「飲む点滴」とも呼ばれ、健康志向の方に人気の甘酒。おいしくて栄養素も高いなんて最高ですね!
ただ、「酒」とあるのでアルコールが入っているのか気になりますよね。お酒を飲めないドライバー、妊婦さん、子どもなどが飲んでも大丈夫なのでしょうか。
実は、甘酒にはアルコール入りのものと入っていないものの2種類あります。ただし、アルコール入りの甘酒でもアルコール度数は1%程度(ビールが4-5%程度)なので、あまり高くはありません。とはいっても、たくさん飲んでしまうと酔う可能性もありますし酒気帯び運転になるかもしれないので注意が必要です。
アルコールありなしの違いは原料にあり、飲んだ後の効果が変わってきます。健康効果を求めるか美容効果を求めるかでも選び方が変わるのでぜひ知っておいてほしいです。
今回は、甘酒のアルコール入り・ノンアルの徹底比較をしていきます。ぜひ参考にしてください。
1.甘酒にはアルコールありなし2種類ある
甘酒には「アルコール入り」と「ノンアルコール」の2種類があります。原料によってその違いがあり、ノンアルコールは「米麹(こめこうじ)」が原料、アルコールが含まれるのが「酒粕」を原料としてつくられた甘酒です。
・米麹を使った甘酒=ノンアルコール
・酒粕を使った甘酒=アルコール入り(アルコール度数1%程度のものが多い)
成分表に書いてある「原料」や「アルコール度数」でその違いを見分けることができます。
1-1.米麹の甘酒(ノンアルコール)
「麹」の発酵作用により、必須アミノ酸といわれる体の健康状態を維持するのに欠かせない沢山の栄養素が含まれています。さらに、ビタミンB1、B2、B6、パントテン酸、などのビタミン群も豊富。疲労回復には抜群の効果が期待できます。
「甘酒」の季語は夏。江戸の庶民は暑い夏の日に、夏バテ防止のために甘酒を飲んでいたと言われています。
東京農業大学名誉教授(農学博士)であり、発酵学や醸造学の専門家である小泉武夫先生のお話だと、米麹でつくられた甘酒は赤ちゃんに与えても大丈夫とのことでした。
離乳食が明けた生後9ヶ月~10ヶ月頃から通常の2~3倍に薄めた甘酒を少量から与えていって良いとのことです。また、授乳中のママにとっても甘酒は出産後の体力回復に最適だということもお話されていました。
1-2.酒粕の甘酒(アルコール入り)
もう一つは、日本酒を製造する際にできる「酒粕(酒粕)」でできた甘酒です。こちらはアルコール度数1%程度ですがアルコールが含まれています。
実は、作りたての日本酒はまだ透明ではなく、色々な成分が混ざった状態で白く濁っています。透明できれいな日本酒にするためにしぼって、出てきた固形物が酒粕です。酒粕そのものには8%程度のアルコール分が含まれています。ただし、酒粕でできた甘酒はほとんどが1%未満に抑えられて清涼飲料水として販売されています。ほとんどアルコール分を感じることはありません。
市販の米麹甘酒の裏書き
とは言っても、量をたくさん飲めば酒気帯び運転となり検挙の危険性もあります。メーカーサイドも商品の裏書き(上記画像)にも注意書きが添えられています。ドライバー、子どもや妊婦さん、お酒が弱い方は注意が必要です。
また、もし酒粕を購入して自分で甘酒を造る場合は、もう少しアルコール度数は高くなります。沸騰させて作るので多少のアルコール分は飛ぶのですが、それでも出来上がりの甘酒の中には5%程度のアルコール分が残ります。
2.米麹甘酒VS酒粕甘酒どっちが栄養多い?
種類 | ||
米麹 甘酒 | 酒粕 甘酒 | |
成分 | ・タンパク質 ・糖質(酒粕にはない) ・アミノ酸 ・炭水化物 ・ビタミンB群 ・ミネラル類(酒粕よりも多い) ・食物繊維 | ・タンパク質 ・アミノ酸(酒粕が米麹の2倍) ・炭水化物(米麹より多い) ・ビタミンB群(葉酸・ナイアシンは米麹より多い) ・ミネラル類 ・食物繊維 |
効果 | 米麹甘酒には、オリゴ糖などの糖質が含まれています。酒粕ほどではありませんが食物繊維もあるため腸に働きかけてくれる作用がありますので便秘気味の方などの健康管理が気になる方にオススメです。 | 酒粕甘酒にはアミノ酸とビタミンB群が米麹より豊富に含まれています。特に、必須アミノ酸、葉酸、ナイアシン、コウジ酸などの成分が米麹よりずば抜けて豊富なのでアンチエイジングに効果が期待できます。 |
甘味 | ブドウ糖の自然の甘味 | 甘味成分は含まれていないので甘味はない |
アルコール分 | アルコール成分0% | アルコール成分8% |
オススメタイプ | 疲労回復や子ども、妊婦、アルコールの弱い方、車を運転する方 | アルコールOKの方、アンチエイジングしたい方 |
酒粕甘酒も米麹甘酒も含まれている栄養成分はほぼ同じです。違いをあげると以下です。
米麹甘酒の方には糖類が含まれていること、アルコール成分が入っていないことでご高齢の方やお子様などにも幅広くオススメできます。また、オリゴ糖+食物繊維が含まれているので疲労回復や便秘解消の効果も期待できます。
酒粕甘酒にはアルコール分が含まれるものの、米麹甘酒よりも栄養成分が豊富に含まれているものがたくさんあります。特に必須アミノ酸とビタミンB群、葉酸やナイアシン、コウジ酸など、お肌の疲れを気にされている方には飲んで嬉しい成分が豊富です。
健康を重視される方は米麹甘酒を、美容に重点を置きたい方には酒粕甘酒がオススメと言えます。
なお酒粕の効能や活用法を詳しく解説した記事はこちらになりますのでご覧下さい!
3.おいしくてお手軽な「米麹甘酒」5選
3-1.スーパーで購入OK!知名度№1 マルコメ「プラス糀 糀甘酒」
スーパーなどでも販売されていますので見かけたこともあるかも知れません。お味噌造の麹を利用し、お砂糖は一切加えていない純粋な米麹の甘酒になります。
優しい味わいと老舗ならではの丁寧な造りで飲むとホット優しい気持ちになれるので不思議です。
・メーカー:マルコメ(株)公式ページはこちら→
・商 品:プラス糀 糀甘酒 125ml×18本
・価 格:2,480円(税込)
・購入はこちら→
3-2.日本酒で有名な八海山から発売されている「麹だけでつくったあまさけ」
酒造りのノウハウを活かし、八海山で使用する良質の水と麹のみでつくられた甘酒です。甘味は控え目で味わいはスッキリと楽しめます。
・メーカー八海醸造 (株)公式ページはこちら→
・商 品:麹だけでつくったあまさけ 825g×6本セット
・価 格:5,980円(税込)
・購入はこちら→
3-3.福岡の老舗蔵元がつくるストレートタイプの「国菊 あまざけ」
一般的な甘酒は、飲みやすい様になめらかな口当たりになる様にこしてあります。こちらの甘酒は原酒そのまま、麹のつぶつぶが含まれており口の中で食べながら飲むと言うような感じの甘酒です。日本酒でいうとどぶろくに近いですね。
アルコールが含まれているわけではないのでお酒のように強いといった感じではなく「濃い」と言った印象が強いです。濃厚な甘酒が飲みたいと言う人はぜひ試してみて下さい。
・メーカー(株)篠崎 公式ページはこちら→
・商 品:国菊 あまざけ 985g
・価 格:778円(税込)
・購入はこちら→
3-4.愛知の有名酒 蓬莱泉がつくる「蓬莱泉 蔵元のあまざけ」
蓬莱泉といえば愛知の銘酒、あっさりとしたどんな食事にも合わせやすい日本酒ということでファンが多い銘柄です。その蓬莱泉の関谷醸造から甘酒も販売されています。
酒蔵がつくる甘酒が飲みたいというリクエストの声に答えての販売とのこと。糖類は一切無添加で麹100%の優しい甘味とサラッとさめらかな味わいを楽しめます。
・メーカー 関谷醸造(株) 公式ページはこちら→
・商 品:蓬莱泉 蔵元のあまざけ 720ml
・価 格:1,242円(税込)
・購入はこちら→
3-5.絶対飲んでみたい獺祭が造る「獺祭 麹仕立て甘酒」
甘さを出すために糖類などを添加することは一切行なわず、米麹柄つくられるオリゴ糖などの自然の甘味のみの味わいでトロリとた濃厚な味わいがたまりません。
・メーカー 旭酒造(株) 公式ページはこちら→
・商 品:獺祭 麹仕立て甘酒 825g
・価 格:918円(税込)
・購入はこちら→
4.【甘酒を手作り】せっかくなので有名酒蔵の酒粕で作ってみよう
酒粕を使って自分で甘酒を作ってみたい、という方は原料の酒粕にこだわってみるのもおすすめですよ!酒粕によって甘酒の味が変わるので飲み比べてみるのも楽しいです。
4-1.好みの酒粕が選べて買える「酒粕と酒の専門店 竹屋」
酒粕販売「竹屋」販売サイトはこちら→
人気の日本酒を作っている酒蔵の酒粕を販売しているサイトです。鍋島や楯野川、ちえびじん など日本酒好きなら笑顔がこぼれてしまいそうな銘柄ばかりです。いくつか購入して味の違いを味わってみるのもおすすめです。
4-2.手造り酒粕甘酒「簡単 作り方」
酒粕甘酒を作るのは簡単。準備する物は「酒粕 30g」に対して「お湯 200ml」&「砂糖 大さじ1」だけです。ぜひ挑戦してみてください^^
わかりやすい動画がありましたので参考にしてみてください。
参考サイト:ユーチューバー パパめしさん「酒粕で作る甘酒」
まとめ
・甘酒には「ノンアルコールの甘酒」と「アルコール入りの甘酒」の2種類があり原材料の違いで見分ける。
・「米麹の甘酒」はノンアルコール、「酒粕の甘酒」はアルコール入り。
・米麹にはオリゴ糖等の糖分が入っているので整腸作用が期待できる。
・酒粕にはアミノ酸とビタミンB群が多いのでアンチエイジングに気を使っている方におすすめ。
【参考文献】
・日農医誌 公開講座Ⅱ小泉武夫「食と日本人の知恵」
・小泉武夫食マガジン
・酒粕食品成分表
・米麹食品成分表
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