日本酒が苦手な私でも飲めた、華やかな吟醸香の日本酒おすすめ10選

吟醸香

ワインは好きなのだけど、日本酒はちょっと苦手、特にあの日本酒独特の香りが好きになれないなぁ~と思っていたりしないでしょうか?

日本酒のイメージって、「親父、ニオイがきつい、アルコール度数が高い、飲みづらい、おしゃれじゃない」居酒屋とかで乾き物と一緒に親父族たちが、ちびちびと飲むみたいな印象ありませんか?

実は、私もそうだったのです。でもある時、女友達とちょっと高級と言われる日本料理屋に食事に行った時、そこで「日本酒のイメージが変わりますよ」と言われて飲んでみたのが「獺祭 磨き二割三分 純米大吟醸」でした。

言われた通り日本酒独特のあの米の強い鼻にツンとくる香りはなく、それどころか果物のような甘く、優しいフルーティーな香りがするのに大変驚きました。

味も誠にまろやかで日本酒が苦手な私でも軽やかに飲むことができました。「日本酒にもフルーティーな香りがするものがあるのか・・・」そしてこの香りの正体は「吟醸香」なのだと教えてもらいました。

日本酒は苦手だと思っていた私の日本酒に対する概念を180度変えてくれた「吟醸香のする日本酒」。今回は吟醸香についてお話ししていきます。

吟醸香のするおすすめの日本酒もご紹介しますので、ぜひ試してみてください!

1. 日本酒の「吟醸香」とは?

吟醸香の種類

吟醸香とは、日本酒造りの工程で酵母が作り出すフルーティーな香りのことです。

日本酒には、フルーツの香りや花の香りなどにたとえられる、えも言えぬ香りのするものがあります。
この香りのことを吟醸香と言います。日本酒造りの中でも吟醸造りによって作り出されるフルーティーな香りのことです。
吟醸造りとは60%以下に精米した米を低温でじっくり発酵させる造り方です。
造られた日本酒は吟醸酒(精米歩合60%以下)とか大吟醸酒(精米歩合50%以下)とか呼ばれます。

各蔵元がどの酵母を使い、どのように造るかにより、日本酒の香りやコクに個性が現れるのが日本酒の魅力でもあります。
日本酒が気になりだしたら酵母に注目して日本酒を楽しむというのもまた、面白いスタイルかも知れません。 

2. 吟醸香が醸し出す香りは2タイプ

発酵にともなって生まれる吟醸酒や大吟醸酒の醸し出す吟醸香をエステル系の香りと言います。
香りには大きく分けると2タイプあります。

2.1. リンゴ・ナシ・パイナップル系の吟醸香

吟醸香の種類1

日本酒をフルーティーと表現するときの代名詞ともいえる。リンゴや洋ナシのような甘酸っぱいみずみずしい香り、時にパイナップルのような香りがする時もあります。
このタイプの吟醸香はカプロン酸エチルという香気成分により生まれます。

2.2. バナナ・メロン系の吟醸香

吟醸香の種類2

もう一つ代表的な表現で使われるのがバナナやメロンの香りです。リンゴ系の放つ吟醸香よりも甘めの香りになるのがこちらです。
このタイプの吟醸香は酢酸イソアミルという香気成分により生まれます。

3.日本酒が苦手な人でも飲みやすい、吟醸香のする日本酒おすすめ10選

吟醸香がどういうものかはわかりましたが、では一体何から飲んでみるのが良いか、迷うところですよね。

ここでは吟醸香が魅力的で、日本酒通なら必ず飲んでいるといわれる吟醸酒、大吟醸酒。
そして日本酒の専門店や日本酒のオンライン専門でも人気で手に入りやすい日本酒10本を選んでみたのでご参考にしてみて下さい。

3.1. 【磯自慢 純米吟醸】(リンゴ系)

磯自慢

磯自慢 純米吟醸は、果実のような華やかな香り。数々の酒の大会で賞を受賞する実力、創業は1830年と老舗の蔵元です。

2008年北海道洞爺湖サミットの初日、夕食会では同酒造の「磯自慢 中取り純米大吟醸35」が、乾杯用のお酒として採用された経験も持ち世界の舞台でも名が知られている1本です。

こだわりも多く仕込み水の約70%は南アルプス白峰三山、間ノ岳を源泉とする大井川の名水を仕込み水として使用している。

また、酒造りに最も大切な原料である酒米は全国各地の厳選した酒造好適米を使用し、中でも多く使用している酒米が”山田錦”です。こちら純米大吟醸は「東条産山田錦」を使用しています。

酒蔵: 磯自慢酒造(株)(静岡県)【公式ページはこちら

3.2. 【獺祭 磨き二割三分 純米大吟醸】(バナナ系)

獺祭

獺祭の最大の特徴はおそらく日本一と噂される米の磨きの高さだと言えるでしょう。精米歩合23%と極限まで磨き上げた米が他では出せない華やかな香りと味を引き出しています。

25%から23%までの最後の2%を磨き上げるために丸一日かけるという徹底したこだわりが他では味わえない「獺祭大吟醸」の醍醐味なのでしょう。

酵母に何を使用しているかは非公開ですが、メロンの香りと共に花梨やナシなどの香りがミックスされ華やかな香りが印象的。

こちらのお酒も数々の酒の大会において受賞歴もあり、2014年オバマ大統領が日本を来日した記念に贈られたお酒というのはあまりにも有名。

2015年JAL国際線ファーストクラスにも採用されている。海外セレブもご用達の知名度№1の日本酒。

酒蔵:旭酒造(株)(山口県)公式ページはこちら

3.3. うっかり飲み過ぎてしまいそう! 【雨後の月 大吟醸】(リンゴ系)

雨後の月

雨後の月 大吟醸は、2015年全国新酒鑑評会において金賞を受賞した大吟醸酒。酒米に広島県で独自に育成した酒米「千本錦」を使用。

山田錦を広島の風土に適する様に改良されたその酒米で、広島にある相沢酒造が丹精込めて造り出したしたその香りと味は上品かつ優しい。

酒蔵:相原酒造(株)(広島県)公式ページはこちら

3.4. SAKE COMPETITIO 2014 純米大吟醸部門3位 【出羽桜 純米大吟醸愛山】(バナナ系)

出羽桜

出羽桜 純米大吟醸愛山は、酒米に艶やかな甘みが出るといわれている「愛山米」を使用し、45%まで精米した大吟醸に仕上げています。

酵母は山形酵母を使用しバナナやメロンの様な甘く華やかな香りを特徴としています。

2014年のSAKE COMPETITIONでは、純米大吟醸部門において第3位入賞の輝かしい受賞歴もあります。

酒蔵:出羽桜酒造(株)(山形県)【公式ページはこちら

3.5. SAKE COMPETITION2015純米吟醸部門8位果実の甘い香りが醸し出す魅惑の1本 【寫樂 純米吟醸 播州愛山】(リンゴ系)

寫樂

冩樂 純米吟醸 播州愛山も酒米に「愛山米」を使用し、福島の開発した福島酵母(F701)を使用し、福島酵母の特徴であるリンゴやナシの果実を含んだような華やかさある香りが魅力。

2015年のSAKE COMPETITIONにおいて、純米吟醸部門で8位入賞の実績もある。冩樂の銘柄は2017年12月からJAL国内線ファーストクラスの日本酒としも選ばれています。

酒蔵:宮泉銘醸(株)(福島県)公式ページはこちら

3.6. SAKE COMPETITION2017吟醸部門2位の風格漂う果実系の香り 紀土 <KID> 大吟醸

紀土

紀土 <KID> 大吟醸は、飲みやすく上品な味わいという所で日本酒ビギナーの最初の1本として大変おすすめできます。

精米歩合35%と磨き上げ、協会酵母1801号を使用して醸し出す酸味の少ない優しい味わいとリンゴやバナナの調和がとれた甘い香りで「紀土マニア」も存在するくらい人気の大吟醸酒です。

2017年のSAKE COMPETITIONにおいて第2位受賞の実力と風格ある1本。

酒蔵:平和酒造(株)(和歌山県)【公式ページはこちら

3.7. 白桃のような甘く優しいフルーティーな香りが魅力 【鳳凰美田 ブラックフェニックス 純米吟醸】

鳳凰美田

鳳凰美田 ブラックフェニックス 純米吟醸は、酒米に「愛山米」を使用して、原酒で無濾過本生を実現。無濾過らしいフレッシュ感がたまらない。本生のボリュームある口当たりは病みつきになりそうだ。味わいにボリュームがあるので食事と共に飲むのがふさわしい。

鳳凰美田のシリーズの「鳳凰美田 別誂至高 純米大吟醸」が2018年JAL国内線ファーストクラスの日本酒として選ばれている実力の酒蔵のおススメの1本になります。

酒蔵:小林酒造(株)(栃木県)【公式インスタグラムはこちら

3.8. メロンや花がブレンドし華やかで芳しい香り 【作 雅乃智 純米吟醸】

作

作 雅乃智 純米吟醸は、2018年SAKE COMPETITION にて純米吟醸部門銀賞受賞のお酒です。

コクのある純米吟醸と芳醇な香りのする純米吟醸の二つをブレンドするという非常に手の込んだこだわりの酒造りの賜物。

香りは品のあるしかし優しい香り、フルーティーで華やかとは、こういうことだと思わせる1本なのではないだろうか。ぜひ1度は味わっていただきたい吟醸酒です。

酒蔵:清水清三郎商店(株)(三重県)公式ページはこちら

3.9. 南国の果実を思わす甘くエレガントな香り 【醸し人九平次 純米大吟醸 山田錦】

醸し人九平次

醸し人九平次 純米大吟醸 山田錦の水は、長野で採水した仕込み水を使っており2010年から米の自社栽培を行い徹底した酒米(山田錦)へのこだわりを追求している。

醸し人九平次 純米大吟醸 山田錦はそんなこだわりが詰まった1本になっている。海外にファンも多くワイン大国のフランスにおいても「ワインのような日本酒」として受け入れられている。

「獺祭」と共に日本酒として名の知られたブランドとなっている。フレッシュで果実味あふれる味わいは女性ならきっと虜になるはず。

酒蔵:(株)萬乗醸造(愛知県)公式ページはこちら

3.10. プーチン大統領をもうならせた上品で華やかな香り 【東洋美人 壱番纏 純米大吟醸】

東洋美人

東洋美人 壱番纏 純米大吟醸では酒米に山田錦を使用し、酵母は自社酵母。蔵に湧き出る月山岩清水を仕込み水に使っています。

山田錦の上品な甘さと自社酵母による爽やかな香りをミックスしフレッシュでフルーティーな透明感のある酒造りを目指している蔵元です。

2016年の日露首脳会議が山口県「大山山荘」で行われたワーキングディナーに、この東洋美人 壱番纏 純米大吟醸が振る舞われ、その際に、プーチン大統領が絶賛したと言われたお酒です。

酒蔵:(株)澄川酒造場(山口県)公式ページはこちら

まとめ

ここまで、吟醸香のある美味しい日本酒についてご紹介しました。

1.吟醸香は、日本酒造りの工程で酵母が作り出すフルーティーな香りのこと
2.吟醸香が醸し出す香りは成分によるもので、大きく分けると2タイプある
(バナナやメロン系の吟醸香とリンゴや洋ナシ系の吟醸香)

気になる吟醸香の日本酒をぜひ試してみてください!

 

※香り、味の表現は、あくまでも個人的な感覚での表現となり全ての方がそのように感じると断定するものではありません。
※日本酒の在庫等に関しては各店舗へのお問合せをお願いします。
※参考文献
「日本酒の教科書」新星出版
「№1ソムリエが語る新しい日本酒の味わい方」SB新書
「日本酒完全ガイド」池田書店
「清酒のにおい・かおりとその由来」e-アカデミーTips for BFD

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