福井県の代表的な日本酒の一つとして、「黒龍」は有名ですよね。
現在ではどこの酒蔵も大吟醸酒を販売していますが、1975年に全国で初めて大吟醸酒を販売したのがこの黒龍酒造です。
黒龍酒造が醸す日本酒はどのラインナップも口あたりの良いまろやかな味わいで、日本酒初心者から通まで幅広いファン層で人気があります。この記事では、その黒龍の魅力ついてお話ししていきたいと思います。
なお、黒龍のストーリーは以下の文献を元にまとめました。
- FM福井 ラジアップ Friday:つくりびとシーズン2
- マイ日本酒探し「黒龍酒造の杜氏の畑山さんはすごい人でした」
- AMAZON prime video「石ちゃんのSAKE旅」
目次
1. 日本酒「黒龍」の魅力とは
黒龍の魅力はなんといっても大吟醸酒でしょう。しかも飲んでただ美味しいというだけのお酒ではなく料理との相性を考え日本酒が相乗効果を現すようなそんな味わいを楽しませてくれるのが黒龍です。
また、黒龍は、伝統的な手法を守りながらも常に上質な酒への探究心を欠かさず新しいことに挑戦していくチャレンジ精神も素敵です。
- 市場流通はしていなかった「大吟醸酒」を一般に流通させた。
- 冷酒で飲むのが常識と考えられていた大吟醸に「燗で飲むと美味しい大吟醸酒」という新しい発想を提供。
- 大吟醸と言えば通常50%の精米歩合(玄米を50%、米の半分を精米して削る)のところを35%の精米歩合にまで磨き上げた究極の日本酒を造り上げる。
- 杜氏制度を廃止し、社員杜氏の仕組みを作り上げ、社内全員での酒造りという画期的な組織改革を実現。
老舗酒蔵にも関わらず時に大胆で革新的なチャレンジを試み、常に新しい味わいを日本酒ファンに贈りだしているところも魅力といえます。
2. 日本で初めて販売された大吟醸酒「黒龍 大吟醸酒 龍」
その昔大吟醸は蔵に出向かなければ飲めないお酒でした。その大吟醸酒がまだ世の中に流通していない1970年代に大吟醸酒を一般販売して世間に浸透させたのが黒龍です。
七代目蔵元がフランスで学んだワインの熟成法を応用して日本酒に取り入れ造り上げたのが「黒龍 大吟醸酒 龍」です。
発売当時、一升瓶(1800ml)で5.000円の価格は、日本一高いお酒ということで大変話題になり黒龍の知名度を上げた日本酒でもあります。
現在の価格は、8.000円なので、それを考えると40年以上前に5.000円という価格は相当高かったのだろうということが容易に想像できます。
3. 大吟醸を燗酒で飲むという新発想「大吟醸酒 九頭龍」
一般的に大吟醸は冷やして飲むのが美味しいと言われているのですが「黒龍 大吟醸酒 龍」を発売した後、燗酒にしてうまさが引き立つ大吟醸酒「九頭龍 大吟醸」を発売。
「黒龍 大吟醸酒 龍」と同様ワインの熟成を応用して2年間の熟成を活かしてお燗専用の日本酒として開発されたのがこのお酒です。
温度帯により味わいが変わり、熱燗だとより柔らかみが、ぬる燗だと多少しシャープな味わいにと、いろいろな燗の温度帯で楽しむのに向いている日本酒です。
また、家庭で手軽に燗酒ができるようにとポットのお湯で手軽に適温の燗がつけられる酒燗具「燗たのし」を販売し燗酒の啓蒙にも力を注いでいます。
このように蔵のラインナップには大きく分けて、2種類。
冷やして良しの、冷酒向け「黒龍」と、「燗にして良し」の燗酒向きの日本酒「九頭龍」という二本柱でブランドイメージを確立しています。
4. 黒龍 最高峰、米を極限まで磨いた精米歩合35%「大吟醸 しずく」
黒龍のラインナップの中でも最高峰と言われているのが「黒龍 しずく 大吟醸」です。
大吟醸の中でも精米歩合35%と磨きに磨きをかけた究極の日本酒でしかも袋絞りといって、お酒を布袋に詰めて吊るし、自然の圧力をかけて落ちてくる日本酒を集めて瓶詰めにするという底辺に手間と時間がかかる製法で造られている日本酒です。
そのため味わいは実に円やかでスーッと喉を通っていく飲み心地はなんともいいがたい上品な味わいです。毎年6月と10月の年に2回発売される予約限定品の貴重なお酒です。
もしも店頭で見かけたのなら即買い必須と言っていいでしょう。
AMAZON prime video「石ちゃんのSAKE旅」より
皆さんご存じ「まいう~」でお馴染みのタレント石塚秀彦さんが日本を代表する銘酒を求めて、全国津々浦々の酒蔵と出会う素敵な旅のビデオ「石ちゃんのSAKE旅」というのがAMAZON prime videoで視聴できます。今回ご紹介している「黒龍」も紹介されていますので興味のある方はご覧になってみてください。
5. 社員中心の酒造りを目指すために社員杜氏の制度を導入
FM福井 ラジアップ Friday「つくりびとシーズン2」より黒龍酒造杜氏 畑山さん
黒龍酒造の現在の杜氏は畑山さんという方です。出身は北海道で大学時代日本の伝統産業に興味を持ち日本全国の酒蔵に自ら出向いて訪問インタビューを行っていたのです、その時に訪れた酒蔵の一つに黒龍がありました。
黒龍をインタビューしたとき、当時の会長が「現在の杜氏制度ではなく、会社が雇った社員が酒を造り出すそんな酒蔵にしたい」という話に感銘を受けました。
大学卒業と同時に黒龍に就職、入社と同時に造り担当となり、現在は石川県にある「萬歳楽」で杜氏をしている家氏の下につき7年間教わり杜氏となりました。
現在では蔵元杜氏という酒蔵も珍しくはありませんが通常、酒蔵は経営と酒造りは分業制、酒造りは杜氏と呼ばれる酒造りの最高責任者を中心とした蔵人たちが造っていました。
それぞれの杜氏集団が、一つの流派を形成し、その集団ならではの奥義を持って酒造りを行っていたため酒造りの情報は極秘となり一部の人間にしかわからないというのが昔の杜氏制度です。
そのような昔ながらの伝統を壊して、現代にふさわしい酒造りの場を造り上げたいと考えたのが他ならぬ215年の歴史を誇る老舗酒蔵「黒龍」だったのです。
日本酒造りの根本にまで踏み込み改革を試みた黒龍は伝統を守りながらも新しいチャレンジで上質の味を追求する真の革新的蔵元だと言えるのではないでしょうか。
6. 黒龍ラインナップ
黒龍のラインナップには季節限定の特別酒など数々あるのですが、こちらは黒龍といえば必ず名前があがってくる日本酒を6本ご紹介します。
黒龍 しずく 大吟醸
6月・11月の限定販売、袋絞りで丁寧に濾して造られた味は絶品
720ml 5,000円(税抜)ご購入はこちら →
黒龍 大吟醸 龍
ワインの熟成を応用し日本で初めて大吟醸酒を販売した黒龍の代表酒
720ml 4,000円(税抜)購入はこちら →
黒龍 大吟醸酒
酒米は、山田錦。黒龍大吟醸酒のレギュラーライン大吟醸ならでは香りとサラッとした喉ごしが楽しめる
720ml 2,500円(税抜)ご購入はこちら →
黒龍 純米吟醸酒
酒米は五百万石。純米ならではの米の旨みとトロリとした円やかさが特徴の奥深い味わい
720ml 1,300円(税抜)ご購入はこちら →
九頭龍 大吟醸 熟成
2年間の熟成を経てお燗専用として誕生した大吟醸酒いろいろな温度帯で楽しめ深い味わいの上品な味わい
720ml 2,500円(税抜)ご購入はこちら →
九頭龍 純米
酒米は五百万石を使用してスッキリとした味わいが特徴ぜひ燗酒で飲んでみたい
1800ml 2,400円(税抜)ご購入はこちら →
蔵元:黒龍酒造(株)(福井県)公式ページはこちら→
まとめ
ここまで伝統の手法を守りながら常に新しいチャレンジを試みて、日本酒ファンを魅了する黒龍についてお話しして参りました。
ゴージャスな大吟醸の香りとともに円やかで上品な甘味と決して出しゃばらないけれど合わせる料理をぐっと引き立てる極上の味わいにグルメキング石ちゃんも驚いていましたね!
日本酒って知れば知るほどおもしろい、こんな素敵な日本酒に出会えて本当によかった、そして次はどんな日本酒と出会えるのかとても楽しみです。
新しい日本酒との出会いは、きっと心を豊かにしてくれることでしょう。皆様もぜひ自分のお気に入りの日本酒を見つけてみてください。
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