料理をしていてついつい材料を切らしていた、そんな経験を皆さんもきっとお持ちだと思います。
この記事では、もし「料理酒」切らしてしまった場合に代用できるものについてお話しします。
料理酒がなくてもあわてずに、自宅にあるもので代用できることがあります。
知っておくといざという時に困りませんのでぜひ参考にしてください。
目次
1. 料理酒がない時はこの5つ!
1-1. 日本酒
そもそも料理酒ではなく日本酒を使っているという方も多いです。日本酒は飲まないという人でも調味料として常備しておくと料理の時に重宝します。
米の旨みがあり、癖がないので料理の下ごしらえ、仕上げの味付けに加える、また、肉や魚の臭み消し、肉を柔らかくするなどいろいろな場面で使用できます。
癖のない分、和食以外で洋食系の煮込みの隠し味やソースに混ぜる、中華料理の炒め物や蒸し物など、どんな料理にもひと通り使えてとても便利です。
料理酒を日本酒に変えて入れても日本酒と料理酒の分量は同じでOKです。実はレシピに書かれている「酒」とは日本酒を指しています。ですからレシピ通りに作るだけで良いのです。
反対に料理酒を使うのであれば塩加減に注意が必要です。なぜなら料理酒には塩が加味されているからです。舐めればわかりますがかなり塩味が強いことがわかります。ですからレシピに「塩小さじ〇杯」などと書かれていたら味を確かめながら作ることが必要です。
日本酒は飲み残しでもちろんOKですが、出来れば米と水だけで作られている「純米酒」ならより一層美味しい料理ができ上がります。
1-2. 本みりん
本みりんも料理酒の代用となります。本みりんは、蒸したもち米に米麹を混ぜ、焼酎または醸造用アルコールを加えて熟成したもです。
日本酒よりも甘みが強く色が濃いのが特徴です。本みりんも日本酒と同様にアルコール度数がきちんとありますので、癖の強い肉や魚の臭み取りに代用ができます。
ただし甘みが強いので料理時に他の甘味を加減するよう注意しましょう。みりんはもち米の効果で日本酒よりも照りやコクが出ますので、ひと味違った味わいになります。
間違えやすいので注意が必要なのですが「みりん風味調味料」という商品が販売されています。こちらは本みりんに似せて作られたアルコールが入っていない調味料となりますのでアルコールの特徴が必要な料理酒の代用にはなりません。
1-3. ビール
ビールも自宅に常備されているお酒の1つです。お肉を煮込む料理では料理酒の代わりになります。
鶏肉や牛肉をビールで煮込んだビール煮と言う料理もあり、水を使う所をビールで煮込む料理法です。ビールや発泡酒は料理酒代わりに使つてOKです。
ビールを使うのならば煮物料理よりも煮込み料理にむいています。ベルギーでは「カルボナード」と呼ばれている牛肉のビール煮は郷土料理として有名です。
また、肉を柔らかくするのにビールに漬け込むというのも日本酒同様OKです。但し魚の臭み消しとしてはビールのホップの成分が強く作用するため素材に苦みが移り不向きです。
1-4. 白ワイン
ワインも定番かもしれません。料理酒の代わり使うのであれば白ワインが使いやすいでしょう。
ワインは白と赤がありますが、白は皮や種を除いて果実だけ発酵させたもので、もともと魚介類の料理や淡白な素材のさっぱりとした料理に使用するのに向いています。
一方の赤ワインは黒色系のぶどうを皮ごと搾って発酵させたもので牛肉料理によく使用されるのですが和食に使うには色が気になるのと赤ワイン独特の渋み苦みが和食には不向きです。
但し赤身のお肉を柔らかくしたり、ステーキソース、トマト系の煮込み料理などに使用するのなら赤ワインでもOKです。
白ワインは醤油と組み合わせることで「和」の味わいに近くなりますので和食などを作る時に料理酒を切らして白ワインしかないのなら代用してみましょう。
1-5. 焼酎
焼酎も家に残ってよくあるお酒の1つかと思います。焼酎は癖があるので料理に代用するのには不向きな酒と言われています。但し使える料理もあります。
例えばスペアリブ、角煮、モツ煮込みなど脂分が多く少し臭みが気になるような素材の煮込み料理に代用ができます。皆さんは脂っこい料理を食べた時、焼酎のお湯割りを飲むと口の中がさっぱりするという経験をしたことはないでしょうか。
焼酎は肉の脂をまろやかにし、食べた時の臭みや油をさっぱりとさせる効果があります。この効果でから揚げなどの揚げ物の衣の中に揉み込むと肉が柔らかく、うまみを逃さず美味しい揚げ物ができるのでおすすめです。
九州地方では角煮をつくる時には特産の芋焼酎を使って角煮を作るレシピがあります。
但し、焼酎はそれ自体に癖があるのでしゃぶしゃぶや、すき焼き、焼き魚に振りかけて臭み取り、などあっさりとした和食系の料理には不向きです。
2. お酒以外で代用できるもの4つ!
料理酒を使う目的は「臭み消し」「材料をを柔らかくする」「旨味を出す」「コクを出す」この4つが大きな目的ではないでしょうか。
前半では料理酒に代用できるお酒をご紹介しました。でも、もし手元にお酒がなかった場合やアレルギーなどがありお酒を使用できないという人などにも良い方法がありますのでご紹介します。
2-1. ハチミツでコクを出す
料理に日本酒などのお酒を使うことで料理にコクが出ます。それは日本酒などに含まれる米由来の糖分が甘みと深い奥行のある深い味わいを作るからです。
そしてハチミツでも同じ効果が期待できます。ハチミツの成分のほとんどは甘みで出来ています。特にグルコースと呼ばれる糖分はブドウ糖からできています。この糖分が料理に深い味わいに欠かせないコクを出してくれるのです。
ただし甘みは強いので料理をつくりながら甘味の加減を確かめながら量ずつ加えていくのが上手な使い方です。
2-2. 多めのだしで旨味を引き出す
日本酒等のお酒には旨み成分が含まれているので使うと料理に奥深い旨みが加わります。
でも手元にない場合は、だしを少し濃い目にとり、いつもより多めのだしで料理をしてみましょう。昆布やかつお節などのだしには料理に欠かせない旨味成分がたくさん含まれているからです。
昆布には旨味成分であるグルタミン酸が豊富ですし、かつお節にはイノシン酸という旨味成分が多く含まれておりどちらも材料の素材の良さを引き出し、味を調え美味しく仕上げてくれる大切な成分です。
濃い目で多めのだしをとり味付けをしてみると料理酒がなくても自然の素材が出す旨みで美味しい料理に仕上がります。
2-3. 臭み消しをしたい場合はにんにくやしょうが
にんにくやしょうがは中華料理ではセットで使われることも多く和洋問わず材料の臭みを取り除き風味をつけ味にコクを出すだし代わりとしても使われることが多い食品です。
日本でも昔から薬味として重宝され、肉や魚の臭み取りにも使われています。お酒が手元にない時でも安心して使用できます。
生のにんにくやしょうががない場合でも冷蔵庫の中にチューブ入りのものが入っていないでしょうか、チューブ入りのすりおろしにんにくやすりおろししょうがも代用がきくうえ、手間も省けて便利です。
2-4. 肉を柔らかくしたい人は玉ねぎのすりおろし
肉を柔らかくする方法では、玉ねぎのすりおろしを使うという方法が広く知られています。とても肉が柔らかくなります。
肉を軽くたたいておき、玉ねぎをすりおろし、叩いた肉を玉ねぎのすりおろしに30分~1時間ほど漬け込みます。玉ねぎに含まれるタンパク質分解酵素の作用で肉が柔らかくなります。
帝国ホテルの名物ステーキと言えば「シャリアピン・ステーキ」ですが、このステーキは玉ねぎの作用を利用しお肉をより柔らかく美味しく食べるために考案された帝国ホテル生まれのステーキです。
3. 料理酒として使うならこの日本酒がおすすめ
日本酒は大きく分けて2つのタイプがあります。本醸造系と純米系です。違いは原料です。本醸造酒は原料に米と水そして味や香りを整えるためにサトウキビなどから造られる「醸造酒」と呼ばれる醸造アルコールを添加した日本酒のことを指します。
一方の純米酒は純粋に米と水だけで造られた日本酒のことを指します。料理に使うのであれば添加されたものがなく米本来の旨みとナチュラルな香りが特徴の純米酒を使う方が料理が美味しく出来上がります。ここでおすすめの純米酒3本をご紹介します。
3-1. 醴泉 純米 山田錦
日本酒の酒米の王道山田錦を使用して米の旨みを引き出しながらもガツンとした骨太な味わいではなく軽やかで優しい味わいに仕上げてあるのが特徴の「醴泉 純米 山田錦」です。
料理も日本酒の温度帯も選ばない飲みやすい純米酒として人気があります。料理に使う時にもどんな料理にもマッチする幅広い純米酒としておすすめできます。
蔵元:玉泉堂酒造㈱(岐阜県) 公式ページはこちら→
製品:醴泉 純米 山田錦 720ml
価格:1.587円(税込)
購入はこちら→
3-2. 山形正宗 純米辛口
全ての酒を伝統的な槽(ふね)と呼ばれる木槽搾りで行い、仕込み水に奥の細道で詠まれた名刹「山寺」を源流とする硬質の伏流水を使用。すべての酒は純米酒と言うこだわりの酒造りをしているのが水戸部酒造。
その水戸部酒造の定番酒が「山形正宗 純米 辛口」です。硬度の高い仕込み水を使用しているので味わいはシャープでキレがありますが、さすがこだわりの製造法での純米酒だけあり米の甘み、旨みが見事に表現されており燗酒に最適な日本酒です。
自然の甘みと旨味が詰まったこんな純米酒なら料理にもしっくりと調和して溶け込むそんな1本です。
蔵元:㈱水戸部酒造(山形県) 公式ページはこちら→
製品:山形正宗 純米辛口 1800ml
価格:2.700円(税込)
購入はこちら→
3-3. 会津娘
髙橋庄作酒造店は、小規模醸造の純米酒造りが中心の会津の酒蔵です。地元、会津の米と水を使い穏やかな香り高い昔ながらの純米酒づくりにこだわり造られています。
「会津娘」は米の旨み・甘みがバランスよく口の中に広がり素朴で温かみのある味わいにファンが多い1本です。温度帯は選びませんがやはり燗酒がおすすめ
料理に使うならこんな優しい味わいの主張しすぎない日本酒を使うと素材に寄り添う美味しい料理ができます。
蔵元:髙橋庄作酒造店(福島県) 公式ページはこちら→
製品:会津娘 720ml
価格:1.330円(税込)
購入はこちら→
まとめ
ここまで料理酒が手元にない場合、どんなお酒が代用でき、そのお酒はどんな料理に適しているのか、またお酒を使わないと言う方法もあるということをお話ししてまいりました。
料理酒以外のお酒でも代用できるのだということに気がついていただけたのではないでしょうか。
また、お酒を入れない使わないという方法は、手元にお酒がない場合やお酒にアレルギーがある方などにも試していただける方法となっています。皆様の料理作りの参考にしていただければ幸いです。
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