料理酒の代わりに日本酒を使って料理上手に!おすすめ5選をご紹介

赤魚の煮付け

食材だけでなく調味料にこだわると料理はより一層おいしくなります。

特に調味料は料理の味を決める重要な役目をするもので必ず使うものと言ってもいいかもしれません。
良質な調味料は食材と喧嘩することなく素材の成分と調和して、本来もっているおいしさそのものを引き出し、味に深みや幅を持たせてくれるからです。

中でも、料理上手な人は料理酒ではなく添加物のない「日本酒」を使っています。
日本酒を使うとより旨味を出すことができます。

そこでこの記事では、
・日本酒がなぜ良いのか
・料理酒との違い
・日本酒を使うと美味しくなる料理
・料理酒に使いたい日本酒

についてご紹介していきます。皆様の料理作りの参考になさっていただけると嬉しいです。

1. 料理をもっと美味しくしたいのなら日本酒を使う

1-1. 日本酒がなぜ良いのか

料理を食べて美味しいと感じるのは「うま味」があるからです。

汁ものや鍋もののだしに昆布やかつお節等を使うととても美味しくできます。それは、この「うま味」の成分であるグルタミン酸やイノシン酸と呼ばれる成分があるからなのです。

店先でよく見かける「うま味調味料」と呼ばれるものは、これらグルタミン酸やイノシン酸を人工的に精製した調味料です。ひとふりすると料理の味がなんだかおいしく変わるあの調味料です。

米と麹を発酵させ造り上げられる日本酒もまた多くのうま味を持つアミノ酸と呼ばれる成分を含んでいます。ですから料理に使うとグッと味を引き立て美味しくしてくれるのです。

日本酒の原料は、良質の米と麹そして水です。つまり、うま味成分を多く含んだ天然の調味料と言うことになるのです。

1-2. 料理酒との違い

皆さんは料理に「酒」と表示されていた場合、何を使っているでしょうか?多くの方は「料理酒」と答えるのではないでしょうか。

料理酒と日本酒の違い

 

料理酒

日本酒

塩分 あり

塩分 なし

飲用 不可 ✖

飲用 可 〇

うま味はあるが、雑味が残っている

雑味を取り除き、うま味を残す

料理酒と日本酒の大きな違いは酒そのものに塩が含まれているか、いないかです。

飲用ができないよう「不可飲処置」と呼ばれる塩や酢を加え酒税をかけずに販売できるようにした酒を料理酒と呼びます。そのため価格は飲用の日本酒より低く抑えられ日常手軽に誰もが使えるようになっています。

料理酒も酒に変わりはないのですがその成分に本来の日本酒以外のものが含まれているため料理の風味や素材本来の味を邪魔することもあり思うような味付けにならないと感じる多くの場合、この料理酒がきっかけであることも多いのです。

米と麹と水というとても素朴で自然な原料から造られているからこそ料理に日本酒を使うとどんな素材とも調和し自然原料だからできる味の相乗効果が現れるのです。

料理上手になりたい、料理を美味しく作りたいそんな風に考えている方はぜひ一度、料理酒ではなく日本酒を使ってみていただきたい、その味の違いにきっと驚かれることと思います。

1-3. 日本酒を使うと美味しい料理

レシピに「酒」と書かれている部分を料理酒ではなく日本酒にして作ります。例えば「ワイン」なんて書かれている料理でも日本酒は癖のないお酒なので殆ど使えてしまいます。

・照り焼き

肉や魚の照り焼きに日本酒を使ってみましょう。肉や魚の臭みを消し料理全体にコクが生まれます。

例えば鶏肉の照り焼きなどは、しょうゆや砂糖と共に日本酒を調味料として使うことで臭み、味に違いが出て料理全体がまろやかな味になります。

・煮つけ

例えば、ぶり大根や、角煮や肉じゃが等の煮つけ料理にも日本酒は最適です。煮汁の調味料で料理酒を使用していたところを日本酒にかえて調理するだけです。

これらの料理は臭みが気になる料理だとおもいますが、日本酒がその臭みを防いでくれて肉などの身を柔らかくする効果もあり味を素材の中にぎゅっと押し込めてくれます。

・汁物

汁物にも日本酒を使うと美味しくなります。昔から潮汁と呼ばれる魚介類のだしを塩などで味付けしたハマグリの汁物や鯛の汁物などがありますが、これらに使うのも料理酒より日本酒がおすすめです。

臭みが残らず美味しく出来上がります。また、とん汁やけんちん汁といったものにも日本酒を使うと風味良く美味しく仕上がります。

・たれやソース

たれやソースに日本酒を使うのもおすすめです。日本酒は癖がないので洋食のソースづくりにも重宝します。普通赤ワインや白ワインとレシピに書かれているところを日本酒で作ってみるとさっぱりとした優しい味わいのソースになります。トマトソース系の煮込み料理にも使ってみて下さい。

なんにでも使える「万能たれ」も作り置きがきくので重宝します。
しょうゆ1:砂糖1:日本酒1の割合で鍋に入れひと煮立ちしたら冷まして瓶などに詰めて冷蔵庫で保存。(甘みの調整は砂糖を加減)

焼き鳥のたれに使ってもいいですし、いり鶏の味付けにも使えます、白身魚のから揚げなどを作ったらこの「万能たれ」に柚子やすだちなどの柑橘類のしぼり汁を加えるとポン酢代わりになります。

2. 料理に使いたいおすすめの日本酒

料理に日本酒を使うのなら「純米酒」がおすすめです。日本酒には大きく2つの種類があります。醸造酒と純米酒です。

醸造酒とは、米、麹、醸造アルコール呼ばれるサトウキビや穀類を発酵蒸留して造られたアルコールを混ぜて造られたもので、飲んだ時の香りや味わいをより楽しむための日本酒。

一方の純米酒は米と麹のみで造る豊かな米の風味を存分に味わうために造られる日本酒になります。

料理に使う場合、材料である肉や魚、野菜などが本来持っている味わい、風味を損なわず、上手に引き出すと言う理由から余計な混ざりものが入っていない米と麹のみで造られた純米酒が向いています。

さらに、料理では熱を加えますので「燗」にむいている純米酒がおすすめです。ここでは飲んでも美味しい、もちろん料理に使えばなお美味しいおすすめの純米酒をいくつかご紹介します。

2-1. ひこ孫 純米

純米酒にこだわり蔵の酒全てを純米酒で製造している神亀酒造の「ひこ孫 純米」は3年以上の熟成期間を経て出荷する貴重な日本酒でもあります。熱燗にして飲むのが一番のおすすめの日本酒となります。

山田錦を使用したキリっとしたシャープな味わいは純米酒の王道とも言えます。無論、飲んでおいしい日本酒は料理に使用しても美味しいということを証明してくれる1本です。

蔵元:神亀酒造㈱(埼玉県) 公式ページはこちら→
製品:ひこ孫 純米清酒 720ml
価格:1.836円(税込)
購入はこちら→ 

2-2. 鍋島 特別純米

九州・佐賀を代表する地酒としてファンが多い富久千代酒造の定番酒「鍋島」は辛口純米。爽やかな酸味もあり少しの苦みがありそれがまた飲んだ時に旨味に代わりどんな料理と合わせても合わせやすい。

「鍋島 特別純米」には生酒と火入れ酒の2種類がありますが料理に使う目的であれば保存がきく火入れ酒の方をおすすめしたい。

蔵元:富久千代酒造㈱(佐賀県) 公式ページはこちら→
製品:鍋島特別純米 1800ml
価格:2.916円(税込)
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2-3. 鶴齢 純米酒

「鶴齢 純米酒」は、精米歩合70%の越淡麗と五百万石で醸した純米酒です。超淡麗は、新潟の酒造好適米で新潟の地でしか栽培できない、そして新潟の蔵でしか使えない酒米、蔵内の井戸に沸く水を仕込み水として使用しており他では味わえないひと味違う純米酒として楽しめます。

超淡麗を使用して造られた純米酒の味わいは口に含むと米の味が優しく広がる食事向きの日本酒です。ふくよかな米の旨み溢れる「鶴齢」は料理に使ってもまた優しい味わいです。

蔵元:青木酒造㈱(新潟県) 公式ページはこちら→
製品:鶴齢 純米酒 720ml
価格:1.242円(税込)
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2-4. 竹鶴 純米

ニッカウィスキーの祖、竹鶴政孝氏の生家として、またNHK朝の連続テレビ小説「マッサン」の撮影舞台になった事でも有名な竹鶴酒造。

この蔵のモットーはお酒がお酒らしくあるために3つの要素を重きに酒造されていると言います。「燗にして美味い」「料理に合わせると美味い」「熟成させると美味い」そんな竹鶴酒造の看板酒が「竹鶴 純米」

食事と共に飲む食中酒として常温でも美味しく、熱燗でも美味い、熱燗が冷めてしまった「燗冷まし」でも美味しさがかわらない。料理に使うとどんな料理とも調和し素材を引き立ててくれます。

蔵元:竹鶴酒造㈱(広島県) 公式ページはこちら→
製品:竹鶴 純米酒 720ml
価格:1.188円(税込)
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2-5. 七本鎗 純米 渡船

滋賀県琵琶湖の最北端に460年近い歴史を守り続けている蔵それが冨田酒造です。この「七本鎗  純米 渡船」に使われている酒米はかつて幻の酒米と言われた渡船を使用し低精白の77%の精米で醸し出しています。

あえて精米を抑えるのは酒米である船渡のもつ、どっしりとした旨味を引き出すためだという。旨みと酸味を兼ね備えた躍動感ある辛口の男酒の代表です。

熱燗で飲むと芳醇な香りとふくよかな米の旨みが広がり料理に使うにも最適です。

蔵元:冨田田酒造㈲(滋賀県) 公式ページはこちら→
製品:七本鎗 純米酒 720ml
価格:1.566円(税込)
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まとめ

ここまで料理には料理酒よりも日本酒を使う方が断然おすすめでそれはどうしてなのかと言うことをお話ししてまいりました。

芸術家でありながら料理家や美食家の顔も持っていた北大路魯山人の言葉でこんな言葉があります「日本人が刺身を愛し、常食する所以は、自然の味、天然の味を加工の味以上に尊重するからである」素材の味そのもののおいしさを知っている、そしてそれを美味しいと感じる味覚が私たちには備わっています。

料理に、化学的に造られた調味料を用いるのではなく自然の原料から造られたものを用いて料理をする。余計なものを足さない、それだけで料理の味はとりわけ美味しくなるということがお分かりいただけたと思います。そしてそんな料理の材料に日本酒を加えてみようと思っていただけたのなら幸いです。

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