日本酒の美味しさを保つための保存方法|すぐ実践できるポイント3つ

買ってきた日本酒。もらい物の日本酒。
「いいお酒だし、最後まで美味しく飲みたい。でも、どうやって保存すればいいのだろう」
あなたはいまそう思っていませんか?

せっかくなら,開封してから飲みきるまで風味を損ねず,美味しく日本酒を楽しみたいですよね。
奮発して買ってきたお酒ならなおさらです。

日本酒の保存方法にはコツがありますが、なにも難しいことはありません。
基本的には冷蔵庫に保存してできるだけ早く飲みきることです。
ただ、冷蔵保管が難しい方や飲みきるのが難しい方に向けて、保存方法のポイント3つをお伝えします。

すぐに実践できる内容ですから、読んだ後でさっそくやってみてくださいね。
美味しい日本酒を、最後まで美味しく飲むためにこの記事がお役に立てば幸いです。

1.日本酒は基本的に冷蔵保存しよう

日本酒は冷蔵保存することによって美味しく飲むことができます。
細かく言えば、冷蔵保管すべきお酒かどうか、開封前か後かによって冷暗所でも問題ない場合があるのですが、判断に迷うときは冷蔵しておくと安心です。

1-1.冷暗所できれば冷蔵庫に保管

日本酒は光(紫外線)と高い温度によって劣化します。
適切な場所として冷暗所できれば冷蔵庫で保管することで、品質を保つこと出来ます。

日本酒には賞味期限の記載がありませんが、製造年月日から1年以内に飲むことをおすすめします。
(中には熟成酒のように何年も寝かせて楽しむ日本酒もあります)

お酒好きな私の場合、1週間も持ちませんが(笑)

1-2.生酒は開封前でも冷蔵保管

生酒は開封前でも冷蔵保存をオススメします。
通常日本酒は貯蔵する前、瓶詰めする前、2回ほど殺菌のために火入れ(60−70度までの温度に上げる)します。
生酒とは火入れのしかたにより3種類に分かれます。

・生酒(全く火入れしていない日本酒)
・生詰め酒(貯蔵する前に火入れするが、瓶詰めするさいには火入れしない)
・生貯蔵酒(貯蔵する際には火入れしないが、瓶詰めする際には火入れする)

「生詰め酒」「生貯蔵酒」は1度火入れしますが「生酒」は火入れをしないため特に品質が変化しやすいのです。
生とつく日本酒は冷蔵保存し、劣化させないようにしましょう。

酒屋さんでも生酒は冷蔵庫で販売しています。生酒を買ってきたなら、さっそく冷蔵庫に入れましょう。

2.冷暗所でも良い場合2つ

どんな日本酒でも、時間が経つにつれ熟成が進みます。

冷蔵庫で保管するとゆっくり熟成して優しい味わいになります。
一方、冷暗所で保管するとやや早めに熟成するのでしっかりした味わいになります。

熟成度は好みの問題ですし、冷蔵庫のスペースの関係もあって「できれば冷蔵庫以外で保管したい」場合があるはずです。
ここで冷暗所でも良い場合を2つ取り上げます。

2-1.火入れされたお酒は常温保存可

生酒以外は通常2回火入れしますので冷暗所にて常温保存で問題ありません

火入れの場合は、ラベルに「火入れです」とは書いてないことが多いのですが、「生○○」と書いてなければ火入れと考えて間違いありません。

2-2.熟酒、醇酒、爽酒は冷暗所で大丈夫

日本酒の分類で熟酒、醇酒、薫酒、爽酒と4種類に分ける事が出来ます。

・熟酒(じゅくしゅ):香りが高く、味が濃い
・醇酒(じゅんしゅ):香りが低く、味が濃い
・薫酒(くんしゅ) :香りが高く、味が軽やか
・爽酒(そうしゅ) :香りが低く、味が軽やか

品質の問題とは異なりますが薫酒は香りが高く味が軽やかな吟醸系のお酒が多いので、冷たく冷やして飲む方が断然美味しいでしょう。冷蔵庫での保管が基本です。
それ以外の「熟酒」、「醇酒」、「爽酒」は、涼しくて暗い場所での保管で問題ありません

3.保存時のポイントはたった3つ

日本酒が劣化する原因は大きく3つあります。光と温度と空気です。
日本酒を上手に保存するためには3つの原因を避けること、ただそれだけです。

3-1.光に気をつける

日光や蛍光灯の光が当たらない場所に保管してください。

日本酒は光(紫外線)の影響を受けやすいので、たいていの瓶は茶か緑の光を遮断する色になっています。
もちろんそれだけでは不十分で、自宅での保管時にも光を当てないようにしましょう
直射日光に当てないだけではなく、蛍光灯の下で長く保管するだけでも、日光臭と呼ばれる独特のにおいがついたり、味が変わったりするので注意が必要です。

買ってきた日本酒が箱に入っているか新聞紙に包まれているなら、そのままの状態で光の当たらない場所に保管してください。
瓶のままの日本酒を買ってきたなら、新聞紙にくるめてから保管しましょう。

3-2.温度に気をつける

温度変化の少ない涼しい場所で保管してください。

日本酒は温度の影響を受けやすいアルコール飲料です。
日本酒の種類に合わせて、「要冷蔵」のものは冷蔵庫で、常温保存でも可能なものであっても、保管場所の温度に注意してください。

温度が上がりやすい場所、温度変化が激しい場所は望ましくありません。
ガスコンロ周辺など、熱を発する機器や家電の近くは避けましょう。

湿気がある場所も保存に適していません。
シンクの下など水まわりに近いところへの収納は控えてください。

だれもいない真夏の室内は30℃を超えることがあるので、床下収納やクローゼットの中など、温度が上がり過ぎない場所を選ぶとよいです。

3-3.空気に気をつける

お酒自体が空気にふれないよう気をつけてください。

開封した瞬間から、その日本酒は空気に触れることになります。
空気に触れると酸化が進み、どんどん風味が損なわれていきます。
なるべく空気に触れないために、飲み残しの日本酒はしっかりとフタをして冷蔵庫に入れましょう

「開封後の日本酒はお刺身を扱うように慎重に…」というと大げさに聞こえるかもしれませんが、生ものと思って扱うに越したことはありません。
できれば数日間で飲み切るようにしてください。

4.【上級者向け】日本酒保存の達人を目指すなら

保存するときの3つのポイントを理解することができました。
光、温度、空気に注意するだけで、日本酒を美味しく飲むことができます。
「いやいや、もっとできることがあるのでは?」というこだわり派には、これからご紹介する方法にチャレンジしていただきたいと思います。

4-1.窒素ガスを使って保存する

窒素ガスを使えば空気による酸化が少なくなります。

ワインショップに行けば、ワイナリーでも使われているプロ仕様の窒素ガスキットが売られています。
たとえば、アメリカ製の「プライベートプリザーブ」なら3,000円以下で買えます。
1本で約450回噴射できます。

プライベートプリザーブ
【Amazonで購入可能】https://www.amazon.co.jp/%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%88-%E3%83%97%E3%83%AA%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%83%96-private-preserve-%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%8E-%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%83%E3%82%BA/dp/B001DLVIDI

窒素ガスを吹き込むことで,飲み残した日本酒の表面にガスの層を作ることができ、酸素が表面に触れることで生じる酸化を防ぐことができます。
便利な保存用ガスを使って,風味や香りの劣化を防いでみませんか?
もちろんワインとの併用もできます。

4-2.真空ポンプ付きワイン用の栓を使う

酸化を防ぐ別の方法は、瓶の中を真空状態にすることです。

「何だか難しそう…」と感じるかもしれませんが、真空ポンプ用の器具は、ワインショップや通販で簡単に手に入ります。
バキュバンの「ブリスターパックV15」なら、簡単に密閉できます。

ワインセーバー

 

日本酒の瓶にフタをする栓とポンプが1セットになっていて、ポンプを使って瓶の中の空気を外に追い出すだけで、保存したい日本酒の瓶の中を真空状態に保てます。
【Amazonで購入可能】https://www.amazon.co.jp/VACUVIN-%E3%83%90%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%90%E3%83%B3-%E2%98%85VACUVIN-%E3%83%90%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%90%E3%83%B3-%E3%83%96%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%83%E3%82%AF-cosme/dp/B005PKN7I2

最近では日本酒専用のものや、手動ではなく電動式ポンプも販売されていますので、いろいろチェックしてみるとよさそうです。

4-3.日本酒用ワインセラーを買う

日本酒の保存用にワインセラーを買うのもおすすめです。

探せば、ワインと日本酒の両方にフレキシブルに対応できるものや、上と下で温度設定を変えられるタイプ、部屋にスッポリ納まるスリム仕様など、自分のニーズに合ったものが見つかるはずですよ。
参考までに、「ファニエルのコンパクトワインセラー」なら、日本酒とワインを同時に、しかし別々の温度で保存できて便利です。

コンパクトワインセラー

商品ページ http://sakura-wks.com/products.html
【Amazonで購入可能】https://www.amazon.co.jp/FURNIEL-%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%8B%E3%82%A8%E3%83%AB-%E9%95%B7%E6%9C%9F%E7%86%9F%E6%88%90%E5%9E%8B%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%A9%E3%83%BC-%E6%9C%80%E5%A4%A720%E6%9C%AC%E3%83%BB%E3%83%94%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF-SAB-50G-PB/dp/B00RL2T34E

それぞれの日本酒をベストな状態で飲むために,お酒を買うときに蔵元や酒屋さんで、そのお酒の飲み頃や注意点を聞いてみるのもいいですね。

まとめ

今回は日本酒の保存方法についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
保存するときにたった3つのポイントを意識するだけで、日本酒の風味をそのままに美味しく飲むことができるのです。
日本酒が美味しく飲めるようになると、保存すること自体にやりがいを感じて、いまよりもっとこだわりたくなるに違いありません。
この記事が、今後の呑みの人生をより豊かにする助けになれば幸いです。

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