生酒の賞味期限は?冷蔵保存して半年以内に飲み切るのがベストなわけ

生酒

日本酒の生酒が手元にあるのだけれど全部飲み切れなくて残ってしまった。

でも書いてあるのは製造年月だけで「賞味期限」が書いていない・・・
いつまで飲みきればいいのかわからない・・・

そんな経験はないでしょうか?

実は酒税法で日本酒には賞味期限は記入しなくても良いということになっているのですが、実は正しい期間で飲まないと劣化してしまいます。

特に生酒は普通の日本酒とは違い火入れ(加熱殺菌)を行わずに出荷されているため、普通の日本酒とは美味しく飲める期間も保存の方法も少し違います。

ここでは、生酒を開栓してしまった後、どのくらいの期間で飲むのが良いのか、の保存方法や保存期間についてお話ししていきます。ぜひ参考にしてみて下さい。

1. 生酒は半年以内にできる限り早く飲む!【冷蔵庫保管必須】

通常の日本酒は2回火入れ(加熱殺菌)されていますが、生酒にはそれがありません。

瓶の中で雑菌が繁殖するわけではありませんが、火入れがないことにより生酒は室温の変化や光に影響を受けてしまうとてもデリケートなお酒なのです。

そのため、生酒は常時冷蔵庫に保管することはもちろん、通常の日本酒よりもできるだけ早めに飲みきることをおすすめします。本来のおいしさが損なわれてしまうかもしれないからです。

基準としては、以下となります。

開栓前:製造年月から半年以内
開栓後:開栓後710日以内(冷蔵庫保管必須)

【コラム】
「生」と書かれている日本酒は大きく分けて生酒、生貯蔵酒、生詰め酒の3種類あります。その違いを表した表が以下です。

一度も火入れをしていないものを「生酒」と呼び、同じ「生」とついても1度火入れをしているものを「生貯蔵酒」または、「生詰め酒」と呼びます。

いづれにしても通常の日本酒の様に2回の火入れ作業を行わない日本酒ですから、普通の日本酒に比べると味の変化が速いのは事実です。

2. 生酒を寝かせておけば熟成酒になる?一般家庭では難しい

熟成酒というのがあるのだから、生酒も冷蔵庫でちゃんと保管すれば熟成して熟成酒になるのではないか?という疑問をよく聞きます。日本酒は確かに熟成させることで美味しくなるお酒があることは事実です。

ただ、お酒によって上手く熟成できるものとそうでないものとがあり、単に日本酒を冷蔵庫で保管しておけば熟成酒になるのかと言うとそうではありません。かなり温度管理をしっかりしなければならず、家庭用冷蔵庫ではほとんど難しいと思います。

もし家庭用冷蔵庫で長期間保存するとなると、冷蔵室が36度、野菜室は38度が一般的ですから冷蔵室及び野菜室で保管がおすすめです。下の表は大手酒造メーカー、蔵元などの専門家が日本酒を保管する際に推奨する保管温度になります。

日本酒を保管(未開封)するときに推奨する保管温度

日本酒

保管期間:1年未満

2˚C

日本酒

保管期間:13

-2˚C

日本酒

保管期間:3年以上

-5˚C

日本酒生酒

-5˚C

ワイン

14˚C

推奨保管温度2℃とは、一般の家庭用冷蔵庫ではチルド室の温度帯が02℃となります。また推奨保管温度-2℃-5℃の温度は家庭用冷蔵庫での設定はできません。家庭用の冷凍庫は-18-20℃なので低すぎるためです。

蔵元が販売している熟成酒は酒蔵でタンクによる熟成かもしくは瓶による熟成を上記の特別な温度帯で微妙な酒質の変化を管理しながら造られるお酒のことを指します。単に古くなったお酒のことを熟成酒もしくは古酒と言うのではないということを覚えておきましょう。
家庭用の冷蔵庫では、きっちりとこの推奨温度帯をキープできませんので長期の保存は不向きだと考えるのが妥当です。

飲みかけの生酒が開栓後、3ヶ月とか半年になってしまったとしても体に害は及ばなくても時間の経過とともに「味」に変化が起こり元の味とは違う日本酒になってしまったり、香りに変化が及ぶという影響が考えられます。
もちろん日本酒の熟成によるものなのですが、開栓後この様な味の変化やにおいの変化した状態の日本酒を「劣化」した日本酒と呼びます。

生酒をキープするには-5℃が適温なので、家庭用冷蔵庫で上手に保管するのは難しいのです。

味の変化が速い生酒に関しては開栓前でも冷蔵庫で保管して製造年月から半年以内で飲み切り、開栓したら710日以内に飲み切ることをおすすめします。

3. 飲めなくなった生酒の活用法

日本酒にはお肌の成分を活発にさせると言われているプロリンやアルギニンなどの肌再生アミノ酸が豊富に含まれています。飲めなくなった生酒は捨てずにぜひお風呂や化粧水などに活用してみましょう。

3-1. 日本酒風呂

40℃前後の湯船に180ml程度の日本酒を入れるのが目安です。新陳代謝を促し体が温まります。寒い冬には特におすすめ。また、夏の暑い日にエアコンで冷え切った体のコンディションを整えるのにも最適です。

普通に入っても新陳代謝を活発にするお風呂ですが、日本酒を入れることによって、よりいっそう新陳代謝を向上させ疲労回復の手助けをしてくれます。

3-2. 日本酒化粧水

 

材 料

精製水・グリセリン・日本酒

作り方

①精製水100ml:日本酒50mlを混ぜる。(精製水2:日本酒1

②混ぜ合わせたものにグリセリンを7.5ml程度混ぜる。

作り方はとても簡単です。精製水と日本酒を混ぜ、そこにグリセリンを混ぜるだけ。

注意点は3
①日本酒は使用前に鍋で温めてアルコールを飛ばす。
②化粧水を入れる容器は熱湯消毒をして雑菌を除去しておくこと。
③そして作った化粧水は冷蔵庫で保管し一週間以内に使い切ることです。

日本酒はアルコール度数が高いので使う前にアルコールを飛ばしておくことで肌に優しい日本酒になります。防腐剤などが入っていない手作りの化粧水は市販品と違い早めに使い切ることが肝心です

まとめ

ここまで日本酒の生酒の賞味期限についてお話しして参りました。

2回火入れをしている普通の日本酒と違い生酒は火入れをしていない分、開栓したら早目に飲み切ることがおすすめで、保管場所は冷蔵庫でした。
生酒が美味しく飲める保存期間やその保存方法について理解していただけたでしょうか。

生酒のことが少しでもおわかりいただけたのなら幸いです。

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