日本酒は冷凍庫に保管NGって本当?保管場所に困ったときの対処法

日本酒が冷蔵庫に入らないからなんとかしたい!じゃあ冷凍庫に保管しようかな…
と思っている方はちょっと待ってください!

「アルコールは冷凍庫で凍らない」説を聞いたことがあるかもしれないですが、ほとんどの日本酒は冷凍庫に入れると凍ります。厳密に言うと完全には凍るのではなくシャーベット状に凍ります。

一度凍ってしまった日本酒を解凍して飲むと、本来の味わいとは変わってしまうことが多いです・・・それどころか日本酒の入っている容器によっては、破裂するリスクもあるので危険です。

日本酒はなぜ冷凍保存がだめなのか、他にいい保存方法はないかをお話していきます。

1. 日本酒は冷凍保存には不向き

日本酒は冷凍保存は不向きの画像

日本酒のアルコール度数15~16度での凝固温度は、-15~-16度といわれています。
一方、家庭用冷凍庫の温度は国際的な基準により「-18度以下」になるよう設計されています(日本のメーカーの冷凍庫は-18度~-20度のものが多い)。つまり日本酒の凝固温度より冷凍庫の温度が低いので、日本酒は凍ってしまう恐れがあるのです。

「アルコールが凍るのはもっと低い温度だったはずでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。たしかにエタノール(アルコール)の凝固温度は-117度です。しかし、この-117度というのは「アルコール100%」の時の凝固温度なので注意です。ちなみに、ジンやウォッカなどのアルコール度数が40度近くあるようなお酒は凝固温度が-40度ほどなので家庭用冷凍庫に入れても凍りません。

一度凍ってしまった日本酒を溶かして飲むと、味がそっけなくなったりえぐみが出てしまったり、本来の味が崩れてしまうことがあります。実際にいくつか凍らせてみたことがありますが、ものによっては持ち味である甘みが薄らいだり、苦味が全面に出てしまったりするものがありました。

2. 保存するなら冷蔵庫か冷暗所が必須!

日本酒はどんな種類も全て冷蔵庫に入れないといけないと思いがちですが、常温保存でもOKな日本酒もあります。

2-1. 生酒や「要冷蔵」と書いていないものは冷暗所へ

生酒や「要冷蔵」と書いてあるものは冷蔵保存が必須です。
逆に言うと、そうでないものは冷暗所で保管できます。純米酒や本醸造酒など。吟醸酒は「要冷蔵」と書いてないものもありますが、香りをできるだけ保つためには冷蔵保存がおすすめです。

2-2. 小瓶に移し替える

小瓶なら冷蔵庫に入るという場合は、清潔な容器に移し替えるのもあり。例えば、味がついていない炭酸水が入っていた瓶を煮沸消毒した後、日本酒を入れ替え保存するなどです。

炭酸水|画像「ウィルキンソン 炭酸 ワンウェイ瓶」楽天市場 公式ページより

日本酒は、匂いに敏感なので味や香りのついた飲料が入っていたものだと移ってしまいます。炭酸水は無味無臭なので最適、そして何より瓶なので煮沸消毒で比較的衛生的に扱えます。

2-3. 日本酒専用冷蔵庫を購入してしまうという選択肢もあり!

それでもどうしても日本酒が入らない・・・という方は、この際思い切って日本酒専用冷蔵庫を購入してしまうという選択肢もありです。安いものだと2万円台から買えます。

下記ページの記事を参考にしてみてください。

【決定版】日本酒用冷蔵庫の選び方は安さ・おしゃれ度・静音性

3. あえて凍らせる「みぞれ酒」という選択もあり

みぞれ酒画像
白鶴酒造(株)公式ページより

日本酒は冷凍庫に入れると、完全に凍るのではなくフローズン状態になります。そのため、あえてかき氷のような感じの日本酒を楽しむことができます。これは「みぞれ酒」と呼ばれます。

実際に作ってみたのですが、凍らすと日本酒のアルコール感も落ち着いて、むしろ食べやすいと感じましたサッパリとしていて口の中を爽やかにしてくれるので、デザートとしてだけでなく、お料理の箸休めとしても良いと思います!

<作り方のおおまかな流れ>
(1)-15℃〜-18℃の冷凍庫で12時間以上保管する
(2)保管が終わったら、凍っているか振って確認する(音がしなかったら凍っている)
(3)パックなら揉み込んで、グラスに移し替えしていただく

詳細はこちらの記事をご覧ください。

日本酒シャーベット「みぞれ酒」を作ってみてわかったコツとアレンジ法

まとめ

あえて凍らせて「みぞれ酒」を楽しむ方法というのはありましたが、基本的に日本酒は冷凍庫での保存には向いていません。今ある冷蔵庫で日本酒が保管できなくなったら、常温保存にできるものを探したり小分けにしたり思い切って日本酒用冷蔵庫を買ったり・・・良い方法が見つかるとうれしいです。

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