは9本厳選したのですが、さらに「ひやおろし」と銘打っていないものの「秋の特別酒」というのも実はありまして。こちらもとっても美味しくて紹介したいので併せて紹介します!ぜひ飲んでみてください!
目次
- ひやおろし2020!今年絶対飲んでほしい12選
- 1.軽い口当たりなのにジューシーな旨味|菊姫 純⽶【⼭⽥錦】ひやおろし(⽯川県)
- 2.純米にとことんこだわり味を追求|浦霞 特別純米 ひやおろし(宮城県)
- 3.洗練された味わいは一級品|南部美人 純米吟醸原酒 ひやおろし(岩手県)
- 4.香り高く米の甘味が深い|雨後の月 千本錦 純米大吟醸 ひやおろし(広島県)
- 5.磨かない米の素朴さが旨味に代わる|七田 純米 七割五分磨き ひやおろし【雄町】(佐賀県)
- 6.キレのよい辛口が好みなら|南 純米吟醸 無濾過生原酒 【出羽燦々】(高知県)
- 7.7号酵母の発祥蔵が醸す山廃仕込み|真澄 純米吟醸 ひやおろし【美山錦】(長野県)
- 8.最近人気の甘酸系の人気酒「醴泉 純吟 ひやおろし【山田錦】」(岐阜県)
- 9.静岡を代表する銘酒「初亀 純米吟醸 ひやおろし【山田錦】」(静岡県)
- 年に1度の限定「秋の特別酒 」
- まとめ
ひやおろし2020!今年絶対飲んでほしい12選
⽇本の各地の「ひやおろし」と「秋の特別酒」を厳選12本、味わいの違いをじっくりとご紹介していきます。
1.軽い口当たりなのにジューシーな旨味|菊姫 純⽶【⼭⽥錦】ひやおろし(⽯川県)
この日本酒のココがすごい
優しいまろやかさが絶品「菊姫(きくひめ) 純米 山田錦 ひやおろし」
「菊姫」といえば⽇本酒好きの⽅が思い浮かべるのは「⼭廃仕込み」のじっくりと寝かせた「古酒」かもしれませんね。
しかしこちらは、そんなイメージをがらっと変えてくれる一品です!
実は私自身、がっつり山廃仕込みで古酒独特の味わいが強めの日本酒は苦手・・・。それをソムリエに伝えたところおすすめされたのがこちら。
こちらの菊姫ひやおろしは製法が異なり、スピーディーに速醸造りで夏の間のみ寝かせた⽇本酒です。つまり「菊姫」のラインナップの中で 「ひやおろし」はどちらかというと「新酒」に近い特別な位置づけといえます。味わいはよりライトに、それでいてコクもある・・・最高です。
製法は異なっても、菊姫のこだわり「兵庫県産特A地区で栽培された⼭⽥錦を惜しみなく使用」というのは変わりません!速醸造りでも一切手を抜かずに造っています。
実際に飲んでみて
「菊姫は古酒」という先⼊観が消えないままさっそく⼀⼝⽬・・・
すごくまろやか。⽶の旨みが濃厚で、とろみがあって。
アルコール度数18度と高いのに、きつい感じは⼀切せず飲みやすい。 米の旨みが濃厚で、古酒ではないけれど口の中でトロリとした甘味が感じられる。
後日、アルコール度数を抑えてみようと「水1:日本酒2」の水割りにもトライ。
しっかりとした旨味があるので全然水っぽい感じにならず楽しめました!アルコール度数が高いのはちょっと思う方はぜひ試してみてください。
秋の味覚の秋刀魚やキノコと合せても良いのですが、手の込んだ造りの日本酒に敬意を払い自分なりに手の込んだ料理を合せてみたいと考えました。
いつもとひと味違う「トマトソースの肉詰めピーマン」を合せてみました。トマトも煮込むと甘味が増し酸味が和らぐのでひやおろしの奥深い味わいとBESTマッチでした!
今宵は「菊姫」の違うワンショットと出会えたうれしさで飲み過ぎました、水で割っても飲み過ぎてはいけません、皆様はご注意ください。
味わいのプロフィール
甘味 | |
ほどよい甘みがとても飲みやすい。 | |
酸味 | |
さほど強い酸味はなく、かえって飲みやすい。 | |
フルーティー | |
フルーティーな感じはあまりしない。 | |
旨味 | |
含んだ瞬間、トロンとした濃厚な味わいがたまらない。 | |
アルコール度 | 18% |
精米歩合 | 65% |
おすすめの飲み方 | |
冷酒から常温がよいと思うが、個人的には冷たく冷やして適度なキレが感じられる飲み方が好き。 | |
蔵元 | 菊姫合資会社 公式サイトはこちら→ |
製品名 | 菊姫 純米 ひやおろし 720ml |
価格 | 1,980円(税込) |
購入できるところ | ご購入はこちらへ→ |
2.純米にとことんこだわり味を追求|浦霞 特別純米 ひやおろし(宮城県)
この日本酒のココがすごい
飯米で醸すスッキリとした喉ごしの良い食中酒「浦霞(うらかすみ) 特別純米 ひやおろし」
この蔵のすごいところは「純米一筋」の日本酒造り、とにかく純米にこだわっています。そしてこちらはいつもの酒米ではなく、飯米(食べる米)の宮城県産ササニシキを使っているのが特徴的ですね!
米を造るのに適した気候、風土で美味しいお米の米処「ササニシキ」「ひとめぼれ」など有名でおいしいお米の産地であることに誇りを持ち、その米で日本酒を醸す。
誇り高く純粋に酒造りに取り組むそんな酒蔵が多いのも宮城県の日本酒の特徴で、他のひやおろしよりさっぱり目な味わいが特徴だとソムリエ推薦の日本酒です。
実際に飲んでみて
私の中のイメージで「飯米」を使った日本酒はダイナミックな味わいではなく、どことなくこじんまりとした地味な味というイメージが強いお酒でした。(印象深い日本酒があまりありません…)
しかしこちらの「浦霞 特別純米 ひやおろし」は、ものすごくさらりとしていて飲みやすい!
ひやおろし特有の「濃醇でまったりとした味」とはひと味違う。口に含むとサラサラとしていて、ゴックンと飲み干したときに変な日本酒臭さや苦みが全くないことに驚かされました。
つまり、グイグイと飲めてしまい本日も危険な予感を出だしから漂わせてくれます(笑)
「全然地味な味じゃない!さっぱりとしているけれど優しい甘味ある!」そして何より飲みやすく料理を選ばない食中酒としてすごくおススメと感じました。
季節品だから年間品とは違って、今しかないのかぁ~と少し惜しくなるくらい飲みやすい1本でした。普段使いしたい・・・!飯米で醸してもここまで飲みやすい、しかし甘味や旨味があるお酒ができるのだと気付かせてくれた1本です。
合わせるものですが、お寿司やお刺身は定番だと思います。ここはあえて日常の総菜と合わせたいと考えたので2つチョイス。
ピリ辛の生こんにゃく煮と、少しこってりとしたものをという事でエビチリの2つを合わせてみました。日常の食卓にすっと馴染みますね。料理に併せてずっと飲んでいたい、そう思わせてくれる一本でした!
味わいのプロフィール
甘味 | |
さらりとしていて軽い甘み。 | |
酸味 | |
舌に感じるような酸の味わいはない。 | |
フルーティー | |
フルーティー感はさほど感じられない。 | |
旨味 | |
すごく自然な米の旨みは飯米ならではだと感じる。 | |
アルコール度 | 17% |
精米歩合 | 60% |
おすすめの飲み方 | |
冷酒がやはりよい、常温だと味が少しぼやける感じ。 | |
蔵元 | (株)佐浦 公式サイトはこちら→ |
製品名 | 浦霞 特別純米 ひやおろし 720ml |
価格 | 1,540円(税込) |
購入できるところ | ご購入はこちらへ→ |
3.洗練された味わいは一級品|南部美人 純米吟醸原酒 ひやおろし(岩手県)
この日本酒のココがすごい
吟醸なのに大吟醸並みの吟醸香が美しい「南部美人(なんぶびじん) 純米吟醸原酒 ひやおろし」
南部美人は、海外にも積極的に輸出をしていてアメリカやヨーロッパなどでも人気のある銘柄ですね。どのラインナップもきれいな洗練された味が楽しめます、と日本酒ソムリエの言葉。たしかに南部美人を飲んでおけば失敗はない、というイメージがあります。
こちらの特徴は、原酒のまま寝かせているところですね!通常、製造過程で行う加水処理をしていないそのまんまのお酒ということです。だから、アルコール度数17度と少し高めなんですね。(通常15度くらい)
原酒そのまま寝かせているということは、コクがとっても詰まってそうです!
実際に飲んでみて
開栓と同時にたちこめるフルーティーな香り!口に含むと吟醸酒らしい甘みと、とろみが広がり幸福感が一気にマックス100%です。「きれいな洗練された味」とソムリエが言い切る様に、私の中でも「いつもながら期待を裏切らないのが南部美人」と感じました。
原酒と書かれていたので少し強いかな?と思いきや、口当たりのよい日本酒で飲みにくさは全くありません。
獺祭、十四代、東洋美人など吟醸香が高く口の中でまろやかさと甘味が広がる品のある日本酒が好みの方なら、間違いなくこの日本酒は好きだと思います。
こういう綺麗な味わいの日本酒は奇をてらわず定番の物と合わせたい。そこで今回は、これからますますおいしくなる「ズワイガニ」と「アワビのバター焼き」を選んでみました。
カニは旬が11月なのでこれから食べるには絶品、今回は冷凍で我慢!それでも十分おいしくいただけました。カニの甘味と品のある日本酒が何とも言えず杯がすすんでしまいます。
また、バター焼きは少し合わないかなと思ったのですが、バターのコクと日本酒の旨味が意外にしっくりと来たのでおススメです。
味わいのプロフィール
甘味 | |
吟醸酒のきれいな甘みがあります。 | |
酸味 | |
強い酸味というより、甘みと調和した優しい酸味が感じられます。 | |
フルーティー | |
吟醸酒ならではのフルーティーで華やかな香りが心をくすぐります。 | |
旨味 | |
とろりとした口当たりで柔らかい旨味が凝縮凝縮されている感じ。 | |
アルコール度 | 17% |
精米歩合 | 50% |
おすすめの飲み方 | |
吟醸酒なのでやはり冷酒が一番美味しいです。 | |
蔵元 | (株)南部美人 公式サイトはこちら→ |
製品名 | 南部美人 純米吟醸原酒 ひやおろし 720ml |
価格 | 2,090円(税込) |
購入できるところ | ご購入はこちらへ→ |
4.香り高く米の甘味が深い|雨後の月 千本錦 純米大吟醸 ひやおろし(広島県)
この日本酒のココがすごい
ひやおろしとしてはレアな純米大吟醸「雨後の月(うごのつき) 千本錦 純米大吟醸 ひやおろし」
この日本酒の特徴は、ひやおろしなのに純米大吟醸であること!
まず「ひやおろし」と聞けば「特別純米」か「吟醸酒」というのが定番で造られるのですが、「雨後の月」はあえて「純米大吟醸」で醸しているんです。
なぜかというと日本酒は、寝かせるとあまり香りが出ないのだそうです。ひやおろしの醍醐味は、寝かせたことよって出てくる「味わいの深み」「角が取れたまろやかさ」。寝かせることで大吟醸の特徴である「香り」は飛んでしまうことが多いんです。
しかしそこを雨後の月はあえて挑戦し、質の高い純米大吟醸を作り上げています。「香り華やかであじわい落ち着き、旨味あり、切れよし、3拍子揃った日本酒です」とソムリエの言葉。
実際に飲んでみて
まず、何といっても吟醸香ですね!今回紹介するひやおろし の中で大吟醸はこの1本だけです。間違いなく口に含んだ時の華やかさが格段に違うのを感じます。
飲み干した後も口の中に残るフルーティーな香りはさすがだなぁという感じ。そして大吟醸だからさらりと軽いのかというとそうではなく、この雨後の月は甘味が結構あり、濃厚な感じがします。
山田錦を使った大吟醸は米の旨味がガツーンとくるものがありますが、この日本酒は「千本錦 」という酒米を使っています。山田錦ほど前に出る強さはなく、しっとりと落ち着いた味わいになるのが特徴の酒米。この吟醸香と甘味にものすごくあっており、落ち着いた大人の大吟醸酒だと感じるのはこの酒米の旨味が効いているのだと感じます。
こちらも「香り華やかあじわい落ち着き、旨味あり、切れよし」3拍子揃った日本酒。
併せてみたのはチーズがたくさんのった薄焼きピザと、あさりバター。
大吟醸には少し邪道かなぁと思ったのですが、どうしても合わせてみたいと思ったので挑戦してみました。
ピザは、チーズの感じとひやおろしの米の落ち着いた甘味がものすごく合う!
また、アサリバターはバターでコクが出てアサリの旨味が溶け出している味わいと、雨後の月の米の深い味わいがこれまたものすごくマッチしてしまいました。
大吟醸でもコクとキレのある味わいの物は洋食系の味わいと合いますね!
味わいのプロフィール
甘味 | |
甘味だけが前に来るのではなく酸味とよく調和されている。 | |
酸味 | |
きれいに磨かれている大吟醸酒なので嫌な酸味はなくほどよい酸味。 | |
フルーティー | |
大吟醸ならではのフルーティー感を感じられる、 | |
旨味 | |
キレがありスッと喉を通ってくれる、十分な米の旨みが感じられる。 | |
アルコール度 | 16% |
精米歩合 | 50% |
おすすめの飲み方 | |
やはり「ひやおろし」は、冷酒が一番と思わせてくれる1本 | |
蔵元 | 相原酒造(株)公式サイトはこちら→ |
製品名 | 雨後の月 千本錦 純米大吟醸 ひやおろし 720ml |
価格 | 1,870円(税込) |
購入できるところ | ご購入はこちらへ→ |
5.磨かない米の素朴さが旨味に代わる|七田 純米 七割五分磨き ひやおろし【雄町】(佐賀県)
この日本酒のココがすごい
米を磨かないけど飲みやすいのが不思議!「七田(しちだ) 純米 七割五分磨き ひやおろし【雄町】」
この日本酒のすごいところは、精米歩合75%、つまり25%しか磨いていないところ。だいたい50〜60%は磨いた日本酒が多いのですが、あまり磨かないと米のヌカくささというか雑味が出てしまうといわれます。
しかし、こちらは違います!この蔵は「ヌカっぽさを出さないで旨味を上手に引き出す」技がすごいんです。そして使っている酒米は「雄町」。この酒米は、あまり磨かずに醸すと苦みや重い味わいが前に出てとても飲みにくいお酒になるそうです。
ところが「七田マジック」でひと夏寝かせることで、味わいを落ち着かせ円やかにしているんです。すごすぎる。
実際に飲んでみて
実はわたくし寺田本家の「醍醐のしずく」 (米90%しか磨かない日本酒)の大ファンでいて、雄町が好きな「オマチスト」でもあります。なのでこの日本酒を飲むのがすごく楽しみでした。
まず香り、オフフレーバーです。吟醸香の様な香り高い日本酒がお好みだと少し物足りないかもしれませんでも、米の持つ特有の穀物系の香りはわかります。
一言で表現すると「ワイルド系」な味わい。ツンとくる酸味ではないのですが酸味はあり、米の優しい甘味ではなくパンチのある甘味が感じられます。飲んだ後、舌に少しだけ苦みも感じ、米の旨味はすごいです!
しかし、ソムリエが言う通り「ヌカくささ」がありません、まったく感じません・・・すごいです。
もちろん大吟醸の様なさらっとしたまろやかな飲み口とは異なりますが、雄町のワイルドな味わいが癖になりそうな甘味、旨味、酸味が嫌みがなく飲みやすいです。
ワイルドな味わいには、やはり肉料理か、濃いめの味付けの物が合うかなと思います。
今回はタレもので攻めてみました。ウナギのタレとレバーのタレの2種類です。ウナギは白焼きのさっぱり系よりはタレで濃いめの味付けの方が良く合いました!
焼き鳥もねぎまの様な塩味系のものより少し濃いめの味付けのタレの方が合う気がします。レバーは好き嫌いがあると思いますが、レバーの少しくさみがある味わいと、この日本酒のワイルド感が何だかとても相性が良く感じられました。
味わいのプロフィール
甘味 | |
雄町好きなら味わってみたい甘みを充分に感じられます。 | |
酸味 | |
甘みと良くマッチしていて嫌な酸味は全く感じない。 | |
フルーティー | |
吟醸ではない分フルーティーさは感じられない。 | |
旨味 | |
七田を楽しむのに欠かせない旨味、口の中に広がりとろみもあり存分に楽しめます。 | |
アルコール度 | 17% |
精米歩合 | 75% |
おすすめの飲み方 | |
冷酒から常温が一番良く味が分かりオススメ。個人的には冷たく冷やして適度なキレが感じられる飲み方が好き。 | |
蔵元 | 天山酒造(株)公式サイトはこちら→ |
製品名 | 七田 純米 七割五分磨き ひやおろし【雄町】 720ml |
価格 | 1,375円(税込) |
購入できるところ | ご購入はこちらへ→ |
6.キレのよい辛口が好みなら|南 純米吟醸 無濾過生原酒 【出羽燦々】(高知県)
この日本酒のココがすごい
断然、海の幸に合わせたい辛口の男酒「南(みなみ) 純米吟醸 無濾過生原酒 【出羽燦々】」
高知県の日本酒は、海の幸に合うようスパッとキレがあり辛口のお酒が多いのが特徴。こちらの「南 純米吟醸 無濾過生原酒 【出羽燦々】 」もそうですね。
ただし、飲んだ時に口の中にぐっとくるような辛味や苦味などは、夏の間寝かせることにより角が取れています。キレがあるだけではない旨味とほのかな香りも出ていて、これぞひやおろしの醍醐味か・・・と思わせるようなバランスの良い日本酒に仕上がっていますとソムリエ評。
実際に飲んでみて
私は少し酸味があり飲み口がまろやかな味わいが好みなので、切れの良い辛口はどうだろうと思いながら飲んでみました。
少し驚きなのが、まず甘味がすごく感じられたところ。辛口ということなので少し強い辛味と飲んだ後にスパッとしたキレが来るのかと想像していましたが違いました。少しですがとろみも感じましたし、淡いパインの様な甘味が後味に感じられ苦味はさほど感じませんでした。
飲んだ後は、スーッとキレる感じはありますが落ち着いたまろやかさがやっぱりありますね。造りたての時は辛味が前に出ていたかもしれませんが、ひやおろしで夏の間寝かせることによるものかと思います。ただキレがあるだけではない旨味とほのかな香りが出たのかなぁ~と感じました。
ひやおろしで寝かせることでの味わいの変化ってすごいのだなと思わせてくれる日本酒でした。
この日本酒にはどうしても「鰹」を合わせたかったので、秋の「戻り鰹」を合わせました。脂が良くのっている鰹とはもう間違いなく相性抜群!
鰹は食べ応えがありますから、鰹と共に合わせるのなら高野豆腐の煮物やニンジンの白和え、青菜のお浸しなどと合わせるとお酒がすすみそうです。
味わいのプロフィール
甘味 | |
濃い甘みというよりもスッキリとした甘みを感じます。 | |
酸味 | |
ほのかに感じるのですが、ツンとした酸味は感じません。 | |
フルーティー | |
ほのかに感じる程度で大吟醸の様な華やかな感じはしない。 | |
旨味 | |
口の中で米の旨味がふんわりと感じられ落ち着いた味わい。 | |
アルコール度 | 17% |
精米歩合 | 60% |
おすすめの飲み方 | |
冷酒がよいと感じます。 | |
蔵元 | (有)南酒造場 |
製品名 | 南 純米吟醸 無濾過生原酒【出羽燦々】 720ml |
価格 | 1,833円(税込) |
購入できるところ | ご購入はこちらへ→ |
7.7号酵母の発祥蔵が醸す山廃仕込み|真澄 純米吟醸 ひやおろし【美山錦】(長野県)
この日本酒のココがすごい
程よい酸味の山廃仕込み!「真澄(ますみ) 純米吟醸 ひやおろし【美山錦】」
何といってもこの日本酒「真澄 純米吟醸 ひやおろし【美山錦】」は、山廃仕込みが特徴です。山廃仕込みで造られているひやおろしは今回のラインアップではこの日本酒1本のみです。
山廃仕込みですが、ほどよい酸味でクセがなくさらっと口当たりが良い日本酒なのでどなたにも飲みやすい!酒米を55%まで磨いていて、重すぎずバランスが整ったきれいな仕上がりの日本酒です。
実際に飲んでみて
綺麗な仕上がりといっても「山廃」だから、少し癖があるかな?と思いながら飲んでみるとあら不思議!山廃特有の強い個性的な酸のたつ味わいはあまり感じません。
むしろほどよく酸が良く出ていて、さらっとしたきれいなフレッシュな口当たりの日本酒という印象。酒米は美山錦を使って醸すのが宮坂醸造さんの特徴なので、この日本酒も「美山錦」で造られています。美山錦のおかげでこのさっぱり感が出ているのかもしれません。米を55%磨いていることも、軽い口当たりを作り出しているんだと思います。
いわゆる「山廃感」があまりないので、普段山廃は苦手という人も気にせず飲んでもらえる日本酒だと思います!甘みが強すぎず、かといって山廃の酸味は適度に抑えている感じ。バランスのとれた品のある日本酒だと感じました。
今回冷やで飲みましたが、少し温めて「燗冷まし」で飲んでみてもおいしいのではないかと感じます。
合わせるおつまみは、王道のサンマの塩焼きでいってみたくなりました!優しい味わいの日本酒なので定番の厚焼き玉子も合うのではと今回はサンマ&卵焼きでトライです。
卵焼きはご飯やお弁当なら甘い卵焼きですが日本酒のおつまみなら出しで巻いて軽く大根おろしを添えていただきたい。まろやかな日本酒と秋の王道の味覚を合わせて「おいし~い」自宅で秋を満喫しました!
味わいのプロフィール
甘味 | |
山廃のひやおろしなので強くはないが甘みが感じられる。 | |
酸味 | |
山廃なので酸味はありますがまろやかな酸味。 | |
フルーティー | |
吟醸ですが香りはあまり感じられません。 | |
旨味 | |
しっかりと旨味が感じられますがサッパリとしていて飲みやすい。 | |
アルコール度 | 15% |
精米歩合 | 55% |
おすすめの飲み方 | |
山廃だから常温~燗冷ましもありだと思います。個人的には冷やして冷酒の方が好み。 | |
蔵元 | 宮坂醸造(株)公式サイトはこちら→ |
製品名 | 真澄 純米吟醸 ひやおろし 720ml |
価格 | 1,980円(税込) |
購入できるところ | ご購入はこちらへ→ |
8.最近人気の甘酸系の人気酒「醴泉 純吟 ひやおろし【山田錦】」(岐阜県)
この日本酒のココがすごい
甘味と酸味のバランスが最高にうまい!「醴泉(れいせん) 純吟 ひやおろし【山田錦】」
岐阜県・滋賀県のような内陸の地方のお酒は、芳醇旨口のお酒というよりは、甘酸という甘みと酸味のある味わいに少しパンチがある日本酒が多いのが特徴です。最近はこういったお酒に人気が高まっていますね。
例えば、海の近くに位置する蔵元たちは海の食べ物(刺身など)に合う様にやはりお酒もさっぱりとした傾向のものが多いと言われていますね。逆に、内陸に位置して保存食(発酵食)をよく食する傾向の強い地域では、味の濃い発酵食に負けないようお酒も発酵してエネルギーが強めのものが多く造られるのだそうです。
こちらの日本酒はその1本。「鮒ずし」「肉のみそ漬け」「ぬか漬け」など、味が濃い目の発酵系の食品に合わせたい!
実際に飲んでみて
発酵食に合わせた日本酒と聞いていたので「パンチがあり個性的な日本酒」かと思っていたのですが・・・「ひやおろし」のおかげで落ち着いた味わいを感じます!甘みと酸味のバランスが丁度良く、想像以上に優しい味わい。
ソムリエ曰く「甘酸」だと言ってましたが、確かにバランスよく軽めの甘酸っぱさがありました。甘酸っぱいというと「仙禽」や「一ノ蔵 ひめぜん」のような味わいを思い浮かべますが、それらと比べると米の旨味がもう少し強い気がします。ほのかな甘酸っぱさと奥にある旨味、という感じです。
おそらく造りたてで飲んだのならもう少し酸味が強いのかも知れないけれど、寝かせることで酸味が落ち着きバランスよくなっているんですね。
おつまみは、ソムリエのご推薦通り「漬け込んである総菜」をチョイスしてみました。
「豚のみそ漬け焼き」はお肉の柔らかさとみその塩気がこの日本酒にぴったりでした!「銀タラの西京焼き」は西京味噌と日本酒の酸味がこれまた絶妙。このほか「ぬか漬け」とも合わせてみました。発酵食で塩気のあるものなら何でも合いそうです。
味わいのプロフィール
甘味 | |
酸味と甘味なら甘みが強く出ている、どちらかというと優しい感じの甘み。 | |
酸味 | |
酸味はあるが強くは感じない、甘味と調和されている感じがする。 | |
フルーティー | |
全く香りがないとはいわないが、あまり感じられなかった。 | |
旨味 | |
旨味は強く感じますが、パンチがある様な強さではなく熟成からくる深い旨味。 | |
アルコール度 | 15~16% |
精米歩合 | 50% |
おすすめの飲み方 | |
どの日本酒も冷酒となってしまうが、こちらも冷酒がオススメ。 | |
蔵元 | 玉泉堂酒造(株)公式サイトはこちら→ |
製品名 | 醴泉 純吟 山田錦 ひやおろし 720ml |
価格 | 2,035円(税込) |
購入できるところ | ご購入はこちらへ→ |
9.静岡を代表する銘酒「初亀 純米吟醸 ひやおろし【山田錦】」(静岡県)
この日本酒のココがすごい
最高級の原材料で醸す一級品「初亀(はつかめ) 純米吟醸 ひやおろし 」
富士山系の豊かな水と酒米山田錦を使い、香り豊かな「静岡酵母」で醸した一本。なんと言っても材料が贅沢なんです!ぜひ一度は飲んでほしい。
静岡と聞くとお茶のイメージが強いですが、実は、静岡県も日本酒造りが盛んです。こちらの「初亀」はもちろん、「磯自慢」も全国的に有名ですね。
静岡県で日本酒造りが盛んな理由の一つは「水」。富士山の湧き水は日本の水の中でも特に美味しいことで知られています。そんな富士山系の水を使うことで味わい深い日本酒となるんです。
そして富士の高山から流れてくる水は「ミネラル分が多い水」としても有名です。その富士の水に負けない様にと開発された酵母があります。それが香り高く綺麗な酒をつくりだす「静岡酵母」。富士山の湧き水に合うように研究を重ね開発したものです。静岡県の酒蔵しか使用できない特別な酵母です。この静岡酵母と富士山の湧き水で作る日本酒は最高の酒、と言われ静岡県の日本酒は全国で有名となりました。
こちらの酒蔵は、南部杜氏を迎えて「ライトで、フルーティーで、スッキリとした味わい」の日本酒造りをしている酒蔵です。
実際に飲んでみて
ミネラル分が多い水とのことで、少し重たい感じなのか?と思っていたのですが全然違いました!優しいとろみがあって、口の中で甘味が広がり鼻から抜けるフルーティーな香り。吟醸酒だけれども大吟醸にも感じられます。
甘味、旨味が本当に強く感じるので、アルコール度数15度と日本酒にしてはそんなに高い度数ではないのですが少し強めな印象を受けました。
ただし飲みにくさは全く感じられず、「磯自慢」などにある華やかな味わいと同路線で高級感すら感じる日本酒でした。
口当たりの綺麗な日本酒は日本食と合わせたいですね。静岡なので海の幸とも良く合うかと考えてお寿司とホタルイカを用意しました!
味を探求するためアレンジした料理と合わせてみるのも良いのですが、間違いのない味わいと合わせるとやはり心がホッとため息をついて和みます。
味わいのプロフィール
甘味 | |
スッキリとした甘さでくどくない、飲みやすい甘さ。 | |
酸味 | |
酸味はあまり感じる事はなかった。 | |
フルーティー | |
口の中に広がるフルーティーさは格別、開栓時にふわっと来る香りの華やかさはあまりない。 | |
旨味 | |
ミネラル感が強く、米本来の旨味も一緒に感じられた。 | |
アルコール度 | 15% |
精米歩合 | 55% |
おすすめの飲み方 | |
冷酒から常温が一番良く味が分かりオススメ。個人的には冷たく冷やして適度なキレが感じられる飲み方が好き。 | |
蔵元 | 初亀醸造(株)公式サイトはこちら→ |
製品名 | 初亀 純米吟醸 ひやおろし 720ml |
価格 | 1.650円(税込) |
購入できるところ | ご購入はこちらへ→ |
年に1度の限定「秋の特別酒 」
ここから紹介する3本は、販売店では「ひやおろし」という名前で販売されていません。蔵元にこだわりがあり「秋の特別酒」として年に1度、秋にしか出さない日本酒として販売される限定酒です。
こちらもぜひおすすめなので紹介したいと思います!
1.秋にしか出さない酒米山田錦で醸す|一白水成 純米吟醸【山田錦】(秋田県)
この日本酒のココがすごい
甘みと酸味のバランス、旨味がすごい!「一白水成(いっぱくすいせい) 純米吟醸【山田錦】」
福禄寿酒造(ふくろくじゅしゅぞう)は、季節商品(季節のお酒)をあえて出さないという酒蔵です。その代わりお米の種類で季節を感じる商品を販売しています。
そして、こちらが秋にだけ出す「山田錦」を使った一本。酒米の王様、山田錦はこの時期しか使いません。特別感ありますね!
実際に飲んでみて
重い感じではないけれど、しっかりとした米の旨みも感じられます。口当たり良くほのかな甘味としっかりとした酸味が感じられる甘酸っぱい味わいです。
「山田錦」で秋を感じる・・・確かに少し濃厚な甘みと酸味の調和に、軽いフルーティーさとたっぷりの旨味。脂の乗った秋の食べ物とも良く合いそうです。
甘酸っぱさがしっかりと感じられ洋食ともに合いそうだと感じました。キノコをたっぷり入れた野菜のアヒージョはとっても合いました!
生ハムサラダも酸味のある日本酒にはピッタリです。今回は粉チーズを振りかけてしまいましたが、少し奮発してパルミジャーノ・レッジャーノチーズをすりおろして使ったら、またワンランク上の組み合わせが楽しめると思います。
味わいのプロフィール
甘味 | |
しっかりとした甘味が今回のラインナップの中では一番感じられた。 | |
酸味 | |
甘味もさることながら上品な酸味は甘酸っぱい味につながっている。 | |
フルーティー | |
強すぎないフルーティーさは全体的にバランスが良いと感じます。 | |
旨味 | |
しっかりとした旨味だが重たく感じる事がない。 | |
アルコール度 | 16% |
精米歩合 | 50% |
おすすめの飲み方 | |
常温でも良いかも知れませんが冷やした方がこのお酒の良さが際立ちます。 | |
蔵元 | 福禄寿酒造(株)公式サイトはこちら→ |
製品名 | 一白水成 純米吟醸【山田錦】720ml |
価格 | 1,780円(税込) |
購入できるところ | ご購入はこちらへ→ |
2.魚介類に合わせる辛口の代表選手|早瀬浦 特別純米 夜長月【山田錦】(福井県)
この日本酒のココがすごい
魚介に合わせる辛口をつくらせたら右に出るものなし「早瀬浦(はやせうら) 特別純米 夜長月【山田錦】 」
ミネラル分のある硬水で造られているので辛口のしっかりとした味わい。山田錦ならではの王道の米の旨みが存分に味わえて、魚介に合う辛口をつくられたら右に出る者がいないんじゃないか!?というくらい辛口好きを虜にするのがこの日本酒です。
この蔵もひやおろしという名前での日本酒は出さず、「月が出ている時間が長くなると秋を感じる」ということで名付けられたという美しい風情のある名前、秋の特別限定酒「早瀬浦 特別純米 夜長月【山田錦】」です。
実際に飲んでみて
口に含むとまずしっかりとしたミネラル感が感じられます、そのあと喉の奥でスッと切れる感じでスッキリとした辛口が本当に印象的です。「日本酒好きの日本酒」という感じの硬派、大人の味わいなのですが、米の旨味と甘味もしっかりと感じられます。
やはりお刺身をあわせたくなりました。お手頃な「マグロのぶつ切り」でも日本酒と合わせると十分な満足感があります。予算が許すなら「生の中トロ」を合わせると幸せな気分に浸れるのではないでしょうか。
イカ焼きも最高です。網でさっと焼いて醤油でいただく。シンプルだけどうまい!
味わいのプロフィール
甘味 | |
少しあり、強くは感じません。 | |
酸味 | |
ありますが、こちらも強く感じる事はありません。 | |
フルーティー | |
吟醸酒ではないので、あまり感じません。 | |
旨味 | |
米の旨みにミネラル感が加わったしっかりとした味わい。 | |
アルコール度 | 16% |
精米歩合 | 55% |
おすすめの飲み方 | |
冷酒が一番オススメ。常温だと辛さが強まる。 | |
蔵元 | 三宅彦右衛門酒造(有) |
製品名 | 早瀬浦 特別純米 夜長月【山田錦】720ml |
価格 | 1.650円(税込) |
購入できるところ | ご購入はこちらへ→ |
3.雄町麹を使った優しい味わい|賀茂金秀 特別純米 秋あがり【雄町】(広島県)
この日本酒のココがすごい
キレよく爽やかな力作!「賀茂金秀(かもきんしゅう) 特別純米 秋あがり【雄町】 」
普通、麹米と掛け米は一緒のものを使って造ることが多いのですが、こちらは酒米に「八反錦(はったんにしき)」、麹米に「雄町(おまち)」を使用しているのが特徴です。
特別純米で造られていますが、酒米に「八反錦」を使うことでキレが良く爽やかさのある味わい。そして麹米に雄町を使い口当たりがよい柔らかさを出した力作の日本酒です、とソムリエ談。
実際に飲んでみて
口に広がる華やかなフルーティー感はあまりないのですが、甘味と喉を通り過ぎた時に感じるキレの良さが最高。そして若干ですが舌に残る辛味も嫌みなくバランスが取れています。
柔らかいけれどしっかりとした甘味が感じられるのは、雄町のおかげでしょうか?とても口当たりが良く個人的には満足度の高い日本酒でした。
この日は、日本酒のおつまみではなく、どうしても「ご飯」が食べたくなってしまいました。
少しヘビーかなと感じながら「イクラ丼」をつくりました。自家製のぬか漬けと共に日本酒に合わせてみると・・・イクラが日本酒にばっちり合ってしまいました!!ヘビーどころか、ご飯はお代わりしたいくらいの勢いでした。カロリー的なことを考えると「米粒」は控えるほうが良いのかもしれません・・・
しかし、もともとお米からできている日本酒ですから、よく考えれば合わない訳もなく「もしかしたら最強のおつまみかもしれない・・・」などと考えながら日本酒をいただきました。
味わいのプロフィール
甘味 | |
酸味が薄い分、米の甘味がすごく感じられ日本酒好きにはたまらない。 | |
酸味 | |
甘味が勝つ感じであまり感じられない。 | |
フルーティー | |
華やかなフルーティー感や果実味もあまり感じない。 | |
旨味 | |
米の旨みを存分に感じる事が出来る日本酒好きにはたまらない味わい。 | |
アルコール度 | 15% |
精米歩合 | 60% |
おすすめの飲み方 | |
王道ですが、やはり冷たく冷やした冷酒が断然オススメ。 | |
蔵元 | 金光酒造合資会社 公式サイトはこちら→ |
製品名 | 賀茂金秀 特別純米 秋の便り【雄町】720ml |
価格 | 1,595円(税込) |
購入できるところ | ご購入はこちらへ→ |
まとめ
ひやおろしと、秋の限定酒。
いろいろ飲んだ中で、本当におすすめのものをチョイスしてみました。
作り立ての日本酒も本当においしいんですが、少し寝かせてまろやかになったひやおろしも本当においしい!普段日本酒を飲まれる方であれば、ぜひ試してみてほしいです。きっと秋の味覚に合わせてみたくなるはずです!
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